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異世界冒険録~神器のアルケミスト~  作者: 成瀬りん
第8章 魔女に集いて
443/911

443.お祭り⑦

 最後に残った女性が引いたのは、アドルフさんのナイフだった。

 年頃の娘さんにナイフか……とは思ったものの。


「わぁ、素敵なナイフですね! とっても嬉しいです!」


「……え? あ、そうですか?」


「はい! 外の仕事で結構使うもので」


 なるほど、そういうものか。

 確かに街に暮らしていればそれも珍しいかもしれないけど、この辺りの村であれば、外の仕事もたくさんありそうだしね。


「ちなみにこのナイフを作ったアドルフさん、私のお店の横に鍛冶屋を開く予定です。

 神器の元デザインを作った方でもあるんですよ!」


「す、すごい……!」

「「「「「そうだったのかーっ!!」」」」」


「それではアドルフさん、ステージの方へ――……って、あれ?」


 ステージの裾を見てみれば、いつの間にやらアドルフさんはいなくなっていた。


「あ、お手洗いに行かれたそうです」


「何と間の悪い……」


 ポエールさんのフォローに、私の力も抜けてしまう。

 職人組合の責任者とか、それ以外にもいろいろ頑張っているから紹介しておきたかったんだけどなぁ。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇




 引き続ぎビンゴ大会は進んでいき、残る賞品も少なくなってきた。

 しばらくは私の提供したものばかりだったから、私としては少し面白味に欠けていたかもしれない。


 凄いは凄いアイテムばかりなんだけど、個人的には意外性がもう無いからね……。

 ちなみに高級美容品は男女比の兼ね合いもあって、男性に当たってしまった。

 でも彼女へのプレゼントにするということで、とても嬉しそうにしていたのは良かったかな。



「――はい、残りも少なくなってきました!

 ではそろそろ次に――」


「ここからはスペシャルタイムに突入です!!」


「へ?」

「「「「「おぉーっ!!?」」」」」


 私の言葉に、ポエールさんが思い切り言葉を被せてきた。


「ポエールさん、何も聞いてませんよ!?」


「はい、何も言ってませんから!!」


「「「「「あははっ」」」」」


 私の戸惑いを他所(よそ)に、ポエールさんはお茶目に言った。

 この場の何たる空気感。高揚感というか、一体感というか。


「賞品も残り5つ! そしてそれは今回の超目玉ばかりです!

 くじのままだと、何だかもったい無い気がしませんか!?」


「「「「「(ごくり……)」」」」」


「それではここで、残ったものをやんわりと公開させて頂きましょう!」


「やんわりと!!」


「詳細までは言いませんので、アイナさんもご安心ください!」


「分かりました!」


「ではまず、みなさん待望の――銘酒『竜の秘宝』!

 まだ残っていますよ! みなさん、欲しいですかーっ!!?」


「「「「「おぉーっ!!!!」」」」」


 煽ってる煽ってる。

 なるほど。あのままくじで何となく進行するよりも、よっぽど効果的に思えてきた。


「そしてアイナさんから提供頂いた新作のお菓子!

 実は私も試食をさせて頂いたのですが――……おっと、ここまでにしておきましょう」


「「「「「えぇーっ!?」」」」」

「「「ポエールさん、ずるいぞーっ!!」」」


「ふふふ、これも役得と言うものです。

 しかし私はビンゴに参加できませんでしたので、そこはご容赦ください」


「ポエールさん!

 私も参加できていないんですから、商会から何かくださいよー!」


「むむ、それではアイナさんには何か報酬を考えておきましょう。

 アイナさんへの報酬を出したいという方は、ポエール商会までご連絡ください」


「他人任せですかっ!?」


「「「「「あははっ」」」」」


 私の本気のツッコミも、この場ではネタのひとつになってしまう。

 この空気、何と恐ろしいのだろう。



「そして残りはアイナさんの仲間からの賞品です!

 まずはアイナさんを護る守護者、ルークさんからの(ごにょごにょ)の券!!」


「「「き、聞こえないぞっ!?」」」


「(ごにょごにょ)ですよ! もう言いませんよ!」


「「「えぇーっ!!!?」」」


 ……ポエールさん、何だか上手く誤魔化しているなぁ。

 あの話術は面白そうだ。私もできるようになっておこう。


「さらに、不思議な魅力で密かに大人気! グリゼルダさんからの(ごにょごにょ)の券!!」


「「「おぉー!!」」」

「絶対に当てるッ!!」


 ……お?

 歓声の足並みを乱すように、誰か約一名、グリゼルダの券を強く求める人がいるようだ。

 グリゼルダもエミリアさんと編み物をする予定だったんだけど、途中で断念して(ごにょごにょ)の券に変えちゃったんだよね。


「最後はアイナさんの親友にして可憐な聖職者! エミリアさんからの――

 ……あ、これは券では無いですね。そして……妻帯者にはちょっと、マズイものでしょうか」


「「「「「「「「「「えぇーーーーーーーーっ!!!!!?」」」」」」」」」」


「ポエールさん!? その紹介、ちょっといかがわしいですよ!?」


「てへ♪」


 『てへ♪』じゃないでしょう!!!!


「えっと、人に言えないことでは無いですからね?

 エミリアさんが心を込めた編み物をプレゼント、です。奥さんがいる人には、『女性の編み物はねぇ……?』ということですよ!!」


「「「な、何だぁ……」」」

「「「良かった……」」」

「「「「「でも欲しい!!!!」」」」」


 私のフォローに、会場の反応は様々だ。

 こらこら、こんな場でえっちな賞品を出していくわけは無いでしょう。

 ……あんな説明をしたポエールさんもポエールさんなんだけど。


「では提供者の方、ステージまでお願いします!」


 ポエールさんの言葉に、ルークとグリゼルダ、エミリアさんがステージの中央にやってきた。

 お酒とお菓子についてはポエール商会の職員が持ってきてくれた。


「私の仲間からは、あとでコメントをもらいますね。

 さて、ちなみに現時点で、リーチの掛かってる人はどれくらいいますか?」


「「「「「はーいっ!!」」」」」


 会場からはたくさんの声が聞こえてきた。

 よくは分からないけど、30人くらいはいそうだ。


「もしかしすると、次が最後になるかもしれませんね。

 それではポエールさん、数字の抽選をお願いします!」


「かしこまりました!

 それ! ガーラガラ!!」


「「「「「ガーラガラっ!!」」」」」



 ガラガラガラガラ……コロン。



 ポエールさんと会場の掛け声を受け、ガラガラから玉が飛び出した。

 その数字は――


「――はい、出ました! 12です! 12ーっ!!」


「「「「「「「「「「ビンゴーッ!!」」」」」」」」」」


「わ、結構いますね!

 それではビンゴした方全員、ステージの上までどうぞーっ!」


 私の言葉に、10人の人たちがステージに上がってきた。

 賞品の残りはあと5つ。つまりこれを以って、数字の抽選はおしまいということになる。


 そしてこれから、賞品を懸けた最後の戦いが始まる……!!

 ……何するんだろう? じゃんけん?

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