半端な人生/竜生 モンスター図鑑
【ブルータルドラゴン】
危険度……高
生息地……世界各所
鉄すらも貫く鋭利な爪や、岩をも嚙み砕く強靭な牙と顎を持つドラゴン種のモンスター。ドラゴン種きっての残忍さを持ち、目に映るもの全てに襲いかかる習性がある。別名残虐竜。しかしその習性は、実は繊細で臆病な性格ゆえに危険だと感じたものを全て排斥しようとしているのだとする説がある。
さらに、強力な気配察知能力を有している個体が多く、安易に近寄ることはできない。
さらに、いかなる毒に対しても強い抵抗を持っているため、毒を用いて弱らせることはできない。
【ロードドラゴン】
危険度……高
生息地……不明
地獄の使いとの異名を持つドラゴン種のモンスター。魔力の体内生成速度が速く、さらに高い知能を有するため、モンスターながらにして強力な魔法を操る。別名獄竜。
本来ならば自然界には存在していない種で、モンスターマスターたちが生み出した改良種。高い知能を有する理由は、人間の知能を用いているためだと考えられている。
【デビルトレント】
危険度……低
生息地……人里近くの森林
普段は木に擬態しており、移動することもなく、さらには一切動くこともない。温厚な性格だが、同時にひどく臆病な性格でもある。
獲物を捕る手段は、周辺に脳を操作する電波のような魔力を発し、その魔力により催眠術をかけて、自身の口へと獲物を飛び込ませる。さらに周辺の土壌を独り占めするため、木々も彼らの周りでは育つことができない。
じっとしていれば木となんら変わらない外見をしているが、危険を感じた際には、7対の目を全て開き、不気味な外見となる。
外皮は植物細胞で構成されているが、内部は動物細胞と植物細胞が8:2で構成されている。その肉は独特な青臭さを持つ。
人の手によって生み出された改良種。
【ウルフ・アサシン】
危険度……中
生息地……温暖な地域
群れよりも単独で行動することが多く、数匹で行動する場合には息の合った連携を取り獲物を追い込む。この種の子どもは、産まれて五ヶ月ほどで親から独り立ちをする。
強い脚力と鋭い爪、牙を武器に、狙った獲物を音も無く正確に仕留める。ウルフ種の中でも一二を争うトップクラスのハンター。
小さな頃は人懐っこい性格をしているため、この頃から手懐けておけば狩りの手伝いをさせることもできる。
【マッドスティッカー】
危険度……中
生息地……淡水の水中(湿地帯)
丸い胴体に6本の節足と球状の頭という滑稽な姿をしたモンスター。その背中からは4本の半透明な触手が伸び、頭に鋭い牙と強靭なアゴを携える。
普段は水中で触手を伸ばし、水面の揺れを感知して獲物を捕らえる。その力は強力で、子供のドラゴン種ですら水の中へ引きずり込むほど。
住んでいる水場が干あがったり、水質が著しく低下した際水中から出てくることがあるが、その際には全身を泥で覆い、乾燥から身を守りながら新たな生息場所となる水場を探す。地上でも動きは機敏なため注意が必要。
【アニマリザード・ヘイナス】
危険度……中
生息地……世界各所の山地帯
真っ黒い鎧のような鱗に全身を覆われたリザード種のモンスター。鋭い牙は金属ですら易々と貫く。また、脅威は牙だけでなく、足から伸びる爪も、かなりの鋭さを持つ。さらに牙や爪には強力な毒があるため、見つけたらまずは距離を取ること。幸いにもさほど足は速くない。
このモンスターの鱗は価値が高く、高値で取引されることもある。
【マッドウルフ】
危険度……中
生息地……暗所
黒い体毛の大柄なウルフ種。普段は比較的温厚な性格で、人に襲いかかることも滅多にないが、その怒りに火を点けると途端に恐ろしいモンスターへと変貌する。
強靭な筋力により動きが素早く、さらに爪や牙も固く鋭い。見つけた際は決して刺激しないよう心がけること。
【セイントイーグレット】
危険度……低
生息地……山岳地帯
白く光沢のある羽根を生やす、珍しいイーグレット種。争いを好まないため、魔力を大量に溜め込む体質と相まって常に大量の魔力をその体に有している。その魔力を消費する、戦闘以外で唯一の方法は体を輝かせること。主に求愛の行為として雌雄ともに行うが、激しく体を動かした時にも光ることが確認されている。
古い文献に、光りながら飛ぶセイントイーグレットを神の使いだとして崇拝していた国もあるとの記載がある。
【ロックリザード】
危険度……低
生息地……岩場、砂地
全身が岩のような見た目をしたリザード種のモンスター。臆病な性格で、人や天敵が近くを通りかかると慌てて丸まり岩に擬態することでその場をやり過ごそうとする。
獲物を狩る際にもこの岩のような見た目を利用し、岩場に隠れて狩りを行う。
普段はじっとしているが、危険を感じた時や獲物を追いかける時には、見た目とは裏腹に俊敏に動く。怒らせると追いかけてきて噛み付いてくるので、手を出さないことが賢明。
【プリズムドラゴン】
危険度……中
生息地……地中、洞窟等
全身を水晶のような輝きを持つ鱗で覆うドラゴン種のモンスター。その鱗は光と魔法を跳ね返す。交戦する際にはその点に留意すること。別名光輝竜。
鱗の輝きを保つために、地中に埋まる鉱石や水晶を食べる習性がある。体表に出てくるのは不純物を一切取り除かれた宝石や水晶そのもので、このモンスターの鱗はアクセサリーや装飾品の素材として高値で取引される。
過去にはこのモンスターを飼育し、ある特定の宝石の原石を食べさせることで鱗の色や輝きを整え、その美しさを競う貴族たちの競技が存在した。
【ライトニングドラゴン】
危険度……高
生息地……山岳部、荒野
全身から電気を放出するドラゴン。空中で素早く動くことができ、獲物を発見すると雷と共に地上へ降り立つ。別名雷電竜。
非常に優れた目を持ち、遠く離れた敵ですら認知する。これと、電気の能力を活かし、巣の見張りを行う。
地上での動きは鈍いため、交戦する場合は翼を狙うこと。ただし、ながくしなる鞭のような尻尾には重々注意されたし。
【フロストドラゴン】
危険度……中
生息地……雪原、氷河などの寒冷地
気温の低い環境に適応したドラゴン種。レプタイルで唯一寒冷地に適応したもの。別名氷雪竜。
温厚で優しい性格をしているが、縄張り意識が強い。戦闘は好まない性格のため、縄張りに侵入されたことを感知すると、周囲に強烈な冷気を発し気温を著しく低下させる。
上記の性質上本体への接触は非常に困難であるが、縄張りを持たないものが時々おり、それと接触した際には手懐けることもできる。しかし、少し刺激すると気温を下げられるため、飼育には厳重な装備が必要。
【エンシェントドラゴン】
危険度……低
生息地……世界各地
この世界の創造と共に産まれた竜と言われる。別名元竜。
非常に高齢で、人間よりもはるかに賢い。
死の概念を持たないと言われている。現在、エンシェントドラゴンの死亡例は見つかっていない。
誰に対しても、いかなる種族に対しても厳粛な態度を取り、また敵対しない限りは決して跳ね除けることをしない。
一部ではこれを神として信仰し、崇めるものもいる。
精神対話を巧みに用い、人の悩みを聞き、積極的に相談相手になろうとする。その際、理由を聞いた者曰く「年寄りの暇つぶし」と答えたという。
また、この竜がいるところは決まって『聖域』が張られており、年中穏やかな気温と豊かな土地が広がっている。