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名も無き物語  作者: 赤藤男
7/10

第6話前編『マテリアルストーン』




前回までのあらすじ…的な何か。


この世界にやって来てからある程度時間が経ち、戦術学校での生活が徐々に板について来た。

(まあ、とは言っても色々とまだまだ分からない所が多かったですがwww)


ギルド協会の方で施設の事や他にも色々な事を聞いたり、色々な人達と出会いました。

(副長さんであったり、オペレーターさんであったり…後は、訳ありそうなお二人でしたっけwww)


そして、久しぶりに戦闘が無かった回でした。

(所謂、日常回というやつです。 誰が何と言おうと、はいwww)





 とある日の事。俺達4人は例の森のダンジョンへとやって来ていた。そう、この世界に来てから、例の男性が同行してくれた形で踏破した…というか、正式には通り抜けた判定だろアレはという感じで攻略したあの森のダンジョンである。

 まあ、やって来ていると言ってもまだ中に入っている訳では無く、まだ入り口の前で待機しているという形の方が表現としては正しかったりする状況ではあるが。


女主人公「何か、改め入るとなると緊張するねー。」

男主人公「まあ、確かに…ある意味では、それはそうかもしれない。」

女親友 「ダンジョンに入るのもそうだけど、

     まさかパーティを組んでダンジョンに行く事になるなんてね。」

転生神 「ですね~。

     …そういえば、どうしてこういう流れになったんでしたっけ?」


 各々、こういう反応をしている中、転生神の言葉が発せられた直後に魔法使いの彼女の目が点になった様な感じになる。まあ、当事者の俺達の視点からしたらそういう反応になるのは分からなくは無い。


女親友「え…えっと、確かー…。」


 そういう反応になりながらでも、彼女は今までの経緯を思い出しながら話し始めた。そういう訳でここからは今に至るまでの軽い回想という形になる…。




 ここに来る前、俺達は街の中を何気に歩いていた。普段通りに話したりしながら時間を潰していた感じだ。その道中で、街のとある店に人が集まっている光景が目に入った。そんなのを見たら、少しぐらいは何かあるのかと気になってしまうのは仕方が無いだろう。だから、俺達は流れる様にその集まりの後方から、その人達の視線の先の方を見ていた。

 すると、何やらその店には、球…というか宝珠みたいな球体が陳列されていたが見えた。


女主人公「あの球みたいなのって、何だっけ?」

女親友 「確か…マテリアルストーンじゃなかったかな。」

女主人公「へぇー、アレがそうなんだ。」


 マテリアルストーン…一体、何なのだろうか。俺は一瞬そう思ったが、ふとある事を思い出し「あっ。」…と思わず声が出ていた。どうやら、自分の中で心当たりがある様子だった。それもそのはず、マテリアルストーンと呼ばれているアイテムがある事は既に俺と転生神はこの世界に来てから知っているはずなのだから当然の事である。そう、あの時…あの森のダンジョンをとある男性に同行してもらう形で進んでボスと戦闘をした時、そのボスキャラが2人分のそれをドロップしていたはずだ。…つまり、俺と転生神はそれを持っている形のはずだ。

 まあ、そんな事よりも俺がふと声を出した事に対して、彼女が反応する。


女主人公「ん、どうかしたの?」

男主人公「あー、さっきのアイテムの名前を聞いてな。」


 俺はそのまま自分達が例の森のダンジョンを踏破した際にボスドロップで、それを獲得している事を彼女達に軽く話した。それを聞いていた転生神も「そういや、そんな事もありましたね~。」的な反応をしていた。ただ、この話をした後に想定していなかった事が新たに分かった。


女主人公「あー、そうなんだ。

     それなら、私達と一緒か。」


 ん…『私達と一緒』とは?


女主人公「私達も最初にそのダンジョンに入って、

     一番奥にいたボスを倒した時にアレと同じ様なのを…ね?」

女親友 「そういや、あの時もあのダンジョンのボスが落としたっけか。」


 このように、自分達の過去の記憶を彼女達は辿っている。


転生神「そうなんですね~、お互いにどんなのか見せてみませんか?」


 少し気になる事はあったが、彼女がそう言うと俺達は流れるかのように、カードからそれを取り出して互いに見せ合っていた。


男主人公「確かに…形状は全く同じ代物だな。」

女親友 「うん、間違いなく私達が持っているのはマテリアルストーンだね。」

女主人公「何だか見た事あるなぁ…って思ってたら、やっぱ持ってたのか。」

転生神 「そういえば、私のも含めて皆さんのも色の光がありませんねー?」


 転生神の言葉に俺達は顔を合わせる。そして、その後に改めて自分達が既に所有しているマテリアルストーンを見てみる。確かに、今目の前にある店で陳列されているマテリアルストーンと違って、俺達が今手の上に乗せているマテリアルストーンには色の光が無い。そこで、俺はとある事を思い出した。


