私の罪 2
「私達は、いいえ、私は彼らを作り、利用したの。」
自分の罪を再認識するかのように、彼女は語る。
「目的は人間の生活圏を広げる為。」
他に選択肢がなかったのかもしれない。
「放射能に強い耐性を持たせたわ。」
彼らを悼む、それが彼女を苦しめている。
「彼らは死肉を喰らい、辺境の地で増え、生き物としてのサイクルを重ねる。」
彼女のせいじゃないと、言ってあげることができない。
「彼らは自身の体内に、放射能を蓄積し、臨界を超え死亡する。」
彼女の声は、震え、自らの罪を恐れている。
「深いコンクリートの穴を作って、お墓も作らないで。」
握りしめた拳は震え、血がにじんでいる。
「彼らを埋めたわ・・・。」
・・・。
「歪めた生物は、いつか戻ろうとするのね」
彼女にも予想しえなかったのだろう。
「泣くのよ、人の声で」
・・・。
彼女の言葉に、どうしていいかわからなかった。
どれだけ誠実に、どれだけ心を身を砕いても望む結果を得られないことがある。
どんな時でも出来ることをやれることをやるしかない。
彼女の行動は、きっと誠実であったのだろう。
どんな結果であろうと、受け止めていく。
受け止めきれなかったとしても、背負っていくことが、きっと生きていくということなんだろう。
それが、彼女を押しつぶしていたとしても。
「それでも、あなたは生きていたい?」
血だらけの手で自らの肩を抱いて震えながら、彼女は僕に問いかける。
「あなたは、この世界で生きていたい?」
彼女は、生きていたくはないのだろう。
残された人類への責任感が、彼女をつなぎとめている。
僕が許すといって、何の救いになるのだろう。
何が正しいのか、どうすべきかなんて、何一つわからない。
彼女を抱きしめる。
震えて、怯えている。
彼らを、人であると認識したときから、ずっと怯えているのだろう。
「これからも、殺さなくては、私たちは生きてはいけないわ。」
彼女は問う。
「あなたは、生き残っていたかった?」




