野盗 3
野営の準備ができたようだ。
2人は交代で休む話をしている。
銃の男が焚火の前に座り周囲を火を見つめている。
刀の男は向かって反対側で壁にもたれ横になる。
今行くべきだろうか?
銃の男を先に襲い、刀の男を撃つ。
失敗すれば、おそらく命はない。
仲間がいつ来るかわからない。
焦りを抑えようと、唇をかむ。
来るのは明日の朝だろうか。
夜の廃墟は歩くことは難しいだろう。
息を整える。
胸が苦しく息がうまくはけない。
足をゆっくりと動かし、柱の上から下に降りようとする。
焚火の灯が届かない部分は真っ暗で見えない。
音をたてず降りなければ。
ポケットから石を取り出し、相手の頭を超えて灯の届かぬ所へ落とす。
銃の男はそちらにすぐに構える。
刀の男も目を覚まし、何かと問う。
息を殺す。
数十秒だろうか、それとも数分だろうか。
物音の正体を探り、銃の男が焚火から離れる。
刀の男は起き上がり、刀を手にしている。
やがて、銃の男は焚火の前に戻り、何でもないようだと伝える。
刀の男は何も言わず、手を振り眠りに入る。
ゆっくりと息を吸い、しっかりと吐き出す。
緊張の中で息の仕方を忘れてしまったのかのように、苦しい。
廃墟を上った時の様子を思い出す。
どのように上ったか、音をたてぬにはどうすべきか。
やがて刀の男から、寝息が聞こえてくる。
銃の男は焚火を見つめている。
自分の今いる側は暗く、相手側が明るい。
相手から、自分はどのくらい見えるのだろうか。
今、自分は壁の上にいる。
真っすぐな視線を受けても、すぐさまに上を見ることは、ないのではないか。
祈りながら、もう一度石を投げてみる。
銃の男は座ったまま銃を構え音のしたほうを眺めている。
刀の男は寝息をたてたままだ。
さきほどより、ずっと短い時間様子をみて、また焚火に目を戻す。
不意に銃の男がこちらを向く。
息を殺し、目線の端に姿をとらえ、直視せぬよう様子をみる。
焚火がパチパチと音を立て、廃墟の周りに風が吹いている。
やがて、再び焚火に向くと、枯れ木を足して立ち上がり、こちらへ向かってきた。
手斧を構えようとするが、体が動かない。
腰に銃を差し込み、チャックをあけて小便をしだす。
ジョボジョボと音がする。
自分からみて1メートルもない距離だ。手斧を構え頭を狙い飛び降りる。
手斧を受け、額が割れる。
血を噴き出し相手が倒れる。
銃を奪い、刀の男へ向く。
起き上がりこちらを見ている。
背を向け逃げ出す、背中に銃を撃つ。
背中に小さな穴が開き、わずかに煙が流れ刀の男が倒れる。
背後に気配を感じ振り向くと、銃を失った男が、ナイフをこちらに振り下ろす。
体を庇い、前に出した左腕に刺さる。
ナイフを腕に残し男は倒れる。
頭を蹴り、ナイフを持った手を踏み潰す。
刀の男をみると、起き上がり逃げようとしている。
刀を杖にして、のろのろと進む。
そして倒れ、死にたくないと這いまわる。
斧を背中に投げつけて、とどめを刺す。
斧を背に受けた男は、振り向きざまに刀を振りぬいた。
近くにいればやられていたかもしれない。