男主人公「そういや、あの人が言っていたっけか。

     本来は光があるがその光を失っている感じだとか。」

転生神 「あー、そういえばそうでしたっけ。」


 多分だが、この転生神は本格的に覚えていない可能性があるが、彼女のキャラ的にもこの反応は何も不思議な事では無いので、そこは突かないでおこうか。


女親友 「でも、その話は正しいと思うよ?

     だって、実際に今店に出ているのは光があるし力も感じるし。」

女主人公「へー、そんなもんなの?」

女親友 「…逆に、そういう物じゃないのかな。」

女主人公「さ…さあ(苦笑)」


 なるほど、本来の状態であれば光も発していて、何かしら力も発している感じの代物みたいだな。だが、何故その機能が失われている状態でドロップしたのだろうか。俺や彼女達2人は元々はこの世界の存在では無い事もあって、そういう感じでドロップしたと説明されても納得は行くが、もう1人の彼女の場合だと元々この世界の住人な訳だから、その説明はつかないはずだ。そう、その説明で事を済ませる形になるとしたら、転生組の2人と移住してきた転生神の計3人のマテリアルストーンは効力を失っている状態でドロップして、元々この世界の住人である彼女のマテリアルストーンは効力を発揮してドロップされるはずでは無いのだろうか…と俺は思ってしまうが。

 そこまで、考えて俺はふともう1つあの男性が呟いていた事を思い出した。それは、『本来、あの敵からはコレが落ちる事は無い』的な事を言っていた事だ。その言葉をそのままの意味で捉えると、ある意味ではイレギュラーが発生している状態ではある。そうなるとすれば、あの敵からマテリアルストーンがドロップした事も、元々この世界にいた住人であれそうで無い住人であれ、同じ状態になったマテリアルストーンがドロップしてしまってもおかしくはない話ではある。


転生神 「どうしたんですか?」

男主人公「いや、そういや何で我々のマテリアルストーンは

     輝きとその効力を失っている形でドロップしたのかな…って。」

女主人公「言われてみたら不思議かも。」

転生神 「まあ、そういう時もあるんじゃないですかねぇ…(笑)」

女親友 「…そんな簡単な事なのかなー。」

魔法生物「しゅわしゅわ。」

女親友 「そうだよ…って?」

転生神 「まあ、そういう事だと思いますよ。」


 どうやら、この話はあまり深くまでやらない方が良さそうである。まさか、この世界の住人である彼女が一番話に興味を持つとは…流石に、転生神の誤魔化し笑いを見てこの話題は終わらせた方が良いのではないかと俺は悟った訳だ。

 そういう訳で話の路線を店の方にすり替える方向で行くとしよう。


男主人公「じゃあ、まあ…そういう事にしておいて。

     この店で並べられているマテリアルストーンってどんな効果が?」

女主人公「あ、それは私も気になるかも!!」

女親友 「あー、ここから話を聞いていたら分かるかもね。」

転生神 「ですね、大抵こういう状態だと店の方が話してくれるでしょう。」

魔法生物「しゅわ。」


 何だか、しれっとものすごいメタ発言を転生神はした気がするが、特にそこに誰も触れる事無く流れで物事が進んで行く感じとなっている。とりあえず、俺達は店主が話している内容に耳を傾ける事にした。


男性店主「さあさあ、寄ってらっしゃ見てらっしゃい!!

     今日はこれだけのマテリアルストーンが仕入れられたよ。

     効力は、メニューにある通り体力割合強化やら余力割合強化やら、

     攻撃力や防御力・行動力や補助能力それぞれ割合強化もあるぞー?

