野盗 4
左腕の刺し傷をみる。
血が止まらずに流れ、危うさを感じる。
水で流し、割いた服で縛り止血を行う。
止血を終えるころ、床でうめいていた声が静かになっていた。
左手を握り、そして開く。
痛みはあるが動くことに、胸をなでおろす。
この場をどうすべきか。
夜半を過ぎ、さほどもしないうちに野盗の本隊が現れるだろう。
この現状を見れば引き返すだろうか。
おそらく逆上することがあっても引き返しはしまい。
話の様子では、彼らも余裕がないようだ。
遺体を隠すせるか、遺体を右手で引っ張ってみる。
傷口が痛み、とても動かせそうにない。
焚火の前に座り、この後の動きを考える。
銃を取り出し、弾の残りを確かめる。
リボルバー式の銃には5発。
SAKURAと刻印された銃は元は警官用だろうか。
銃の男を探り弾を探す。
6発の弾を見つけ、ポケットに入れる。
野盗の残りは何人いるのだろう。
ともあれここで迎撃戦はすべきではないな。
銃を腰にさして、刀をひろいあげる。
刀の男の首筋に刺し、死んでいることを確認する。
気づくと空の端がオレンジ色になり、そろそろ夜が明ける。
出来るだけ早く町に戻り、体制を立て直そう。
わずかな明かりをもとに、町へ急ぐ。
動悸が激しく吐き気がする。
血を流しすぎたのかもしれない。
バリケードが見え、ケンを呼ぶ。
約束を守り、ここにいてくれたようだ。
隙間が開き、体を滑り込ませ倒れる。
「野盗が来る、皆を集めてほしい」
ケンは寝床をまわり、人を集めてくれた。
あおむけに倒れたまま、状況を説明する。
皆事前に用意していたであろう、各々が事前に取り決めた位置へ着く。
何名かは投石用の石を持ちバリケードの上に上る。
リョウに刀を渡し、武器がない人へ渡してほしいと頼む。
ユカリさんの姿はない。
酒場で小さな子供達を集め守っているそうだ。
リョウが戻ってきて腕に新しい布を巻いてくれる。
肩をかり立ち上がり、バリケードの隙間から外が見える位置へ移動する。
「死んだらさ ユカリさんにごめんって伝えてほしい」
リョウは、首を振る。
「いやよ、自分で言いなさいよ」
リョウは手にナイフを持ち自分の横に控えている。
「少し目を閉じる、動きがあったら教えてほしい」
リョウにそう告げて、目を閉じる。
日はすでにのぼり、燦燦と夏の日差しがさす。
気分が悪い、貧血のようなだなと感じる。
薄く目を開けて、あたりを見る、虹がかかったように見えにくい。
そして世界が暗転し、気を失った。




