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おまけ①「少女とノーパンツデー」


※ノーパンツデー

 一般にはズボン(パンツ)やスカートを穿かないで地下鉄に乗るイベントのこと(3月最初の金曜日)。

 一般にはノーパンツは日本語で言うノーパンのことではない。



-朝・校門前-


ガヤガヤ ワイワイ オハヨー ヨッス ガヤガヤ


モブ1『あの校門の横に立ってるの、少女さんだよな』


モブ2『本当だ。なんかうつむきかげんで、儚げだな…なんであんなところで…誰か待ってるのか?』


ガヤガヤ ワイワイ


少年(あれ、少女のやつ、なんであんなとこに突っ立ってんだ? 壁を背にしてカバンを前に持って…)


少女「…」ジー


少年(なんか俺の方見てんな…まあここで関わると目立つよな…とくに校門前だし)スルー


少女「少年くん!」ジー


少年「あ、少女さんおはよう」スルー スタスタ


少女「ちょ、ちょっと…!」


少年「あ、何かな」(なんだ、用事があったのか…こっちにくりゃいいのに)


少女「おまえ、LINE見てないな…」ヒソヒソ


少年「あ、今日スマホ忘れた…悪りい」ヒソヒソ


少女「くっ、そうだったのか…」ヒソヒソ


少年「こんなところで何してんだよ」ヒソヒソ


少女「オレは今ここから動けねえ」ヒソヒソ


少年「え、どうした?」ヒソヒソ


少女「…パンツ穿き忘れた」ヒソヒソ


少年「ええええ!」


少女「ばか、静かにしろ!」ヒソヒソ


少年「す、すまん。それって忘れるもんなのか?」ヒソヒソ


少女「今朝ちょっとシャワーを浴びてな。そのあとバスタオル一丁でいてさ。考え事してて、いつも学校に行く時間になって焦って着替えたらパンツ穿くの忘れた…」ヒソヒソ


少年「そんなエロ漫画みたいなこと本当にあるのかよ…それで動けないのか…いや、じゃあどうやってここまで?」ヒソヒソ


少女「っていうか、さっきまで穿き忘れてたの気づかなかった。気づいたらもう動けねえ…」ヒソヒソ


少年「マジかよ。途中、そ、その、大丈夫だったのか?」ヒソヒソ


少女「もう大丈夫と思うことにした。じゃなきゃオレの心が持たねえ…まあパンチラについてはいつも異様に気をつけてるし、無意識でもチラリとか覗き込まれたりはしてないと思うが…」ヒソヒソ


少年「確かに俺といるとき以外はすげーガード固いよな」ヒソヒソ


少女「まあそれはもういい。頼みたいんだがオレの体育着とってきてくれないか? オレのロッカーのロック番号教えるからさ。ちょっとダサいがハーパン・イン・スカートするしかねえ」ヒソヒソ