     現金は当然の事、ポイントでの購入も大歓迎だ、買って行きなー。」


 簡単な話、少なくとも今は、パラメータ値を割合で強化してくれる効力を持っているマテリアルストーンが店頭に並んでいるらしい。まあ、店主が今話している内容だけを聞いたらそうなのであって、他にも別の効果の物が並んでいたり、今後は別の効力の物が販売されたりするかもしれないが、それはまたその時の話だろう。ちなみに、今並んでいるマテリアルストーンの効力一覧は、店主が言っていた様にメニューに書かれているのだろうが、そのメニューがこの位置からは上手く見えないので分からない状態である。


女主人公「んー、なかなかメニューが上手く見えないねー。」

女親友 「まあ、結構人が集まっているから仕方ないね。」

男主人公「人が減ったら見に行くとしようか。」

転生神 「そうですねー。」


 俺達の中には、無理してでも中に割り込もうなどと考える存在はいないので、4人+1匹(?)だけではあるが全会一致でその位置で動向を見るという形に自然と意見がまとまった形である。だが、人が減るまで何もせずにそこに立ち続けているのはアレなので、雑談をする事になっていた。


男主人公「そういや、ポイントでも大丈夫みたいな事を言っていたな。」

女主人公「あー、確かに。」

女親友 「まあ、そこら辺を自由に選択出来るのは良い事じゃ無いかな。」

転生神 「まー、そうですね~。」

男主人公「ポイントって確かグローバル経験値から変換も出来たっけか。」

女主人公「そういや、そうだったね。」

転生神 「この間に用意しておきますー?」

女親友 「まー、それは商品見てからで良いじゃないかなぁー。」

魔法生物「しゅわ。」


 まあ、暗に無駄遣いするよりはそれの抑制が可能ならば抑制出来るに越した事は無いだろうな。今の彼女の言葉を聞いて俺達3人は物を見てから判断する事にした。


女主人公「そういやさ、何で私達の

     マテリアルストーンは効力失っているんだろ?」


 ここで、彼女が話題を自分達の持っているマテリアルストーンの方に戻した。少し、その話題は大丈夫だろうかと俺は思ったが問題は無さそうだとすぐに判断する事が出来る形で話は進んで行った。


転生神「もしかしたら、壊れているとかそういうのかもしれませんねぇー。」

女親友「あー、確かにマテリアルストーンも壊れる事はあるみたいだし。」


 流石というべきか自然な流れになる様に転生神が先ほどの話に戻らない様に話を繋げていた。それよりも、俺は今の会話を聞いて少し気になる事があった。


男主人公「壊れる事があるのか。」


 何気にそこそこ重要な事かもしれない…そんな気がしただけだが、俺は無意識にそう呟いていた。


女親友 「え? あー、でもひびが入って割れちゃうとか、

     割れたり砕けたりして使えなくなるというよりは、

     私達のマテリアルストーンの様に光を失っちゃう的なアレだけど?」

男主人公「あー、なるほど…なら壊れたからと言って、

     同じマテリアルストーンを捜す必要は無いかもしれない訳だ。」

女親友 「それはそうかもね。

     まあ、修理やらしてもらう時には相応の素材はいるよ?

     それこそ、市販されているマテリアルストーンが必要だったりも。」

女主人公「まあ、そんな簡単に直せたりはしないかー。」

女親友 「まあ、そりゃあね?」

転生神 「あー、それなら私達のマテリアルストーンを見てもらいますかね?」

女主人公「え、それはどういう…?」

男主人公「なるほど…この光が無いのが単なる故障だったら。」

女主人公「そっか、必要な素材を集めて修理とかしてもらったら直るかも!!」

女親友 「確かに、それは盲点だったかも。」

転生神 「まあ、今は人が多いですから、

     人が少なくなったら店員さんに聞いてみましょうか。」


 俺達は転生神の言葉に軽く頷く。そして、店の前にいる人が減っていくのを待つ事にした。そして、待つ事数十分後…。




転生神「そろそろ、大丈夫じゃないですかね~?」


 彼女が店の前にいる人がそこそこ減ったのを確認して語り掛けて来る。


男主人公「それじゃあ、少し聞いてみるか。」


 俺達は、4人揃って店のカウンターの方に向かって歩いて行く。仮に、マテリアルストーンが故障していようがいまいが、こういうのはマテリアルストーンを売っている所の人間じゃなく、鍛冶屋やらの装備品などの手入れをしている所に店に行くのが妥当かもしれないが、その様な考えは誰一人持っていなかったのだろう、何の迷いも無く歩み進んで店のカウンターの前までやって来た。


男性店主「らっしゃい、何かお求めかな?」

女親友 「あっ…えぇっと、何か買う訳じゃ…。」


 男性店主の問いかけに、たじたじで彼女はそう返していた。いやまあ、今の状況でそれを言われたら返し方に困るのは分かるが。


男性店主「では、他の用事かね?」

女親友 「…まあ、そんな感じで。」


 正直、向こう側から話を繋いでくれるのは助かるが、それでも彼女の状態は変わらない。それを見かねたというか何というか、彼女の頭の上に常駐している魔法生物が小さな片手を縦に動かして「しゅわ。」と、何かを彼女に伝えていた。


