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異世界冒険録~神器のアルケミスト~  作者: 成瀬りん
第1章 辺境都市クレントス
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4.スキルを確認しよう②

 ウィンドウに並んだ数々の意味不明な表記。

 少し緊張してきたし、ここら辺で一旦素数でも数えて落ち着こう。


「1!」


 知っているか、1は素数では無いのだ。

 これは、素数を数えると言いつつ即失敗するという私の鉄板のネタなのだ。


「――さて、アホっぽいことをやってないで、続きを見ていこう……」


 独り虚しく冷静にツッコミを入れながら、居並ぶ意味不明な単語に対して鑑定スキルを使う。


 ----------------------------------------

 【一般スキル】

 修練を通じて多くの人が修得可能なスキル

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 【レアスキル】

 一定の条件下で修得可能なスキル。

 稀に持つ者がいる

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 【ユニークスキル】

 世界の中で一人だけが修得可能なスキル。

 『鑑定』スキルによって看破されない

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 ……なんですと?


 一般スキルとレアスキルは分かる。

 でもユニークスキルって……世界にひとつ? つまり、使えるの私だけ!?


 しかも、それが4つ。

 全部を数えて見れば、合計8つのスキルたち。

 神様、『スキルもワシが吟味した8つを付けておいた』っていうのはウソじゃなかったのね。ボケ老人みたいに扱っちゃってごめんなさい。

 でも、8つ中の4つがユニークスキルってどういうことなの……。


 さて、それじゃ気になるユニークスキルの効果を拝見しましょう。

 えーい、鑑定っ!!


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 【情報秘匿】

 『鑑定』スキルに対する耐性を得る。

 修得レベル以下の情報を任意で公開することも可能

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 【英知接続】

 不明瞭な情報を明瞭にする

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 【創造才覚<錬金術>】

 現物やイメージから作成に必要となる素材を予見する。

 必要となる素材を所持している場合、作成可能なアイテムを予見する。

 錬金術に関する情報を知覚しやすくする

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 【理想補正<錬金術>】

 イメージを理想的に再現する

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 最初の『情報秘匿』。

 ……もしかして私以外の鑑定スキルだと、『情報秘匿』の効果で相手からはレベルが少なく見えちゃうってこと?

 例えば『錬金術:Lv99(Lv12)』っていうのは、『本当はレベル99だけど、他の人にはレベル12に見える』ってことなのかな?


 というと一般スキルとレアスキルの4つは、全部レベル99で修得しているってことになる……?

 あ、でも最大レベルが99とは限らないし!?


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 【レベル】

 スキルの熟練度を示す数値。

 最低は1、最大は99

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 ……うわー、鑑定スキルって便利ダネー。こんなことも分かっちゃうんだ、まるでwik○pediaみたい。

 でもこんなにレベル99が並ぶなら、確かに隠したくなるかもね。神様、気が利くなぁ。


 ユニークスキルの残り3つ、『英知接続』『創造才覚<錬金術>』『理想補正<錬金術>』は……何かよく分からないけど、錬金術に凄い効果がありそうな感じだよね……。


 さて、それじゃ次は一般スキルとレアスキル。

 ユニークスキルが気になって後回しになったけど、しっかり鑑定しておこう。


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 【錬金術】

 錬金術を使用することができる

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 【鑑定】

 対象の情報を得る

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 【収納】

 異空間のアイテムボックスに対象を収納する。

 レベル50以上で時間の流れが停止する

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 【工程省略<錬金術>】

 作業の工程を省略する。

 レベル99時、『収納』スキルと連携することで

 全工程を省略する

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 ……最後のがまた凄い。

 『全工程を省略する』って何ですか……。なんなの? 鑑定みたいに、念じればアイテム出来ちゃうの?


 その影で実は『収納』もすごい……。

 時間の流れが停止ってことは、何でもずっと劣化もしないで持っていられるんだよね?

