少し変わった女子会
白雪姫とシンデレラが、おしゃれなカフェの奥で女子会を開いていた。テーブルには、インスタ映えしそうなスイーツがずらり。二人はおしゃべりに夢中だが、その会話はちょっと普通じゃない。
「ねぇ、シンデレラ。あの王子さ、私の初キスを奪ったくせに…全然責任取る気ないのよ!」
白雪姫は、赤リップを塗り直しながら、怒りを隠せない。
「え?マジで!? 今どきそれ、訴えたら勝てるんじゃない?」
シンデレラは目を輝かせ、スマホで「初キス 訴訟 勝つ方法」を検索し始めた。
「違うのよ!法律の問題じゃなくて、感情の問題!『初キスの責任取れ!』って追いかけたのに、逃げられちゃったの!」
白雪姫は両手をバタバタ振り回しながら、まるで王子を再現するかのようにカフェの中で小芝居を始めた。
「追いかけたの!? それって、現代で言うところのメンヘラってやつじゃない?」
シンデレラはニヤリと笑う。
「だって、彼、私のインスタすらフォローしてないのよ!もう、何考えてるの!?」
白雪姫はケーキをフォークでつつきながら、ため息をつく。
「まあ、あなたって突っ走るタイプだからね。そりゃ押しすぎたら、王子も全力で逃げるわよ。」
シンデレラはラテを一口飲み、得意げにウインク。「私ならね、まずガラスの靴で軽〜く気を引いて、向こうから来させるわよ。やっぱり自分からは動かないのがポイントよね。」
シンデレラは自信満々にウインクしながらラテを一口飲む。
「しかもさ、彼の家柄はちゃんと調べておかないと!“王子”って言ってても、実はただの地主の息子とか、詐称してるかもしれないしね!」
シンデレラはスマホを取り出し、検索する真似をしてみせた。
「え、詐称!? 王子詐欺なんてあるの!?」
白雪姫は目を丸くして驚く。
「あるのよ〜、この前も“プリンス”って名乗ってた人が、実はただのプリン専門店のオーナーだったって話、聞いたことあるし!」
シンデレラは肩をすくめながら笑う。「靴だけじゃなくて、プロフィールもチェックしなきゃね。」
「プリンス…って、ただのデザート職人かい!」
白雪姫も吹き出しながら、「それじゃデザートで釣られちゃうところだったわ」とケーキをつついた。
「話を戻すけど、フォローしないってありえないでしょ?それ、もう完全にエチケット違反だから!」
シンデレラは、眉をひそめて真剣に言う。
「次に会ったときは、ちゃんとその辺りをハッキリさせなきゃダメよ!まず『フォロバしてないってどういうこと!?』って問い詰めるところからスタートね!」
彼女はスマホをチラッと見ながら、「エチケットは最低限守らせなきゃ」と小さく頷いていた。
「そうよね、フォロバしてないなんて、もう信じられない!」
白雪姫も同調して、大きく頷き返す。
現代のメンヘラ女王・白雪姫と、実は高学歴狙いのあざとい女子・シンデレラ。
この女子会は、なかなかスパイシーな策略が渦巻いていたのだった。