女親友 「え…あぁ、実はこれを見てもらいたくて。」


 魔法生物のそれを見て彼女は例の物を男性店主に見せた。そう、先ほどまで俺達の話に出て来ていた効力を失っている形のマテリアルストーンだ。


男性店主「なるほど、これは…。」


 彼女が見せたマテリアルストーンを見て、男性店主は一瞬で何かを見抜いたのか、店の奥にいた女性店主に店頭を任せて俺達を他の客の邪魔にならない位置に誘導すると、改めてこちら側に話しかけて来る。


男性店主「さて、話を戻すとしよう。

     これは、マテリアルストーンだな、それも効力を失った形のな。」

女親友 「えっ?」

女主人公「この人、それが分かってる…!?」

男性店主「あくまでも、マテリアルストーンを販売している身だ。

     そういう状態のマテリアルストーンがある事自体は聞いているよ。」

男主人公「なら、話は早いかもしれない。」

転生神 「はい、適任かもしれませんねぇ~。」

男性店主「何の事かね?」


 話がここまで進んだタイミングで男性店主がこちらにそう問いかけて来る。まあ、大体の予想は出来てはいそうだが。俺は自分の持っているマテリアルストーンを取り出して彼に見せて話を先に進める。


男主人公「実は、効力を失っている形の

     マテリアルストーンを持っているのは彼女だけではなくてですね。」


 俺がマテリアルストーンを見せたと少し後に、他の全員も同じ様に男性店主にそれぞれの持っているマテリアルストーンを見せた。そして、俺は話を続ける。


男主人公「ここにいる4人全員がそれぞれ持っている形でして。」

男性店主「なるほど…これは少しばかり驚いたよ。」

転生神 「まあ、まさか4つも一気に見せられるとは思いませんよねぇー。」


 確かに、それはごもっともな話ではある。俺はそう思いつつ、また話を先へと進める。


男主人公「それで、先ほどこういう状態のがある事を自体は聞いていると。」

男性店主「あぁ、聞いているとも。」

男主人公「それなら、もしかすると直し方やらを知っていたりもしますか?」


 一応、俺は駄目元でそう聞いてみた。こういう状態のマテリアルストーンがある事自体は知っている。だが、それでもどちらかと言えばマテリアルストーンを売っている側で作成や修理をしている側では無いかもしれない。少なくとも今の状況で俺が分かっているのは、前者のみで後者はどうなのか分からない。その為、この駄目元というのは普通の駄目元よりも圧倒的にそれの域はアレだが。

 俺の問いかけに少し間を空けた形にはなったが、男性店主がこう答えた。


男性店主「実際に直す事は出来ないが、直す方法は分かるがね。

     私は売る専門の人間だからな、知識はあっても修理までは…な。」


 やはり、そうだった。いやまあ、何も不思議な事では無い。


女主人公「でも、直す方法が分かっているなら、それだけでも大きいかも。」

女親友 「そうだね、後は私達でやれる事をやれば良いかもしれないし。」

転生神 「まあ、そうですね~!!」

魔法生物「しゅわ。」

男主人公「それでは、その直す方法を教えてもらえませんか?」


 俺の言葉を聞いて男性店主は記憶を絞り出すかの様な仕草をして、持っていた紙に何やら書いてそれを俺に渡してこう言った。


男性店主「街のこの場所に行きなさい…と言ってもそんなに遠く無いがね。」

男主人公「確かに。」

女主人公「何なら、この通りの中にあるよね…って。」

女親友 「まあ、この通りはそういうのが色々と揃っているからねぇ。」

転生神 「ま、それもあって便利なんですけどもねぇ~。」


 確かに、言われてみればこの通りには色々な店がやらが並んでいて便利な通りではある。まあ、フィールドから街への正面入り口があって、そのまま直線で進んで行けばギルド協会に辿り着く大通りである為、こういう形の便利な通りになっているのかもしれないが。


男性店主「とにかく、ここに行ってそのマテリアルストーンを見せると良い。」

男主人公「後は、そこの人の反応次第という事か。」

男性店主「まあ、そう言う事になる。

     すまないね、たらい回しみたいになるが。」

男主人公「いいえ、とんでも無い、助かりましたよ。」


 まあ、現実世界に生きていた頃は、このぐらいの域じゃ済まないレベルのたらい回しを何度も経験してきた身からしたら、これはむしろ普通に親切な域を出ないありがたい行為でしかない。本当に現実世界の方のたらい回しは、何故もっと簡略化やらがされないのかという風な印象を受けるモノの方が多かった印象があったりもする…例を挙げると本当にキリが無いのだが。


