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野盗 2
廃墟の柱の上から、二人の声を聞き取る。
気づかれぬように、息をひそめる。
明日の夜明け前にしようか・・
町の中に人がまとまっているときのほうがやりやすいな・・
町ごと乗っ取るか・・
そんなにうまくはいかねぇ気がするけどな・・
皆殺しにすれば可能性はあるかもな・・
このままじゃぁ、いつかやられて終わっちまう・・
じきに仲間も来る、何とかなるさ・・
そうだな・・
会話は終わったようだ。
収穫期には襲撃がある可能性を聞いていた。
秋に収穫として、まだ二か月近くある。
彼らは用心される前に、町を襲う気なのだろう。
タバコを足で踏み消し、野営の準備を始める。
仲間をここで待つようだ。
自分が潜んでいた廃墟に彼らが野営を始めたのは幸運だったのだろうか。
それとも悲運となるのだろうか。
恐れていた銃の存在がある。
リョウの顔が浮かぶ、ユカリさんの顔を思い出す。
自分には彼らの襲撃がどのようなものかわからないが、きっと無事では済まない。
銃1丁だけでも、あの町を制圧することは可能だ。
彼らは鉄筋の槍、投石、ナイフなどしか対抗策がない。
ましてや仲間も増えるのであれば、すべてを簒奪される可能性も出てくる。
皆の命を町ごと奪うだろう。
逆に言えば、あの銃を奪えればどうだろう。
バリケードの内側より射撃を行えば。
今しかない。
奴から銃を奪い、町に生きて帰る。