 あ、そういえば神様の手紙に『落ち着いたらアイテムボックスにちょっとしたプレゼントを入れておる。これも有用に活用するが良いぞ』ってあった気がする。

 アイテムボックスって何のことか分からなかったけど、収納スキルのことだったのね。


 そう思いながら収納スキルに意識を移すと、アイテムボックスの中身を把握することが出来た。何だかとっても不思議な感じがする。


「今あるものは……2つ、かな?」


 言いながら自然に異空間――アイテムボックスに手を突っ込み、中からアイテムを取り出す。

 小さい透明な結晶と、空き瓶が出て来た。


「これがプレゼント? うーん、鑑定っ!」


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 【神の雫】

 神の力が込められた結晶

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 【空き瓶】

 空き瓶。ガラス製

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 うーん?

 神の雫は想像が付かないんだけど、空き瓶は何かのヒントになりそう?


「あ、この2つを使うと錬金術で何かアイテムを作ることが出来るってことかな?」


 どうやるのかなと思いつつ、ユニークスキルの『英知接続』に意識を傾けてみる。

 どこかで『使用方法が違います』みたいなことを言われた気がした。


 それならばと、ユニークスキルの『創造才覚<錬金術>』に意識を傾けてみる。

 目の前と頭の中にウィンドウが現れた。


 ----------------------------------------

 【『神の雫』による作成可能なアイテム】

 ・エリクサー<究極>

 ・世界の記憶(特殊条件が足りません)

 ・終焉の鍵(特殊条件が足りません)

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 ……さすが神の力。よく分からないけど、名前からして全部ハンパ無いわ……。


 でも、あれ? 『世界の記憶』と『終焉の鍵』には『特殊条件が足りません』って出てるけど、『エリクサー<究極>』には付いてない?

 もしかして作れちゃうのかな……?


 ドキドキしながら『神の雫』と『空き瓶』を収納に戻す。

 レアスキルの『工程省略<錬金術>』の効果に『レベル99時、『収納』スキルと連携することで全工程を省略する』ってあったから、もしかして念じるだけで出来ちゃうのかなって。


「それじゃ、エリクサー<究極>をれんき~んっ!!」


 ノリよく叫ぶと、右手の方でバチッという音がした。

 まさかねー……と思いながら右手を見てみると、液体の入ったさっきの空き瓶が乗っている。


 ……あれぇ? これ、私の知ってる錬金術と違う……。


 正直な感想を頭に描きながら、その液体を鑑定してみる。


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 【エリクサー<究極>】

 すべての傷・疲労・欠損が回復する。

 不老不死を得る

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 ……。

 最初は分かる。ゲームとかでもHPとMPが全部回復するもんね!

 でも、次のって……。


 さすがに今のスキル群だけでもおかしいくらいおかしい(?)のに、これ以上不老不死とかワケ分からんわ!


 そう思いながら、とりあえずエリクサー<究極>は収納へ。

 ちなみに神の雫と空き瓶は素材として消費され、アイテムボックスの中から消えていた。


 なるほど、錬金術の使い方は(何か釈然としないけど)よく分かった。

 今のはきっと、いわゆるチュートリアルみたいなものだよね。出来たアイテムはゲームクリアレベルだけど。


「うん、なるほどなるほど。これが私がもらった力なのね……」


 落ち着くように声を出し、そして呼吸を整える。

 それじゃ自分のスキルが把握出来たところで、これからの目標を作ろう。


 私のイメージする錬金術のゲームだと、とりあえず序盤のミッションはポーションを作る的な感じ。

 なのでこれにならって、ポーションを作ってお店に売って? みたいなところから始めようと思う。


 まぁポーション系列の最高品っぽいエリクサー<究極>は既に作ってしまったんだけど、素材がもらいものだしね。

 素材集めから全部自分でやって、それでポーションを作って売る!

 うん、とっても序盤っぽい目標だし、これが基本っぽいし。


「さぁて、今日はいろいろ考えるのはおしまい! とりあえずご飯と、誰かいたら話を聞いてみようかな?」


 そう言いながら部屋を出て、宿屋の食堂に向かうことにした。


 夕食は宿泊代と別料金らしいから、お財布も忘れずに、ね。

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[良い点] おい!不老不死だぞ! 飲め!今すぐ飲め!
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