男性店主「そうかい、では私は戻るからな頑張るのだよ。」


 俺の言葉に対して、男性店主はそう言うと、元いたカウンターの位置へと戻って行った。


男主人公「さて、この場所に行くか。」


 俺達は、渡されたメモに書かれてある場所へと向かった…。




 メモに記載されている場所にやって来ると、やはりそこにも他の店と同じ様な形状の店か何かがあるのが目に見えて分かった。そして、そこのカウンターの中に人がいるのも確認出来た。…が、問題はここからだった。俺達はどういう風に話しかけたら良いか悩む形になる。自分から何か語り掛ける事は簡単な人からしたら簡単だが、その分だけそれが困難だったり簡単じゃ無かったりする人もいるのである。

 すると、そんな状態の俺達に気づいたらしく、向こう側からこちらへと語り掛けて来てくれた。


男性店主「うちに何か?」

男主人公「え…あぁ、その…

     マテリアルストーンを向こうの方で売っている人に、

     このマテリアルストーンを見せたらここに行けば良い…と。」

男性店主「なるほどな…。」


 俺の言葉はたじたじだったが、その言葉を聞いた男性は俺が話した事と、俺が喋りながら見せたマテリアルストーンを見てある程度の事を予想したみたいだった。彼はその反応に続けた形で話し出す。


男性店主「話とその見せているマテリアルストーンを

     照らし合わせると、ある程度の事の想定は出来た。

     その効力を失っているマテリアルストーンを直してほしい感じか?」

男主人公「えぇ、そんな所です。」

男性店主「やはり、そうだったか。

     では、とりあえず詳しく見せてもらいたいのだが?」

男主人公「あ、いや…実は私1人だけの話では無くてですねー…。」

男性店主「なるほど、差し詰め一緒にいる4人全員が同じ要件と言った所か。」

男主人公「えぇ、そんな感じです。」

男性店主「そうか、なら全員対象のマテリアルストーンを見せてくれないか?」


 ものすごく話が順調に進む。こちらの伝え方がというよりは、向こう側の想像力や察しが良すぎるという感じだろうか。とりあえず、俺達はそれぞれの効力を失っているマテリアルストーンを彼に手渡した。


男性店主「確かに、受け取った。

     原因を突き止める為に少しだけ待ってもらいたい。」

男主人公「分かりました。」


 彼がそう言うと、店の奥から女性店主が顔を出し、男性店主に手渡したマテリアルストーンを彼が並べた後に、彼と一緒にそれを見て何やら考えている様な感じであった。単にマテリアルストーンを見たり、何か書物やらを見たりしていた。時には、プロフィールカードを操作して何かをしているという様な仕草も見えた。


女主人公「何してるんだろ?」

女親友 「多分、さっき言っていた様に原因を調べているんじゃない?」

転生神 「まあ、それ以外には無いでしょうねー。」

男主人公「とりあえず、このまま待つとしようか。」


 先程、男性店主が少しだけ待ってもらいたいと言っていたのもあったので、俺達は店の前で待つ事にした。

 こういう風に話が都合よく進んで行くのは正直、疑念は持っておいた方が良いのだが、それはあくまでも現実世界での話、この世界ではそこら辺の心配は仕様上する必要が無い事が分かっているので、まあそのまま流れに任せて話を進めて行った訳だが。仮に、何かアイテムをそのまま取られたりなどがあった場合は、プロフィールカードでそれが簡単に特定される為、それをやった相手にペナルティが適応される形になるので、そもそもそんな事はやらない世界観の設定になっているので、ある意味ではそこは安心が出来はする。この世界に来てもう何日も経過しているがその間にプロフィールカードの規約を見たり、転生神からそこら辺の仕様をまた少し聞いていたりして知っているので尚更である。

 そして、店頭で待つ事数分後…。




男性店主「待たせたな、それぞれのマテリアルストーンの原因が分かった。」

男主人公「本当ですか?」

女性店主「えぇ、そうは言っても全て同じ事が理由だった訳だけど。」

女主人公「同じ事…?」

女性店主「これらのマテリアルストーンの効力を

     発揮させる為に必要な素材の力が入って無い訳。」

女親友 「あ…原料が無かったって事かな?」

男性店主「大雑把に言えば、その解釈でも問題無い。

     まあ、後はマテリアルストーン自体の修理の必要もあるが。」

転生神 「なるほど~。」


 つまり、その原料となるモノが必要であり、且つ修理してもらうという所まで行かないと実際に効力を発揮させる事すら出来ないという訳だ。これは、単純に直してもらうという事は修理してもらうだけの話では無さそうだ。


