少女を招く
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少女の怯えた顔をみて、慌てて手を放し謝罪する。
「驚かせて済まない」
「看病してもらったみたいだね、ありがとう」
少女は小さく頷く。
そして、そのまま固まったように動かない。
「リュウさんといったかな、僕が連れてきた若い人、助かったかい?」
少女は小さく首を振った。
「兄は亡くなりました」
「・・・そうか」
あの人は助からなかったのか。
とても悔しいなと思う。
ただあの状況だ、何ともしがたかったのかもしれない。
そのまま、固まったように動かない、少女の姿を眺める。
歳は16くらいだろうか、学生服のような、地味な格好をしている。
色がくすみ、古さを感じさせる。
うっすらと茶色をおびた髪も、一つにまとめていて、もっと幼くも見える。
「ありがとうございました。連れてきてくださって。」
彼女は頭を下げると、そのまま泣き崩れてしまった。
何か言おうとして、何かしてあげようとして、何もできずにいた。
何も言えず、そのまま横たわった。
まだ、体力が回復しきっていなかったのであろう。
苦い思いとともに、眠りに落ちてしまった。
翌朝目が覚める。
彼女はそのまま、僕のそばで眠っていた。
泣きつかれて眠ってしまったのであろう。
トイレに行きたくなり、彼女を起こす。
彼女は無言で手をひいて、トイレに連れて行ってくれた。
町は駅の地下フロアを利用しており、トイレは駅のトイレである。
洋式便所であるが水は流れない。
当然紙もない。水も流れない。
その辺はどうしているのか聞いたが、ぼろ布や葉っぱなどで拭いて、雨水を貯めた水瓶の水であらう。排水はどうしているのかを問うと、彼女にはわからないそうだ。
悲しみに暮れる彼女には申し訳ないが、現在の常識が自分にはない。
様子を見ながらであるが、話を聞かせてもらおう。
そんなことを考えていたら、腹が猛烈に空腹を訴えてくる。
食事をとらなくてはならないな。
食事について聞いてみる。
申し訳ないが、一食分けてほしいとも。
彼女が申し訳なさそうに詫びる。
そして現状の説明を受ける。
いま、この家に食べるものは何もないこと。
兄であるリュウは、周辺を探り日々の糧を得ていたこと。
兄が亡くなった今、食料のあてはないそうだ。
妹であるリョウは、町の酒場で仕事の手伝いをしていたこと。
そこで働いた日は、賄いを食べることが出来る。
働くことに給料はなく、賄いを食べられることが給料になっている。
今、町は食糧難で、それすら続けることは、難しくなっている。
自分も食料を得に、町の外に出ることを考えている。
と、そこまで説明して、また詫びてきた。
しばらく無言の時が続く。思い切って提案してみる。
「しばらくうちにきませんか?」




