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マクルドナノレド

作者: 神城クリス

国内有数の店舗数を誇るハンバーガーショップ、マクルドナノレド。

彼女が僕の勤める店舗にやってきたのは四月のとある日だった。

アルバイトの面接のためにやってきた彼女の第一印象は正直に言って不思議な人だった。

身長はやや小柄で細身の体型。顔は整っており可愛い部類に分類されるだろう。

不思議な事に彼女は面接に来ているというのに非常に眠そうにしていて緊張感の欠片も無かった。

それだけでも大きなマイナスポイントではあるのだが、彼女に関して言えばそんなのは些細な問題でしかない。

というのも彼女は先ほどからこちらの質問に対してまともに答えていないというか、そもそもちゃんと話を聞いているかどうかすら定かではなく、基本的に反応が薄い。

もうすでに不採用は確実なのだが、最後にこれだけは聞いておこうと思う。

彼女が持ってきた履歴書に書かれた自己アピール欄の未来予知ができますという一文。

サトウさん、自己アピールの所に未来予知ができますと書いてありますが、これはどういう意味ですか?

未来のことを予め知ることができるという意味です

と、彼女は淡々と答えた。

違うんだ、いや、意味はあっている。だけど自分が聞きたいことは言葉的な意味についてじゃない。そんな意味は最初から分かっている。

この不思議ちゃんにそういう言葉の裏を読んで貰うとか言うのを期待した自分が間違っていた。素直に今何か未来予知をしてくれと言おう。そうしよう。

鈴木さんは将来ハゲます。

いきなり何をっ!?

何か未来予知をしてくれと言われることを予知しました。

なぜか彼女はしてやったりといった感じの顔をしていた。

いや、君めっちゃドヤ顔してるけど、わりと誰でもそのくらいは予測できるからね?

そうですね、見るからに毛根が弱そうですし

いや、僕がハゲるという部分についてじゃ無くて、未来予知について話題を振った時点でそれを見せてくれと言うのを予測できるってことだからね?

じゃあ他の未来予知をします

よし、それを聞いたらもう終わりにしよう。

僕はそう心に決めて彼女に続きを促した。

鈴木さんは私を採用します

はい、えー、サトウさん今日はお疲れ様でした。面接結果につきましては後ほどご連絡をいたしますので気をつけておかえりください

僕は笑顔で彼女を追い出した。


なんだったのだろうかあの子は。


この作品はフィクションです、実在する人物や企業とは一切関係が有りません。

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