男主人公「…なるほど、その原料というのは何です?」

女性店主「原料ねぇ…普通ならマテリアルストーンの効力毎に

     それの内容もある程度決まっているのだけど、それの解明がねぇ。」

女主人公「え…それじゃあ、私達のマテリアルストーンに

     必要な現状が分からないって事だから、修理も出来ないんじゃ…?」

男性店主「あぁ、だからマテリアルストーンにの原料として

     使われているアイテムの一式を必要個数持って来てほしい。」

女主人公「うぇ…!?

     それって、相当の数なんじゃ?」

女性店主「数の詳細を言えば、各属性エレメントの

     力が籠った石が人数分必要になるという感じかと。」

女親友 「えっと…エレメント属性は8つで、

     各属性エレメントだから、無属性も含むだから9種類だから。」

転生神 「それを4人分ですから、合計36個ですかねぇー。」

男主人公「それ、相当の数になるのでは…?」


 先程、転生神と親友の少女が言っていた様に、無属性とエレメント系統に含まれている8属性を合計して4人分となると、合計は36個のアイテムが必要となる。ちなみに、非エレメント系統の属性である無属性以外のエレメント系統の中に分類されている属性は、炎属性・氷属性・雷属性・水属性・風属性・土属性・光属性・闇属性の8種類がある。


男性店主「そうだな、そこそこの個数になるだろう。」

女主人公「そんなの、すぐに集まるのー!?」

女親友 「その素材の内容によっては、大変な事になりそう…。」

転生神 「まあまあ、そこら辺はなる様になると思いますよ~?」

男主人公「本当にそうなら良いのだが…。」

女性店主「とりあえず、私達から言える事は必要素材の詳細内容ぐらいね。

     さっき言った通り、各属性の力が籠った石…というやつですね。」

男性店主「後、言えるのはギルド協会に行けば素材集めは楽になるかもな。」

男主人公「あー、なるほど。」


 確かに、ギルド協会に行けばクエストが出ていたり、何かしら相談した内容にあったクエストを捜してくれたり、そういう事などもサポートしてもらえるかもしれない。


女主人公「よし、それじゃあギルド協会に行ってみようか。」

女親友 「えっ…マテリアルストーンはどうするの?」

男性店主「これは返しておく、所有者はこちら側では無いからな。」

女性店主「ま、ギルド協会に事情を話す時にもあった方が良いでしょうしね。」

転生神 「それはそうですねぇ~!!」

男主人公「では、素材が揃ったらまたここに来ますので。」

男性店主「まあ、頑張っておくれ。」

女性店主「無理はしない程度にね。」


 俺達は一旦預けていたマテリアルストーンを受け取ると、その様な言葉を掛けてもらった後にその場を後にし、そのままギルド協会へと向かい先程の話をオペレーターに話すと、とある1つのクエストを彼女が発行してくれたのであった。

 そして、話は今に至るという訳である…。




女主人公  「それにしても、今の状況にピッタリな

       クエストを発行してくれるなんてねー。」

女親友   「状況に合い過ぎているから、

       今でも『本当?』…って感じだけどね。」

オペレーター「そ、そんな事を言われましても…

       必死に条件をかき集めて見つけたんですよ?」

男主人公  「あー、それに関しては本当にお疲れ様でしたとしか。」

転生神   「まあまあ、良いじゃないですか

       今の状況にピッタリなんですから。」


 俺達は既に例の森のダンジョンの中に入ってそこそこ先まで進んでいた。道中にランダムエンカウントの形で何度かモンスターに挑まれた事もあったが、今の様にオペレーターがいる事もあり、俺以外の他のメンバーのスペックが凄い事もあり、とりあえず何事も無く奥地に向かって進めている感じだった。


