エピソード05 2012年②
(どっきり どっきり don!don!〜)
カラオケにつくと、誰がが入れた一曲目で盛り上がった。
盛り上がる曲が続き、みんなで数曲歌い終わったところで、そろそろ帰ろうと思い彼氏に連絡をした。
少し離れたところにいるとのことで、迎えにくるまで、引き続き待つことになった。
(状況はどうだい?僕は僕に訪ねる〜)
盛り上がる曲ではないが、私が好きなアーティストの歌が流れた。
歌っているのは遠藤で、相変わらず空気が読めないのか、自分の好きな歌を歌っている。
「俺もこの歌好きなんだよね」
もう一つのマイクを持ったのは、佐山だった。
「俺中学の時BUMPよく聞いてたわ」
「え?私も!」
「え?そんなこと言ってたっけ?」
「なんかあんまりみんな聞いてないかと思って、言ってなかった〜」
ところどころで、隠れファンだということをそれぞれが話し始める。
「遠藤がBUMP好きなのは知ってたけど、あいつ空気読まないから一緒になりたくなかったわ」
「なんか分かる」
誰かがそういった時に、遠藤は歌うのをやめた。
「人のせいにするなよ。自分に自信を持てないから、自分の好きなことも好きって言えなかっただけだろ」
そういって遠藤は部屋を出ていってしまった。
空気が凍りついたタイミングで、彼氏から助けの連絡が入る。
「私帰るね〜」
こうやって私の成人式は終わった。