死闘 8
急いでタケル達の元へ向かい、状況を説明する。
「流民が15人ほど来ている。町に入れろと揉めている。」
タケルは、言葉を聞いて苦くうめく。
「人数が多すぎるな。」
その言葉は、苦しく悲しみに満ちていた。
考えなくとも、15名の増員をすれば、すぐに食料が底をつく。
作物の出来は良かった。プランターを使い、耕作できない場所も活用した。ただ、現状は未収穫である。投石で受けた、ダメージもあり、いくらか見積もりは減らすべきだろう。
鹿やイノシシ、ウサギなどの獲物は、しばらく見かけていない。
無理に受け入れをすれば、共倒れの未来が待っている。
「それで、どんな風にしてた。」
いくつか食料を提供し、別の所へ向かうよう話しているが、交渉は決裂寸前・・・。
いや、既に決裂してるといっても良いだろう。
暴力に訴えてでも、町に入ることを求めている。
状況を聞くと、タケルは近くの木を殴り、苦しそうな声で言う。
「最悪の場合、やらなければならないな。」
彼らの気持ちはわかる。何かがあって、逃げてきたのだろう。人は少なく、助け合わなければ生きていけない。かといって、今受け入れれば、どうなるだろうか。
木にもたれかかり、体をぐったりとさせながらも、話を聴いていたリツが言う。
「私はもういい。足手まといだ。その人達をなんとかしてあげてもらえないか。」
タケルは、これ以上ないという程、苦しそうに答える。
「おまえらは違う。帰るところがある。人数も少ない。なんとかしてやれる。」
「ただ、15人は無理なんだ。わかってくれ。」
皆に沈黙が訪れる。
「食料は自分たちで狩ってもらうことにして、住んでもらうことは無理なのか。」
リクが訪ねる。
タケルは苦しそうな顔で答えない。
ユカリが、ポツリと答える。
「以前にそんなこともあったの。その時ね、タケルさんの奥さんが亡くなったわ。」
「争いになったのよ、食べるものを隠してるって、それで・・」
リクは、自分の愚かさを呪った。
軽はずみに問うた、自分を情けなく思った。
タケルは、うつむいた顔をあげ、告げる。
「ともかく、相手は気が立っている。皆隠れていろ、コウついてこい。」




