0話 現世の最後
僕はこんな世界はもう嫌だったから
「お父さん、お母さん、あなたたちのせいで先立つ不孝をお許しください」
そういって15年の短い生涯を終えることにした。
僕は、南野天馬(みなみのぺがさす)。ひどい名前だと自分でも思う。
この名前のせいでいつまで経ってもイジメられていた。
小学生低学年の頃にカッとなって反応する事が余計にダメだと知って、
それ以来無反応を続けようと頑張った。
親に相談した事もあるけれど、友達を作れば大丈夫だとか、
一過性のものだから、天馬がしっかりしてないから、って言われて相手にされなかった。
小学生高学年になった頃にはイジメられっ子の有名人になり、
一緒にイジメられるから嫌だと誰からも距離を置かれて、友達もできなかったので、本の虫になっていた。
おかげで勝手に勉強は出来るようになったが、視力がだいぶ弱くなって眼鏡をかけるようになった。
学区の事もあり、環境を変えようと中学は有名私立中学を受験して合格、入学したけれども、
そこは小学生の時よりも増して酷かった。
いじめられていたことにより視線が怖くて、
前髪を目が隠れるくらいに伸ばしていたせいだったのだろう。
ガリ勉メガネ。と言えばよいのだろうか。
本の虫あり、辞典から小説・漫画いろんなもの手当たり次第、片っ端から読んだ。
おかげで、いじめられっ子の典型的な外観になっていた。
その上、自己紹介で判明した僕の名前。
条件がいろいろと揃いすぎていたようだ。
2年間は頑張ったけど、いじめはどんどん酷くなり、もう疲れてしまった。
おかげで首吊りという行為に踏み切った。