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裏お伽話  作者: すずかん
メンヘラ白雪姫編
3/4

撮影会


森の中にある小人たちの家。そのリビングは、いつもと違う緊張感に包まれていた。

白雪姫は真っ赤なリップを塗り、ドレッサーの前でポーズを取りながら、次々に小人たちに指示を飛ばしていた。


「ねぇ、グランピー!今日のフィルター、どっちがいいと思う?キラキラフィルターか、それともモノクロでシックにいくかしら?」


グランピーはため息をついて、スマホをいじる白雪姫を見上げた。

「どっちでもいいけど、これで最後にしてくれ。明日も仕事が早いんだよ。」


「何言ってるの!これは私の美しさを世界に届けるためなのよ!妥協なんてありえないわ!」

白雪姫は、自信満々にスマホのカメラを再び自分に向けた。


その横で、ドーピーは無言で白雪姫のインスタグラムにログインし、彼女が指示した通り、投稿に「いいね!」を連打している。

スニーズィーは小さく咳をしながら、フォロワー数をチェック中だ。


「ねぇ、バッシュフル!もう少し光を上げて!髪がもっと輝かないと、フォロワーが減っちゃうわよ!」

白雪姫は鏡に向かって笑顔を作り、ポーズを決め続ける。


バッシュフルは顔を赤くしながら、震える手でランプを持ち上げた。

その小さな光が白雪姫の顔を照らすと、彼女は満足げに微笑み、鏡に向かって完璧なポーズを決めた。


「もっと上!そう、そこよ!完璧!」

白雪姫はカメラに向かって投げキッスをし、スマホ画面を確認してうなずいた。


一方、小人たちはそれぞれの「任務」に追われていた。

ハッピーはインスタのコメントに「素敵です!」と次々返信し、グランピーは新しいフィルターを探す係。

スリーピーは疲れ切ってソファに倒れ込み、スニーズィーはまたくしゃみをしながら、次の「撮影アイデアメモ」を整理している。


「こんなの、いつまで続くんだ…」

グランピーがぼそっとつぶやくと、ドーピーが肩をすくめて無言でスマホを白雪姫に向けた。


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