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第6回

第6話・クラウディア・カルテッリエリ


**** 6-06 ****



 茜達は地下通路をしばらく歩き続け、ようやくシェルターへと到着した。

 シェルターは男女が別の区画に分けられていて、更に、幾つもの小部屋に区切られている。シェルターの一部屋には約五十人が収容可能で、奥へ向かって細長い構造の部屋の、入り口から見て両側面の壁側に、向かい合う様に二十五人掛けの長椅子が設置されている。各部屋に設置された長椅子の座面部下には飲料水や保存食の他、備品等が収納されている。

 一つの室内は、電車一両より一回り小さいぐらいの広さだろうか、当然、乗降扉や窓の類は無いので、中に入ると閉塞感を覚えずには居られない。但し、空調はしっかりしているのか、湿っぽさやかび臭さは無く、室内は清潔に保たれている様子だった。

 このシェルターは、学校の敷地内としては、体育館南側駐車場の地下に位置していて、深度はそれ程深い物ではない。校舎の建設時に元から計画されていたわけではないので、比較的簡単に掘り返せる場所を選んで数年前に埋設されたのである。同じ様なシェルター構造物が、男子寮と女子寮それぞれの南側地下にも埋設されていて、それぞれが地下通路で連結されている。更に、校舎や寮や事務棟など、学校内の建物からはシェルターへの地下通路へ接続された入り口が設けられていて、どの建物からもシェルターへ入れる様に設計されていた。これは、もしもエイリアン・ドローンの襲撃を受けて学校内の建造物が被害を受けても、出入り口が複数有る事に因って、シェルターに避難した人達が閉じ込められるリスクを分散する意味も持っているのである。

 エイリアン・ドローンは地上の建造物のみを破壊するので、入り口の大きさがエイリアン・ドローンが入れない大きさであれば、地下施設は安全だった。この為、政府は避難用の地下施設の建設を奨励しているのだが、当然それには相応の予算が必要なので、全国津津浦浦にこの様な避難用シェルターが建設されているわけではない。地上建造物の集中した都市部にエイリアン・ドローンの襲撃が多い都合上、避難用地下シェルターの建設は都市部が優先されてしまうのは、ある程度仕方が無い事であり、襲撃の可能性が低い地方の学校に、このレベルのシェルターが用意されているのは、実際、希有けうな例なのであった。


 シェルターの中に入ったA組とB組の女子生徒達は、銘銘めいめいが壁際の長椅子に腰掛け、誘導を担当していた女子自警部部員が、到着後の人数を再確認して訓練本部へと報告をした。


「それじゃ、訓練終了の放送が有るまで、ここで待機しててね。後でもう一回、人数確認が有るはずだから、他の部屋とかには行かないように。」


 女子自警部部員が去り際にそう言うと、あるB組の女子生徒が手を挙げる。茜はその女子生徒の名前は知らなかった。


「あの、トイレ行っていいですか?」


「あぁ、それくらいは構わないわ。来た方とは反対側の突き当たりだから、自由に行って。」


 そう言い残すと、女子自警部部員は通路を来た方向へと戻って行った。先程の女子生徒は、他に二人の女子生徒と連れ立って、シェルターを出て行った。


「案外、狭いのね。」


 そう感想を漏らしたのは、茜の左隣に座っていた西本さんだった。因みに、茜の右隣にはブリジットが座っている。


「そうでもないわよ。わたし達が通ってた中学のはもっと狭かったもの。」


「天野さんとブリジットは同じ中学だったのよね?関東の方の。」


「うん、そう。西本さんは地元よね。こっちでは避難訓練とか、どんな感じだったの?」


「どうって…基本、シェルターなんか無いから、火災とか地震とかの避難訓練と同じで、校庭に出るだけよね。年に一回、有るか無いかよ。関東の方では、頻繁にやってるって聞いてるけど?」


「抜き打ちで二ヶ月に一回、って事だったはずなんだけど。本番の避難が月に一回ぐらいは有ったから、訓練の方が少なかったくらい。ねぇ、ブリジット。」


 茜は隣で、二人の話を聞いていたブリジットにも、話を振ってみる。


「うん、本番の避難が有ると、その月の訓練の方の予定がキャンセルされちゃうからね。まぁ、本当の避難をやってれば、訓練で疑似体験する必要も無いから、無理も無いけど。」


「本当の避難って、怖くなかった?」


 西本さんは茜達の方へ顔を寄せて、聞き返して来た。


「避難指示は出てたけど、幸い、わたし達の居た地域には、被害が出なかったのよね。怖いって言うより、うちは大丈夫かなって、不安と言うか心配と言うか、そんな感じだったかな。」


「あと、中学の時のシェルターは、ここより一回り小さい感じで、窮屈きゅうくつで嫌だった。」


 顔をしかめてブリジットがそう言うと、西本さんが笑いながら言う。


「それは単に、あなたがデカイからでしょ。」


「ホントに狭かったのよ。特に、天井が低かったから、ブリジットにはつらかったのよね。」


 ブリジットが唇を尖らせているので、フォローする茜であった。




- to be continued …-




※この作品は現時点で未完成で、制作途上の状態で公開しています。

※誤字脱字等の修正の他に、作品の記述や表現を予告無く書き換える事がありますので、予めご了承下さい。



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