少年「いや、それムリ! おまえのロッカー俺が漁って体育着持っていくってヤバすぎだろ! なんとか教室まで行けんのか?」ヒソヒソ


少女「気づいた今となってはもうムリ…階段もあるし。ロッカーから出すとき屈まないといけないし」ヒソヒソ


少年「だったらクラスの女子に頼んだら?」ヒソヒソ


少女「馬鹿やろう。そんなことしたらオレが『ノーパン通学した変態女』って噂になるだろが。おまえみたいに親しい友達なんて他にいねーんだから」ヒソヒソ


少年「悲しいこと言うなよ…っていうか短パン姿見られたらどっちにしろそう思われるんじゃ?」ヒソヒソ


少女「そんなの寒いからとかなんとでも言える。でも校門のとこまで持ってきてもらう理由はないだろがい」ヒソヒソ


少年「じゃあ嫌かもしれないけど俺のハーパン履くか?」ヒソヒソ


少女「そしたら『クラスの男子のハーパン履く変態女』ってなるだろがい!」ヒソヒソ


少年「女子も男子もデザイン一緒だろ」ヒソヒソ


少女「サイズが違うだろ! 名前も付いてるし」ヒソヒソ


少年「名前はスカートめくらん限りわからんだろ…じゃあ俺の穿いてるパンツ貸そうか? 俺ズボンだし。ははは」ヒソヒソ


少女「…」サー...「妊娠しそうだからいいわ…」ヒソヒソ


少年「引くなよ! 冗談だろが! それにニ、ニンシン…俺のパンツでって…」/// ヒソヒソ


少女「これくらいの下ネタついてこいよ…」ヒソヒソ


ザワザワ

モブ3『少女さん、なんか地味なやつと校門前で話してんな』


モブ4『あれ少女さんと同じクラスのやつじゃね』


モブ3『くそ、なに話してんだよ…』

ザワザワ


少女「おっと漫才やってる場合じゃねえ。このままじゃ目立ってしょうがない。仕方ない、買い物頼めるか?」ヒソヒソ


少年「もしかしてパンツか?!」ヒソヒソ


少女「ああ。そこのコンビニで多分売ってるから。お金はこれで…」ヒソヒソ


少年「ムリムリ! 男物のパンツでも買うの恥ずかしいのに…まあ、でも男物でよければなんとか買ってくるけど…」ヒソヒソ


少女「ばか、そんなの穿いてるのがバレたらそれこそ変態だろ。男物だとこの後も使えないし」ヒソヒソ


少年「じゃあとりあえず男物穿いて、おまえが女物のパンツ買うか短パン取りに行けばいいじゃん。男物は俺が買い取るから」ヒソヒソ


少女「…」サー...「おまえ意外と変態だな…」ヒソヒソ


少年「あっ」///「ああ! そうか! そう云う意味じゃ!」///


少女「だから静かに…なんとかお願いするよ…」ヒソヒソ


少年「あー…」///「わかったよ…なんでもいいよな…」ヒソヒソ


少女「おう。サイズはSかMで。なるべく濃い色のがいいけど、なんでもいいや。恩に着るよ」ヒソヒソ


少年(くっ、確かにこれ以上少女をここに立たせとくわけにもいかないし…仕方ない、買って来てやろう…)



-コンビニ-


少年(あった。『女性用ショーツ』か。ふつうに置いてあるな。黒というか紺色だし、これでいいだろ。MとLしか置いてないからMを…)


女子生徒『…』チラチラ

男子生徒『…』チラチラ


少年「!!」アセ「オット、コレワ女性用カー…黒イカラ間違エタナー…」ボソボソ


少年(まずい! ここ学校の近くだからウチの生徒がいっぱいいるんだった! さすがにここじゃムリ!)ソソクサ


少年(別のコンビニ行こう!)



-校門-


少女(お、もう出てきた。って、走って行きやがった。どこ行くんだよ! まさか逃げた? いやいや、あそこにパンツが無かったのか? くそ、スマホ忘れやがって…)



-別のコンビニ-


少年(よし、ここはウチの生徒いない)


少年(あった。ここはピンクのしか売ってねえな。ここもSは無いからM…と)


少年(……)


少年(もういいや。すぐ買おう)


少年(レジまで来たが…やっぱり恥ずかしい! そうだ『罰ゲームで…へへへ』とか言えば…いや、却ってワザとらしい! 堂々と買おう。多分家族に頼まれたとか思うだろ。こんな朝だし、へんなことに使うなんて思わないはずだ…)


店員「しゃーせぇー」


少年「…」パンツスッ ドキドキ


レジ『ピッ』


店員「626円になります」


少年「…」ヒデヨスッ


店員「お品物と、こちらお返しとレシートです。ありがとーございましたー」


少年(よかった…普通に買えた…。店員さんも普通だったな。でももうこのコンビニ来れねえ)///


少年(とにかく早く戻ろう。女物のパンツなんて初めて買ったな…)スタスタ


少年(…)


少年(これ、少女が穿くんだよな…こんなピンクの…さっきパッケージに着用したイラストが描いてあったが…。あんな感じに穿くのか…)


少年(…)///


少年(いや! ヘンな想像するな! 早く持ってってやろう)ダッシュ



-校門-


少女(お、戻ってきた!)


