44/112
Responsible Conduct of Research 責任ある研究活動 5
研究所には彼女からのメッセージが残っていた。
モニターに表示された彼女は、白髪頭でしわだらけだけど満足そうに笑っていた。
「良子 気が付くのがおそいわね・・
ここにきて吃驚したでしょう、あなたの顔が目に浮かぶわ・・
相談しないで、ごめんなさいね・・・
でもね、反対されても、やってたと思うわよ・・・」
そう言って彼女は懐かしい顔で笑う。
「好きなように研究して、思うように実験して・・・
楽しかったわ・・・
後のことを頼むなんて言わないわ・・・
好きに生きてね・・・
幸せにね・・・」
彼女は満足そうに眼を閉じる。
モニターの中の彼女は、クローンの家族に看取られていた。
さようなら・・
モニターの彼女に別れを告げ、彼女の家族と話す。
人柄は受け継がれ、賢く優しい。
すでに研究所の中のクローンは、自然に数を増やしており飽和状態を迎えていた。
どうしてくれと頼まれたわけではない。
しばらく考え、有志をつのり廃墟に向かう。
私の研究の一環として、大切な友の研究を引き継ごう。
人の世界の再生を行うことにする。




