ー開幕ー
深夜ーー様々な人が行きかう筈の天津町の大通りは静寂に包まれていた。
本来この時間においてあるはずがない静寂は生ける命を消し去り、時が止まった世界を作り出す。
例外の2つを除いて。
そんな時が止まった世界など自分には知らない、聞かない、必要ないとばかりに2つの人影はお互いに向かって歩いていく。
時の停滞を振りほどき歩く2つの影はついに体1つ分の距離まで近づいたーーーー瞬間2つの人影の1つ、赤いコートを着た男が6メートルほど後方へすさまじい勢いで吹き飛ぶ。
「貴様といえどもこの距離でそれを喰らえばそれなりに痛かろう。」
もう一つの人影が正面を睨めつけながら佇んでいる。 その拳には先ほどまで見受けられなかった篭手のようなものが付けられている。
「そしてこれで終わりだッ!」
男は振り上げた拳を地面へと叩き下ろすと、コンクリートが粉々に割れ破片は叩き下ろした際にできた衝撃波と共に赤い男へと向かっていく。 衝撃波は様々な物体を粉砕しより大きな勢いとなって障害へと突き進む。その勢いは触れることはおろか近づくだけ常人ならば細切れにする刃と化し、赤い男を飲み込んでいった。




