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あぶれもの  作者: 咲紋 朱巳
幼少期
8/12

1章 7話 森の中

3日も経っただろうか、結局日が経ってしまったせいで、また、空腹になっているが、

ようやく、力が入るようになり、起き上がれるようになった。

また、あの苦しみは数時間で無くなりはしたようだ。(正確な時間は全く覚えていない。)

非常に苦しんでいたことは確かなのだが、なぜか、耐え抜いてしまった。

鬼の胃が(あるのかどうか疑問だが)とても強靭という事か、

もしくは、鬼の体自体が非常に強いという事なのだろう。

やはり、食べ物をとって無いせいか、身体が痩せ細ってきているようにみられる。

力も同様に落ちてきていることだろう。

早く安全・・な食料を探さなければ。


今更ながら、左手に痛みを感じる。

蛇みたいな長いものが左腕を噛んでいた。

毒でも流されているのだろうか、何かが入ってくるような感覚はあるが、特に気になることではなかった。

むしろ、それを上回る回復速度のようで、右手で蛇(勝手にそう呼ぶことにする)をつかみ、

剥そうと力を込める。

いや、握り潰してしまった。

100㎝近くの体長だったので、こんなにもろいとは思わなかったんだけどなぁ。

しかし、ここなら食料も見つけられるだろう。


今さっき潰した蛇を、そのまま食べるのは気持ち悪そうだったが、背に腹はかえられない。

おもい切って食べ始める。特に美味しい訳でもなく、空腹を満たすためなのだが、

とにかく食べにくい。

皮を剥いたら食べやすいかな?

ただ剥くのに都合の良い物はなく、握り潰しながら、

中身を押し出して、身を食べた。咀嚼しながら辺りを見渡す。


ようやく、実の成っている木々がぽつぽつ見つかり、虫も見つけられる。

動けるようになり、食料を探しながら、先へ先へと進む。

虫を捕まえては口に入れ、木の実を拾っては口に入れ、

!!

水分が多い果実だったので、水筒代わりに枝を折って数個確保する。

キノコも生えていたので、これは後の食糧にしようと拾って枝に刺しておいた。

いつもの場所から離れてしまい、方向もわからなくなったので、戻ることは出来ない。

どこへ向かっているのか全く分からないが、餌場を探して進むしかなかった。


半日も経っただろうか、歩きながら見つけたものを口に入れる散策を続けていた。

空腹感は満たされ無くなったが、食べ物を食べるたびにお腹が痛くなってしまっていた。

ついには、お腹を下してしまったらしく、

物が出ない排泄感にとらわれて、やはり動けなくなってしまった。


動物も近くにいるような気配がする。捕まえることが出来たらよいのだけど、

この体調、いや、腹調ではどうだろうか、少し心配になる。

でも、肉だよ、お肉。人だった頃の記憶が蘇って否が応でも肉が食べたくなる。

焼肉・ステーキ・照り焼き・ハンバーグ。

思考が肉一色になってきた。


考えれば考えるほど、火が必要な事に気づく。

というか、火が無ければ、どれも作れない。

火、火、何かないか?

辺りを探すが、木々ばかり。枯れ木も特に無いようなので、摩擦の火起こしするのは大変そうだ。


? ? !?

何だろう。手のひらがじんわり熱くなってきた。

不思議に思って手のひらをみて見るものの、

何も無かった。

そして、先ほどの熱さも感じなくなってしまった。

そのうえ、動物にも逃げられたようで、辺りに気配も感じなくなってしまった。

良かったのか、悪かったのか、わからないが、

お肉が食べられないことだけは確実で、残念であり、

お肉や、火のことを忘れ、また腹痛と排便感が蘇り、動けなくなってしまった。


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