オペレーター「それにしても、意外でしたね。

       お二人が他の方々のパーティを組むなんて。」

女主人公  「え? あー、言われてみればそうかも?」

女親友   「基本的にあなたは1人で行っちゃうし、

       私自身はそもそも街から出る事自体がなぁ…。」

女主人公  「あー、帰って来れなくなる可能性がありそうだもんねー。」

女親友   「そんな事無いもん!! あの時だって近場までは来られたから!!」

魔法生物  「しゅーわわわわわぁー…。」

女親友   「その道中で出会っただけだからぁ…。」

女主人公  「ははは…そういや、そうだったっけか。」


 彼女達のそんな話が聞こえて来てしまうが、おそらく俺達がこの世界に来るより前の話だろうか。少なくとも、来てからその様な事があったのは聞いた事が無いが、まあ聞いた事が無いだけかもしれないが黙っておくとしようか。


転生神   「まあまあ、それにしても私も意外だと思ってましたよ~?」

女主人公  「え、何が?」

転生神   「お二人が私達とパーティを組んでくれた事です。」

女親友   「あー、そういやその話が元だったっけ。」

男主人公  「確か、そうだった気が。」

女親友   「せ、正式にメインパーティとして組んだ訳じゃないよ?

       今回は、やる事も行先も全員が同じだったから…だから。」

女主人公  「まあ、それなら組んで行った方が良いよね…って。」

転生神   「なるほどー。」

男主人公  「まあ、分からなくはないか。」


 確かに、状況が同じで可能な状態であるなら、こういった場合はパーティを一時的に組んで行った方が良いのは事実だろう。実際に、組まずに2人ずつで分かれて来て来たらと考えると…こちらは転生神に任せっぱなしになりそうだ。だが、彼女達2人は特にそれでも何も影響が無さそうかもしれない。強いて言えば、今モニター越しに同行してくれているオペレーターをどちらかは指名出来なかった事ぐらいか。

 ちなみに、今回はオペレーターがモニター状態で同行してくれているが、これはギルド協会でクエストを発行してもらった際に、そこら辺も選択できたのでどうせなら一緒にモニターで支援してもらう事にした為、こうなっているという状況な訳だが、これはこれでその選択は正解だったと思っている。事実、話しながら進んでいたものだから何度不意打ちでバトルになりかけたか…その度にオペレーターがアナウンスしてくれた事によって、それを回避出来ていた場面も多かっただろうという認識のあるエンカウント状態もあったぐらいだ。

 なお、このオペレーター…俺達の会話や反応を見つつ、時折笑みを浮かべていたりするという何だかこのパーティを見て担当して楽しそうに見えるのは気のせいだろうか。


オペレーター「さて、そろそろ開けた場所に出そうですね。」

女主人公  「おぉ? じゃあ、遂に今回のクエストでの最深部かな?」

女親友   「いや…流石に中間とかそこら辺じゃないかな。」

オペレーター「えぇ、後者の方ですね。

       丁度、その開けた場所が中間辺りになりますね。」

転生神   「それじゃあ、まだまだ時間が掛かりそうですねぇー。」

男主人公  「まあ、そうなるだろうな。」


 こんな話をしつつ、俺達は徐々にオペレーターが言っている開けた場所に近づいて行く。その時、ふと俺には前方の開けたエリア方面から何かが聞こえてきた気がした。


男主人公「…何か聞こえないか?」

他全員 「えっ…?」


 俺は自分の言葉と共に、他の全員は俺の言葉を聞いてその場で立ち止まる。そして、さっきまで話しまくって歩いていたのが嘘かの様に静かに俺が指をさしている方向に耳を傾ける。そして、ゆっくりと近場にあった草むらに身を潜めつつ、そのエリアへと近づいて行く。そして、ようやくそのエリアが視界に入って来た。それと同時にその聞こえた何かの正体が目に入って来た。


男主人公「…何だありゃ?」


 俺達が草むらから目にしたのは、魔物というか機械…というかそんな感じの存在である。しかも、それが3匹…というか3体いる状態だ。彼らなのか彼女らなのかは、その3体で何やら会話をしている様だった。


???「…なるほど、確かにそれはありそうでんなー。」

???「…となると、先程の幾つかの事もありそうではないかね?」

???「…うむ、それも言えておろうなー。」


 何だ、この独読な口調の喋り方は。まるで、街の中に無数いる(正式に何体いるのかは誰も知らないらしいが)様々のタイプのAI達と同じじゃないか…と、そんな印象を受ける会話の仕方の存在だった。

 俺はとにかく、その存在が魔物なのか機械なのか数え方の単位はどうなのか、色々と疑問にしか思えなかった。唯一分かったのは、性別は中性というかAI達と同じ様な感じなのだろうという事ぐらいだろうか。…果たして、彼らにも性別があるのか否かは別として。

