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罵倒と共に

そして俺は、目を閉じ最後を待つ。

みんな助かるといいな。



耳元で声が聞こえる。

ちいさな手が体を引っ張るのを感じる。

パチパチと火が燃える音の中に、ユカリさんの声が聞こえる。


「そういうかっこつけるところ大嫌いッ 動け馬鹿ッ」


顔を思いきりはたかれる。

襟をつかまれ強く引かれる。


目を開ける。

子供たちが俺の体を引っ張っている。

ユカリさんが見たことないような鬼の形相で、襟を引っ張り外に出ようとしている。


外では、消火が行われているのだろう。

声が聞こえる。


煙が天井を覆い危険な状況は変わりない。


「かっこいいとでも思ってんの 動け 最低ッ」


ユカリさんの声が聞こえる。

このまま死んだら嫌われたままなんだろうな。


右手に力を入れて這う。


カイたちが飛び込んできて、子供たちを抱える。


「はやく動きなさいよ 大嫌いよ 大馬鹿よ」


ユカリさんが泣いている。

死にたくないな。


さらに這う、もともと大きな店ではない。

足に力が入らない。

もうあと少しなんだ。


腕がしびれ感覚がない。


「馬鹿 女たらしッ」


鼻水を垂らし、真っ黒な顔でユカリさんが叫ぶ。

彼女の罵倒のたびに腕を前へ進める。


出入り口に二人の姿がのぞく。

カイたちが引っ張り出し、俺たちは生還した。


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