表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

80/285

第13回

第6話・クラウディア・カルテッリエリ


**** 6-13 ****



 その上位三名は、次の通りだった。


 1. 機械工学科 天野 茜 967点

 2. 情報処理科 井上 維月 942点

 3. 情報処理科 クラウディア・カルテッリエリ 918点


 得点は今回の試験教科、十教科の合計得点である。


「あら。」


 茜は一言そう言うと、それ以上の感想は口にしなかった。そして、ブリジットが続ける。


「なんだ、クラウディア。入試の時より順位、下がってるじゃないの。あぁ、それで維月さん、探してたんだ。」


「Ah~!油断してた!入試結果には、イツキの名前が無かったから。」


 クラウディアは手近な椅子に腰掛け、頭を抱える様にして部室中央の長机に突っ伏した。


「そりゃ、維月さんは今年の入試は受けてないんだから、入試結果に名前が無いのは当然よね。」


 とは、ブリジットの弁である。


「う~ん、入試を受けてないって言ったら、推薦枠の人も居るじゃない? だから、推薦枠の人がもっと上位に来るだろうと思ってたから、わたしの順位に就いては意外な結果だわ…。」


「何、言ってんの。茜はそもそも、推薦枠の人だったじゃない。」


 茜の天然コメントへ、的確なブリジットの突っ込みである。


「大体、天野さんの得点より上って、注文として可成り厳しいよね~。」


 クスクスと笑いながら、恵がそう評すると、茜が尋ねるのだった。


「それにしても、維月さんって、何気に凄い人だったんですね。」


「まぁね~、去年、休学するまで、樹里とトップ争いしてたもんね。」


 茜の問いに答えたのは、瑠菜である。それに続いて、発言したのは樹里だった。


「それに、維月ちゃんは今回の試験範囲は二度目だから。去年と全く同じ問題は出てないと思うけど、それでも十分有利なはずよ。だから、てっきり今回の一年のトップは、維月ちゃんだろうと思ってた。」


「そうそう、その維月ンの上を行っちゃった茜ンは、又、凄いよねぇ。」


「まぁ、この一月ひとつきぐらいの、天野の様子見てればね、わたしは驚かないけど。」


「あの、え~…恐縮です。」


 樹里に続く、佳奈と瑠菜の発言を聞いて、茜は嬉しいやら気恥ずかしいやらで、顔を紅潮させるのみだった。


「まぁ、点数を見れば、クラウディアも十分健闘したんじゃない? 毎度、引っ掛け問題を混ぜる先生もいるしね。」


 慰める様な発言は、直美である。それに続いて、恵も言うのだった。


「そうね~、出題の文章も普通の会話とは又、違う言葉遣いになるから、日本語ってややこしいわよね。」


「慰めてくれなくてもいいです~。そういう先輩方は、どうだったんですか?試験の結果は。」


 クラウディアは机に突っ伏した姿勢のまま、顔を上げて言った。


「鬼塚と城ノ内は、それぞれ学年一位、盤石だよね~。わたしは、上位三十位なんて縁が無いけど。森村は二十六だったっけ?」


「まぁ、なんとか。」


 笑いながらクラウディアの問い掛けに答える直美の振りに、恵は微笑んで答えた。


「わたしも上位なんて縁が無いですよ~、瑠菜リンは二十八位だったよね~。」


「そうね。今年中に二十位以内には、入りたいと思って頑張ってるんだけど。佳奈だって、上位三十位に後一歩ぐらいじゃない? 三十位の人と、二十点ぐらいしか違わないんだから。」


 と、佳奈、そして瑠菜が答える。


「まぁ、気が付いて見れば、結構な成績上位者の集まりになっちゃてるわね~。」


「そうりゃ、そうですよ。天野重工の中でも最先端の代物しろものを扱ってるんですから。別に、成績基準で部員を集めたわけじゃないですけど。」


 立花先生の所感に対して、何時いつも通りの冷静な言葉を返す緒美である。

 そんな折、部室のドアが静かに開き、室内の様子をうかがう様に、維月が顔をのぞかせる。机に突っ伏していたクラウディアが、それに気付き、両手で机を押す様にして、声も上げずに勢い良く腰を上げた。


「はぁい。」


 引きった笑顔を見せつつ、維月は左手を振って見せるのだが、クラウディアは無言で維月の方を見詰めている。維月は、気まずそうに言葉を続ける。


「いやぁ~そろそろ、ネタバラシも終わってるかな~って思って…。」


「そんな所に何時いつまでも立っていないで、入って来なさいよ、維月ちゃん。」


 開いたドアから顔だけのぞかせたままの維月に、入室するように促したのは樹里である。

 維月は後ろ手にドアを閉めると部室の中へと進み、クラウディアの向かいの席に座った。その動きを、クラウディアは視線で追っていたが、始終無言のままだった。


「クラウディア、言いたい事が有るなら、さっさと言いなさい。」


 そう、クラウディアに発言を促したのも樹里だった。




- to be continued …-




※この作品は現時点で未完成で、制作途上の状態で公開しています。

※誤字脱字等の修正の他に、作品の記述や表現を予告無く書き換える事がありますので、予めご了承下さい。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