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第1回

序章


背景となる状況


**** 0-01 ****


 西暦2066年5月7日金曜日。衛星軌道上に『エイリアン・シップ』が出現した事が、全ての事の起こりである。

 直径が、およそ10キロメートルに及ぶ巨大な母船から、地上各地に機動兵器が降下し、これらが数カ国の主要都市を襲撃したのだ。幸いにも、これらの機動兵器に対し、襲撃を受けた国々が装備していた兵器に因る対抗が可能だったので、それぞれが地上に被害を出しつつも、正体の分からない襲撃者の撃退を果たしたのだった。しかしこれ以降、『エイリアン・シップ』からの機動兵器に因る散発的な襲撃が継続され、各国は各個に、或いは地域ごとに共同して、その対応に追われる事になったのである。

 その年の七月には、敵母船が地球周回軌道から離れ、八月の終わり頃には月の裏側へと姿を隠す事になったのだが、それ以降も機動兵器による襲撃は継続されるその一方で、母船の動向に関しては観測がされていない。

 母船の動向を探る為に、数回に渡り、数カ国が共同して探索機を打ち上げたのだが、月軌道に接近する頃には探索機が撃墜されると云う結果が繰り返されたのだった。従って、敵母船の観測は成功する事は無く、襲撃のみが続く事となる。

 

 襲撃者は何物なのか?

 実は、その問いに対する正確な答えは、いまだ無い。当初観測された母船の規模や、襲撃に使われる機動兵器が、現在の人類が保有する技術では実現不可能である事から、便宜上、相手は『エイリアン』であると推測しているのに過ぎない。

 実際、襲撃に関する『声明』や『要求』などの表明は何も無く、その一方で、『エイリアン』は人類側からの、あらゆる呼び掛けに答える事は無かったのである。それはつまり、敵との『交渉』が全く不可能な状態を意味していた。

 

 破壊した機動兵器の残骸を回収し、複数の国が調査、研究した結果を総合して、それらは無人機ドローンだと結論付けられた。動力や制御方法など、尚も不明な部分が多数有る物の、何らかの生命体が搭乗する様なスペースは認められず、また生命体が搭乗していた痕跡も確認されなかった。勿論、『エイリアン』の遺体などが回収されたケースも皆無であった。

 これに関しては、当初、某国政府が『エイリアン』の遺体を隠匿しているとの噂や疑念が持ち上がったが、関係国全ての政府機関がこれを否定。また民間レベルでの、信用出来得る『エイリアン』の目撃情報も一切出て来ない為、数年の後、この『噂』に関しては多くの人から語られる事は無くなった。

 そして、襲撃者である機動兵器は『エイリアン・ドローン』と呼ばれる様になったのである。

 

 『エイリアン・ドローン』には三種の機体が確認されており、最も数の多い物が『トライアングル』と呼ばれるタイプである。この名称は、飛行形態での正面形状、側面形状、平面形状のそれぞれが三角形に見える事から名付けられた物である。


挿絵(By みてみん)


 同様に、飛行形態の三面形状が五角形に見える物が『ペンタゴン』と、七角形に見える物が『ヘプタゴン』と呼ばれている。

 『ヘプタゴン』は基本的に輸送機としての役割が有ると見られ、母船から地球の大気圏内まで『トライアングル』と『ペンタゴン』を輸送している事が観測から判明しているが、ほとんどの場合、戦闘には参加しないとされている。『ヘプタゴン』には一機の『ペンタゴン』と十二機の『トライアングル』が搭載されており、地上を襲撃するのは主に『トライアングル』の役割である。『ペンタゴン』は、『ヘプタゴン』と『トライアングル』との中間位置から、自身が装備する粒子砲で火砲支援を行った例が報告されているが、『ペンタゴン』が目撃・捕捉される事自体が極めて希だった。

 襲撃の主力機である『トライアングル』には『飛び道具』は装備されておらず、格闘戦闘形態時での頭部の『あご』の様な部位に因る『破砕』と、両腕に装備されたかま状の刃物に因る『斬撃』が攻撃方法である。

 この様な機動兵器の形態や装備などは、異星文明の侵略兵器としては、脅威度が中途半端に思えるのだが、それでもこれらに因って、少数でも広範囲に、しかも長期間に渡り反復して襲撃が繰り返されると、それらに対応をし続ける事は、各国政府に取っては決して軽い負担では無い。

 

 果たして、襲撃者の目的は何なのか?

 その問いに答えるには、『エイリアン・ドローン』の行動を観測した結果から推測するしかない。

 



- to be continued …-



※この作品は現時点で未完成で、制作途上の状態で公開しています。

※誤字脱字等の修正の他に、作品の記述や表現を予告無く書き換える事がありますので、予めご了承下さい。



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