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ヴァンパイアのお兄さんが洋館から脱出する話  作者: 紅藤
番外編/館の主人視点
12/13

エドウィンの独白4

 

 完成した賢者の石に問う。初めに聞いたのは彼のことだ。


 ”何を欲しがってる?”


 賢者の石に浮かんできたのはたくさんのカギのイメージだ。

 やはりカギを欲しがっていたのだ。最初のジェスチャーを思い出す。


 自分の勘を自慢に思いつつ、今まで違うカギを渡してきたのだから少しへこむ。


 屋敷の中を捜索されることにいまさら嫌悪感はない。

 それならいっそ、と思って賢者の石からカギを取り出した。


 そのカギは膨大な束になっていた。

 妻たちがいなくなってから使わなくなった部屋も多い。そのカギは外しておいた。

 あんまりカギが多いと彼も困るだろうと思ってのことだ。


 カギを渡して、少々強引だったがカギを受け取ってもらった。

 それから青年がカギの束に目を移したすきに、本心の願いも見てみた。


 ”彼の本当の願いはなに?”

 ”人間と分かりあえること”


 少し首をかしげてしまう。大それたことを願うのだな、と思った。


 歳は確かに若そうで、そういうことに希望を抱いていてもおかしくはない。

 しかし、なんとなくそれだけではない気がした。


 世界平和を願う青年を優しく見守りつつ、賢者の石を一撫でして、履歴を消す。

 勝手に心の中を覗かれるなんて、親友同士でもやってはいけないことだと知っていたからだ。


 何食わぬ顔をして本を読む。内容は全然入ってこない。

 そうこうするうちに、青年は出ていった。

 わたしはほっと息をついた。

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