初めての釣果
木の根元で、息を整える。
リョウを目で探し、居場所を見つける。
目の前に石を投げて、様子をうかがう。
あたりには何も反応がない。
リョウのもとへ向かい、怪我がないか尋ねる。
リョウは私は大丈夫と何度も言いながら、こちらの体に怪我がないか必死で確かめている。
頭をなでて宥める。
リョウによると、この小さな緑の怪物は、やはりゴブリンと呼ばれているらしい。
大抵は一匹で行動しているとのこと。
複数で現れるときは、町や商隊を襲うときなどだけといわれているそうだ。
何事も例外もあるし、過信はしないでおこう。
釣りをするべきか、撤退すべきかを考える。
いまは池の畔におり、竿を伸ばせばすぐに釣りができそうではある。
ただ、弓での攻撃を考えると、何処にいても危険はあるだろう。
リョウに釣りを任せ、リョウの真後ろに手斧を構えて立つ。
釣りは好調で、針を水面に垂らすたびに面白いように魚がかかる。
ブルーギルやブラックバスのようだ。
大きさは15㎝から25㎝くらいだろうか。
たしか、臭いがあるが食えたはずだ。
もとは食用として輸入された、外来魚だと聞いたことがある。
草を鰓に通して15匹ほどを束ねる。
ハコベが生えていたので、それもいくつか乱暴に引き抜き、カバンに詰めこむ。
七草がゆで食べた記憶がある。
そうして、初めての釣りを終える。時間は20分程度だろうか。
戦闘の緊張が残ったままで、ずっと長くも感じられた。
ひとまず、釣果をもって町へ帰るとしよう。




