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第2回

第1話・天野 茜(アマノ アカネ)


**** 1-02 ****



「勿論。うちは『兵器開発』を目的とした部活だもの。あなたは、介護用や産業用指向だったのかしら?」


「いえ、勿論、そう言った方向の技術も、必要だとは思いますけど。わたしが、興味が有ったのは、兵器としての『パワード・スーツ』です。」


「良かった。その辺りの事を、詳しく聞いてもいい?」


「そんなに、深い話じゃないですよ。昔から SF 小説やアニメとかに出て来る、『パワード・スーツ』って謂う兵器に興味が有ったんです。今はこう言う世の中なので、有ればきっと役に立つと思うんですよ、『パワード・スーツ』って。将来的には『天野重工』で開発出来ないかなって、この学校を選んだんです。」


「相当に珍しい、志望動機ね。」


 二人の遣り取りを聞いていた恵が、又、クスクスと笑いながら言った。


「でも、兵器開発部うちには最適の人材だわ。」


 そして二人は又、クスクスと笑い合うのだった。


「あの、一つお聞きしてもいいでしょうか?」


 今度は茜から、鬼塚部長に問い掛ける。


挿絵(By みてみん)


「何かしら? どうぞ。」


 茜は、一息吸い込んでから、この部屋に入る前から抱えていた疑問を、鬼塚部長に投げ掛けるのだった。


「どうして『兵器開発部』なんて、有るんですか?」


 一瞬の間が有って、鬼塚部長と恵は顔を見合わせる。その様子を見て、茜は「聞いてはいけない事だったのかも?」と、一瞬の不安に駆られたのだが、二人は真面目な顔で茜の方へ向き直り、鬼塚部長が話し始めた。


「それも、もっともな疑問だわね。…ちょっと長い話になるけど、いい?」


 茜は静かに頷く。


「この部活は、開校当初から有るらしいのよ。天野重工が『防衛装備事業』をやってるのは知ってると思うけど…。」


 『防衛装備』とは『防衛軍』が使う『装備』の事で、平たく言えば『兵器』の事である。


「…その防衛装備事業に向いた人材を集める為に、こんな名前の部活を作ったんだそうよ。『武器』とか『兵器』とかの技術に嫌悪感を持つ人もいるでしょう? だから、こんな部活に入る人なら、会社側もその手の部署へリクルートをし易いじゃない。 それで、最初の内は所謂いわゆる『趣味の人達』が集まって、まぁ、研究活動と称して好き勝手やってたみたいね。 戦車、戦艦、戦闘機、拳銃…その手の資料が隣の資料室に、山の様に残ってるわ。」


 鬼塚部長の説明を受けて、恵が笑いつつ話し出す。


「中でも、拳銃に関しては相当の『好き者』が居たみたいね~結構な数の実物が、資料として残ってるわよ。あれ、学校も処分に困ってるみたいだけど。」


「実物、ですか?模型モデルガンじゃなくて。」


「実物よ。内緒だけど、ご丁寧に実弾まで有るの。」


「法律的にマズいんじゃ…。」


 鬼塚部長の追加説明に困惑気味の茜だったが、更に困惑を深める答えが返ってきた。


「それが、ちゃんと許可は取って有るんだって。どう云う許可を取ったのか、詳しくは知らないけど。ここは一部が防衛軍と共同管理になっている区画がどうこうで、物騒な資料品は建前上、防衛軍の管理を受けているとか、何とか。」


「はぁ…。」


 溜息と共に、そう一言だけ返した茜だった。


「兎も角、そんな感じの部活だったらしいんだけれど。わたしが入るまで、五年位は、正面まともな活動をする部員もいなくなってて、幽霊部員の巣窟そうくつだったのよ。 わたしは『エイリアン・ドローン』に対抗出来る装備としての『パワード・スーツ』の可能性を研究したくって、この学校に来たのだけれど。それには、この部活は打って付けだって、立花先生に誘われてね、まぁ、兵器関連の資料も沢山有ったし。で、最初は一人で活動していたんだけれど。まぁ、活動って言っても理論研究だけ、だったけどね。」


「今は、こちらの部長と会計のわたし、あと三年生の副部長が今、顧問の立花先生と『本社』との定例会議に通信会議室へ行ってるわ。それから二年生が三人、隣の CAD ルームで図面作業をやってて、現在のテーマで活動しているのは合計六名ね。」


「あなたが入ってくれたら、七名ね。」


 そう言って、鬼塚部長は微笑んだ。




- to be continued …-




※この作品は現時点で未完成で、制作途上の状態で公開しています。

※誤字脱字等の修正の他に、作品の記述や表現を予告無く書き換える事がありますので、予めご了承下さい。





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