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来訪者 2

人影が3人見える。

体躯からして、ゴブリンではない。


武器は持っているかもしれないが、野党の時のように、潜むようにも、武器を見せつけるようにも歩いていない。相手に聞こえても刺激しないように、バリケードの中に声を掛ける。


「誰か来てるようだ、みんなを呼んできてくれないか」


答える声はない。

最悪は一人で相手することになるかもしれない。


「そこの方 少し話をしてもいいか」


まだ距離はあるが、落ち着いた口調で向こうから話しかけてきた。

野盗が油断を狙っている可能性もある。


腰の後ろで撃鉄をあげ、声にこたえる。

「あぁ かまわないよ ただ、そこから動かないでもらえると助かる。」


声を掛けてきた男は、わかったというように手をあげる。

「動かないよ。それと後ろの人達にも伝えてほしいんだが、何かする気で来たわけじゃない。」


気が付くとバリケードの上には何名かが立っており、その手には武器が握られていた。


「話がしたいんだ、人を探している。それだけだ。」


三人組の姿をよく見ると、一人は女性だ。

そして懐かしく思える顔。

「まさかそちらから来てくれるなんて、お久しぶりですね。二宮さん。」


女性は驚いた顔をして答える。

「まさか、あなたが佐々木さんなの?」


こうして唐突に、彼女の再開を果たすことになった。


三人組を連れて町に入る。

カイがやってきて、武装解除を申し出る。

拳銃が3丁という想像以上のものであったが、素直に従う三人に町の人も警戒を緩めたようだ。


リーダー格であろう、青年が町をみて話す。

神経質そうな線の細い男性、作業服のようなものに黒いベストを着ている。

「聞いてはいたんだが、なかなか大変なところだね」


そうだろうなとも思うが、憐れむような声にいら立ちを覚えきつめに答えてしまう。

「大変だよ。でもいいところだ。」


そう答えると、なぜか涙を流してこう答えた。

「今の言葉を、大きいお母さんに聞かせてあげたいよ。」


意味が分からないが、まぁ悪く受け取ったわけでもないだろう。

自分の返事を聞いてから、彼らは随分と緊張をといたようだ。


バリケード内側の共有スペースに腰をおとし、話を聞くことになった。


二宮さんが不思議そうにこちらの顔を眺める。

「聞いていたより、ずっと若く見えるわ。もっとおじさんだと思ってた。」


自分でも忘れかけていたが、もとは40歳というか240歳くらいなのか。

「理由はわからないんですけどね。なぜかこうなってしまって。」


もう一人の男が口を挟む。

がっしりとした体形に人の好さそうな顔が付いている。

「可能性は聞いていたはずだよ、リツ、覚えていないかい?」


二宮さんが答える。

「大きいお母さんが言ってたことよね。思ったより若いかもしれないって。思い出したわ。」


すると二人は笑ってこう答える。

「リツはいつもそんなだな」


ふてくされたような顔をして見せてる、二宮さん。

こんな女性だっただろうか、自分の記憶とはずいぶん印象が異なる。

「二宮さんって、そういう感じの人だったんですね。随分印象が変わった感じがします。」


リツと呼ばれた女性が答えた。

「だって私は大きいお母さんの娘の一人だもの。」


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