表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/112

少女を招く

御指摘、感想 等もらえると嬉しいです。

少女の怯えた顔をみて、慌てて手を放し謝罪する。


「驚かせて済まない」


「看病してもらったみたいだね、ありがとう」


少女は小さく頷く。

そして、そのまま固まったように動かない。


「リュウさんといったかな、僕が連れてきた若い人、助かったかい?」


少女は小さく首を振った。


「兄は亡くなりました」


「・・・そうか」


あの人は助からなかったのか。


とても悔しいなと思う。

ただあの状況だ、何ともしがたかったのかもしれない。


そのまま、固まったように動かない、少女の姿を眺める。

歳は16くらいだろうか、学生服のような、地味な格好をしている。

色がくすみ、古さを感じさせる。

うっすらと茶色をおびた髪も、一つにまとめていて、もっと幼くも見える。


「ありがとうございました。連れてきてくださって。」


彼女は頭を下げると、そのまま泣き崩れてしまった。

何か言おうとして、何かしてあげようとして、何もできずにいた。


何も言えず、そのまま横たわった。

まだ、体力が回復しきっていなかったのであろう。


苦い思いとともに、眠りに落ちてしまった。




翌朝目が覚める。

彼女はそのまま、僕のそばで眠っていた。

泣きつかれて眠ってしまったのであろう。


トイレに行きたくなり、彼女を起こす。

彼女は無言で手をひいて、トイレに連れて行ってくれた。


町は駅の地下フロアを利用しており、トイレは駅のトイレである。

洋式便所であるが水は流れない。

当然紙もない。水も流れない。


その辺はどうしているのか聞いたが、ぼろ布や葉っぱなどで拭いて、雨水を貯めた水瓶の水であらう。排水はどうしているのかを問うと、彼女にはわからないそうだ。


悲しみに暮れる彼女には申し訳ないが、現在の常識が自分にはない。

様子を見ながらであるが、話を聞かせてもらおう。


そんなことを考えていたら、腹が猛烈に空腹を訴えてくる。

食事をとらなくてはならないな。


食事について聞いてみる。

申し訳ないが、一食分けてほしいとも。


彼女が申し訳なさそうに詫びる。


そして現状の説明を受ける。


いま、この家に食べるものは何もないこと。

兄であるリュウは、周辺を探り日々の糧を得ていたこと。

兄が亡くなった今、食料のあてはないそうだ。


妹であるリョウは、町の酒場で仕事の手伝いをしていたこと。

そこで働いた日は、賄いを食べることが出来る。


働くことに給料はなく、賄いを食べられることが給料になっている。

今、町は食糧難で、それすら続けることは、難しくなっている。


自分も食料を得に、町の外に出ることを考えている。

と、そこまで説明して、また詫びてきた。


しばらく無言の時が続く。思い切って提案してみる。


「しばらくうちにきませんか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