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027_働いた者は食うべし

「よし、ガキども!仕事の内容は分かったな。」


「うん、大丈夫。それよりもっと焼き芋くれよ~。」


「うるせぇ!ここで食ったら仕事にならないだろうがよぉ!」


僕はスフィーダさんと孤児院のガキどもを引き連れて街へと歩き出した。今回の目的は僕の焼き芋の宣伝だ。

しかしこのガキども、本当に趣旨を理解してるんだろうか?さっき試食に少しだけ焼き芋食わせたけど、追加の催促がうるさい。ほら、スフィーダさんも苦笑いしてるじゃないか。


まずは作戦の説明をしようか。

今回の宣伝場所は街の中央広場、大通り、そして商店街の計3ヶ所だ。

みんなにはそれぞれの場所に行った後に『紅音姫』と『甘納芋』を1つずつ渡し、それを目立つ感じで美味しそうに食べてもらう。

そしてそれとは別に僕とパフィさんが試食用に小さく切った焼き芋を興味を持った人に一口だけ試食してもらい、明日の販売場所をさりげなく教える。ちなみにこの小さく切った焼き芋だけど『調理工程の指定』と『調理法の追加』の合わせ技で出来るようになった。


報酬については焼き芋プラス時給500フルール×4時間=2000フルールだ。これは1ヶ所当たり1時間宣伝するとして3時間、それから移動時間で1時間としたからだ。

ちなみにこの世界ではアルバイトの場合、時給500フルールくらいが相場らしい。それが6人だから12000フルール、結構手痛い出費だ。でもこれで焼き芋が売れれば簡単に元が取れるから構わない。

だって『紅音姫』が一つ200フルールだから60個売れればもう元は取れるし、今の僕は約1000個作れるから、作れる限界まで売れれば20万フルールになる。

そこに一つ350フルールの『甘納芋』も加われば更に売り上げは上昇する。まぁ流石に限界までは作らないけど、宣伝がうまく行けば500個くらいは売れるだろう。

元手は0だからある意味ボロ儲けだね。では張り切って、行ってみようか。まずは中央広場からだ。


「じゃあ、スフィーダさん。お願いします。」


「分かりました。みんな行くわよ。」


「お~~!!」×5


僕のGOサインと共に元気よく出陣するスフィーダさんとガキども。お願いしますよ~、マジで。


「みんな、そろそろおやつにしましょうか。あそこのベンチにしましょう。」


「わ~い、やった~!」


「焼き芋だ~!!」


「お芋、お芋!」


「早くしようよ!」


「そうだよ!せっかくのお芋が冷めちゃうよ~。」


「よ~し、みんな席に着いたわね。じゃあ、頂きましょう。」


おッ!みんななかなか演技派だな。さりげなくお芋をアピールしつつ、周りの視線を集めている。


「こっちのお芋、しっとりしてて凄く甘い。」


「いや、そっちも甘いけど、こっちはもっと甘いよ。ほら、蜜とか出てるし。」


「本当だ!俺、こっちの甘い方が好きだな。」


「私も~。」


「みんなおこちゃまだな~。僕はこっちのしっとり食感が好きだな。」


「なんだと!そんな事言ってもう甘い方食べきってるじゃないか!」


そして焼き芋の味を宣伝。匂いも相まって近くにいる人達の目が釘付けだ。

しかも値段が高い『甘納芋』の方をよりアピール。これは結構掘り出し物だったかも。


「コラコラ、喧嘩しないの。」


「ねぇ、スフィーダ姉ちゃん。もう無くなっちゃったよ~。」


「また買ってよ~。」


「ごめんね。これ貰い物だから今は無いの。明日市場で売るみたいだからその時にね。」


「約束だからね!」


「分かったわよ。じゃあ今日はもう帰りましょうね。」


「は~い」×5


そして不自然じゃない範囲で印象を残しつつ、さっさとはける。なかなか鮮やかな手並みだ。

周りの人達がざわつき出したぞ。


「なんだ、あの子供達が食べていた焼き芋。すっげぇ~いい匂いなんだけど。」


「心なしか普通の芋より匂いが甘く感じなかったか。」


「湯気だけで美味いって分かる感じだったよな。どこで売ってるんだろう?」


よし、そろそろ頃合いだな。


「パフィさん、行くよ。」


「了解です。」


「お芋~お芋~。ただ今、明日市場で売りに出す新商品のお芋の試食会をしております。よかったらいかがですか?」


「市場の路地裏前の区画で販売しております。甘くて、ホカホカのとっても美味しい焼き芋ですよ。」


「おっ!マジか!俺、気になってたんだよな!」


「あんちゃん!俺にも一つくれよ。」


「私にも頂戴…すっごい!このお芋お菓子みたいに甘いわ!」


「どれどれ…本当だ…ってもう終わりか。クソ~、どこで買えるんだこれ!」


「はいは~い。まだまだ試食用のお芋はありますから。そこのお嬢ちゃんもどうぞ。」


「わぁ~い、ありがとう…もぐもぐ、美味しい!!」


「すみませ~ん。押さないでください。まだありますから。」


「スゲーな、蜜が垂れてるぞこれ。そこのクマのお嬢ちゃん。これどこで売ってるんだ?」


「はい、明日市場の路地裏前で売りに出す予定です。もし宜しければお立ち寄り下さい。」


よしよし、大盛況だな。そろそろお芋もきれるし、この辺で退散しますか。


「あっ!申し訳ありません。今のでお芋がきれてしまいました。

もしご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、明日限り、市場の路地裏前の屋台にて販売をしておりますので、どうぞお立ち寄り下さい。」


「そっか、絶対行くから、焼き芋たっぷり用意しておいてくれよ。」


「はい。ありがとうございます。それでは失礼します。」


よし、結果は上々、っと。さっさとスフィーダさん達と合流だな。


「皆さんお疲れ様でした。いい演技でしたよ。」


「そうですか。ありがとうございます。」


「おっ!兄ちゃんが素直に褒めたぞ。」


「クソガキ、僕はちゃんと仕事した人間は褒める主義なんだよ。今までテメェらの扱いが雑だったのはテメェらが働いてなかったからだ。」


「つまり、コンヨウさんはこの子達の仕事を認めたって事でいいんですか?」


「…まぁ、うん。おかげで試食会は大盛況だったからね。それじゃあ次に行こうか。」


「は~い。」×7


こうして僕らは同じような調子で残りの2ヶ所での宣伝も無事終わらせた。

なんかパフィさんが僕の方を見て終始ニヤニヤしていたのが気になるけど、明日の売り上げで何を買うのか、皮算用でもしているのかな。

まぁ僕も気持ちは分かるけど。どのくらい売れるか本当に楽しみだ。

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