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裏お伽話  作者: すずかん
メンヘラ白雪姫編
4/4

少し変わった女子会



白雪姫とシンデレラが、おしゃれなカフェの奥で女子会を開いていた。テーブルには、インスタ映えしそうなスイーツがずらり。二人はおしゃべりに夢中だが、その会話はちょっと普通じゃない。


「ねぇ、シンデレラ。あの王子さ、私の初キスを奪ったくせに…全然責任取る気ないのよ!」

白雪姫は、赤リップを塗り直しながら、怒りを隠せない。


「え?マジで!? 今どきそれ、訴えたら勝てるんじゃない?」

シンデレラは目を輝かせ、スマホで「初キス 訴訟 勝つ方法」を検索し始めた。


「違うのよ!法律の問題じゃなくて、感情の問題!『初キスの責任取れ!』って追いかけたのに、逃げられちゃったの!」

白雪姫は両手をバタバタ振り回しながら、まるで王子を再現するかのようにカフェの中で小芝居を始めた。


「追いかけたの!? それって、現代で言うところのメンヘラってやつじゃない?」

シンデレラはニヤリと笑う。


「だって、彼、私のインスタすらフォローしてないのよ!もう、何考えてるの!?」

白雪姫はケーキをフォークでつつきながら、ため息をつく。


「まあ、あなたって突っ走るタイプだからね。そりゃ押しすぎたら、王子も全力で逃げるわよ。」

シンデレラはラテを一口飲み、得意げにウインク。「私ならね、まずガラスの靴で軽〜く気を引いて、向こうから来させるわよ。やっぱり自分からは動かないのがポイントよね。」

シンデレラは自信満々にウインクしながらラテを一口飲む。


「しかもさ、彼の家柄はちゃんと調べておかないと!“王子”って言ってても、実はただの地主の息子とか、詐称してるかもしれないしね!」

シンデレラはスマホを取り出し、検索する真似をしてみせた。


「え、詐称!? 王子詐欺なんてあるの!?」

白雪姫は目を丸くして驚く。


「あるのよ〜、この前も“プリンス”って名乗ってた人が、実はただのプリン専門店のオーナーだったって話、聞いたことあるし!」

シンデレラは肩をすくめながら笑う。「靴だけじゃなくて、プロフィールもチェックしなきゃね。」


「プリンス…って、ただのデザート職人かい!」

白雪姫も吹き出しながら、「それじゃデザートで釣られちゃうところだったわ」とケーキをつついた。


「話を戻すけど、フォローしないってありえないでしょ?それ、もう完全にエチケット違反だから!」

シンデレラは、眉をひそめて真剣に言う。


「次に会ったときは、ちゃんとその辺りをハッキリさせなきゃダメよ!まず『フォロバしてないってどういうこと!?』って問い詰めるところからスタートね!」

彼女はスマホをチラッと見ながら、「エチケットは最低限守らせなきゃ」と小さく頷いていた。


「そうよね、フォロバしてないなんて、もう信じられない!」

白雪姫も同調して、大きく頷き返す。


現代のメンヘラ女王・白雪姫と、実は高学歴狙いのあざとい女子・シンデレラ。

この女子会は、なかなかスパイシーな策略が渦巻いていたのだった。


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