少年「お、お待たせ」ハァハァ ヒソヒソ


少女「おー! ありがとう。別のコンビニまで行ってもらったんだな」ヒソヒソ


少年「よくわからんからテキトーだ。これお釣り。一応サイズはMな。色もピンクだけどいいか?」ヒソヒソ


少女「なんでもいいよ。助かったよ。悪かったな」ヒソヒソ


少年「まったくだよ…でもこれ、どうやって穿くつもりだ?」ヒソヒソ


少女「さすがにここじゃ穿けんから、どっかのトイレでも行こう。ちょっとついてきてくれるか」ヒソヒソ


少年「トイレにか?!」ヒソヒソ


少女「ばか、オレの後ろを壁になってガードして欲しいんだよ。一応スカートの端をちょっと引っ張って捲れないようにして歩くけど、後ろから急に誰か来て欲しくないし、万一のときはそれこそ壁になってくれ」ヒソヒソ


少年「ああ、わかった」ヒソヒソ


少女「じゃあ校舎の方じゃなくて体育館の横にあるトイレに行こう。今あっちに行くやつほとんどいないだろ」ヒソヒソ


少女「…」テクテク


少年「…」テクテク(今、あいつスカートの下ノーパンなのか…)


少年(! だから余計なこと考えるな!)テクテク「少女、そのままでいいから聞いて欲しいんだが…」ヒソヒソ


少女「なんだ?」ヒソヒソ


少年「今となってはもうどうでもいいんだが、保健室にパンツとかって常備してるんじゃないの?」ヒソヒソ


少女「…さあ…小学校まではあるって聞いた気もするが、そんなこと考えたことないし知らんよ。仮に保健室まで行って空振りだったら恥を晒しに行くだけだ」ヒソヒソ


少年「それもそうか。おっと、ここまででいいかな。さすがに中には入れんぞ」ヒソヒソ


少女「おお、サンキュー。もう周り誰もいないな」ヒソヒソ クルッ


ヒュウ

フワァ!


少年(っ!! うおぉぉぉぉ! スカートが捲れてっ…!)


少女「……っ!!!」/// バッ「み、見たか?」


少年(本当に一瞬だったけど、生身の女の子(?)の初めて見ちまった!)「お、おまえ、結構あれだな、うs…」///


少女「っ!! 言うなっ! 忘れろ!」


少年「わ、悪りい…でもなんで振り向いたんだよ…」


少女「おまえにちゃんと礼を言おうと思ってな…」


少年「そんなのいいから、早く行ってこい」


少女「ああ…」


少年(スカートの端を押さえて入っていった…。今日は朝から色々あったけど、今の衝撃で全部吹っ飛んじまったな…まったくあいつめ…)


少年(…しかし、本当にあいつ身体は女なんだな。いや、そう思ってるけど、これほど確実に見せつけられるとは)


少女「お待たせ…って、別に待っててもらわなくても良かったのに」ニコニコ


少年「すっきりした顔で出てきやがって…さっきまでの不安げな顔はどこいったんだよ」


少女「おまえもノーパン・スカートで歩いてみろ。いや、おまえなら却って興奮するか? ははは」


少年「もう変態ネタはいいよ…」


少女「ははは」


少年(さっきのことはなるべく早く忘れてやろう…でも今、俺が買ってきたあのピンクのパンツを穿いてるんだよな…)


少年(おっと、考えるな考えるな!)


結局その日一日、少年はスカートが捲れたシーンと自分が買ったパンツのことが頭から離れないのだった

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