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知らないこと

黒い瞳が私を見つめる。


「…フリュイと呼ばせてもらうよ。

君がこちら側についてしっていることは?」

真剣な瞳に圧倒される。


「私が龍族について知っているのは、隔絶され100年に一度こちら皇国から1人送られる。

……そして人は貴方方を刈る。


龍族は人を許さないと私は思っております。

それ以外にはわかりません。」

人が犯した罪の罪悪感が私を襲う。

何故、どうして?

知らない、やってないでは赦されない。


「君はどんな人なのかな?

今まで送られきたのは罪人だった。

ろくでもない人間だった。


でも君は違う。


何故ここに送られたの?」何故と言われてなんて言っていいのかわからない。

なんと言えばいいのだろうか?

人である私はなんと言えば生き残れるのだろう。

「ごめんね。脅かすつもりじゃないんだ。

ただ興味があるんだよ。


人が神に愛された娘を手放したのは何故だろうって。」テーブルに肘をつきにっこりと私に笑顔を向ける。


「…先ほどもおっしゃってましたが、神に愛された娘とはどういうわけでしょう?」


「知らなかった…のかな?

君は灯りに困ったことがないだろう?」


困ったように笑う彼はまた笑って説明してくれた。

「僕らの方には明かりがなかった。

君のいた国、いや皇国だっけ?

常にそちらに太陽神も月の女神も付きっきりでね。

特に最近は思い出してももらえなかった。


僕らは暗くても見える。

だがそれだけでは精神がもたない。

太陽神も月の女神もこちらに来ないと他の生き物達が生きて行けない。


まぁ、食糧がなくなるんだよ…。

ここまではいい?」

水を飲み確認をしてくれる。

「はい。神様たちはこちらに現れないので生き物が生きていけないということですね?」

私もそれに応え、続きを待つ。


それを確認し彼はまた続きを話す。


「そうだよ。彼らは長年一緒だった僕らを捨ててあっちに行ったんだ。


でも再び彼らは戻ってきた。


フリュイ、君が来てからね。


僕らは君を手放すつもりはないんだよ。


だから、…逃げないでね?」その視線が私を捕らえて離さない。


寒気が感じていると白い青年が温かい飲み物をいれてくれた。

「ありがとうございます。ハク様。」

「敬語はいらない。様もいらない。わかった?」

高圧的に言われているが何故だが安心してしまった。

だからつい笑って応えてしまった。

「でも、「でもじゃない。ハクだから。」


わかりました。

ありがとう、ハク。」

だから感謝を込めて呼ぶ。伝わるといいんだけれど。



「フリュイ、僕はベルギアだよ。

べ・ル・ギ・ア!」

少し剥れて私に詰め寄る。

先ほどの怖い空気は感じない。

「ベルギア様も「ハクは呼び捨てなんだから僕も様はいらないよ。」」

そんな事を言われても。

「ベルギアだよ。

それとも僕の名前は呼べないの?」

悲しそうする様は哀しくなるようで、つい、

「ごめんなさい…。そんなことはないの。ベルギア。」

名前を呼ぶととても嬉しそうにしてくれた。


「ハク。ベルギア。

これからよろしくお願いします。」

私はこの地の事を知らない。だからといって甘え続けることはしない。


でも生きて生きていくためにはしらなければ。

だからまずは挨拶からはじめなきゃ。

頭を下げている私に落ちてくる声はぶっきらぼうだけどとても優しい。


「あぁ。」

「もちろんだよ」

笑ってくれる彼らに優しくありたい。

そう思った。

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