 だが、俺を除く他のメンバー全員はあの存在の事を知っている様だった。つまり、こうなる訳だ。


女主人公「あー!! あれはー!!」

女親友 「あっ…。」


 おいおい、幾ら草むらに隠れながら見ているとは言え、そこまで声を出したら。


???「むっ…何か聞こえなかったかね?」

???「聞こえたな…あちら側からだ。」

???「だが、何の姿も見えんなぁ?」


 そら、こっち側に興味を向けられるオチになるのは事実である。


???「肉眼で姿が捉えられないなら仕方が無い。」

???「うむ、我々は魔物であり機械でもある。」

???「故に、やり様はそれなりの内容もある。」


 …肉眼? 今、機械であると本人達も言っていたはずだ。いや、でも魔物でもある的な事も言っていたから本当にあるのかもしれないのか。いやいや、見た目通り視野の役割を果たしているのは真ん中で表現豊かに目と口の形を絵文字みたいな感じでデジタルで表示している部分が視界だろうから、肉眼では無く電子眼じゃないだろうか…いや、その表現もアレか。

 とりあえず、俺は彼らのその会話を聞いて困惑している。そんな状態ではあるが向こう側はお構いなし。話がどんどん先へと進んで行く。


??? 「隠れていても無駄だ…!!」

??? 「機械を舐めるで無いよ…!!」

??? 「おらぁ、スキャンで見つけたらぁ…!!」

男主人公「あっ…。」


 次の瞬間、彼らのその表現豊かなモニターに『スキャン』の文字が表示され、辺りのスキャン行動が開始された。当然だが、それによって俺達が草むらに隠れている事も隠れている位置も人数も一瞬で完璧に把握されてしまった。


???「そこかぁー!!」

???「おーら、隠れてないで出てこいやぁー!!」

???「所在は既にバレとるんじゃー!!」


 これはもう、言葉通りこのまま隠れていても仕方ないので俺達は草むらから出て、彼らの前に姿を現す事にした。すると、予想外の反応が返って来た。


???「…って、本当に出てきよったぞ!?」

???「うむ…少しもその場に隠れ続けようという意志を微塵も感じぬな。」

???「これは想定外か?」


 いや、その反応をされている事自体がこちらからしたら想定外なのだが。そんな風に思っている俺の事はさておき、彼らはこちら側の何かに気づいた様だった。


???「…って、あー!! お主らは!?」

???「あぁ、覚えておるとも…あの時の小娘2人では無いか。」


 そういう反応されたら彼女はこう返すだろうな。


女主人公「あー!!

     そういうあなた達は…!!

     えっと…誰だったっけか…?」

女親友 「なぁんで忘れてるのに、覚えてる様な反応してるのー!?」


 ああ、そっち系の反応になるのか。俺はそう思いながら黙ってこの事の成り行きを見ておく事に徹している。それにしても、今の彼女のツッコミは必至であり必死であった。ただ、ツッコミを入れるのはこの場合は彼女だけでは無いのはまた事実だ。


??? 「何ですとぉー!?」

??? 「お主、ワテ等を忘れたと申すかぁー!?」

女主人公「いや、だってすぐに出て来なかったし…。」

女親友 「いや…多分だけど、今も思い出せて無いよね?」

女主人公「うん、正解!!」

??? 「ぐぇぇぇぇぇ!?」

??? 「何たる事ったい!?」


 これは、もう俺はギャグを見せられている様でしかいれないのだが、その感覚になるのは間違いなのだろうか。横にいる転生神もモニターで見ているオペレーターも満面の笑みでこの光景を見ているのだが。

 だが、そんな感じで不安になっていた俺だが、その感覚はすぐに飛ぶことになった。そう、途中から1体だけが何も反応せずに会話を胴体を向きだけ変えて追っている。その1体がこの空気の中、勇気のある言葉を発する。


???「あのー…ワテは彼女らの事、知らんのだが…?」


 この言葉によって、一瞬にしてこのギャグの空気が止まり普通の雰囲気に戻ったのである。正直、俺からしたらこれはこれで助かった訳だが。

 とりあえず、今の1体の機械に対して他の2体の機械が説明を開始する。


??? 「そういや、お主がまだいない時に遭遇した人間だったよなー。」

??? 「まあ、簡単な話…ワテ等2人だけの時に勝負した事があるんよ。」

女親友 「そういや、あの時は2体だけだったっけか。」

魔法生物「しゅわ。」

女主人公「あー、そういえばそうだったねぇー。」


 どうやら、このタイミングで彼女も彼らの事を思い出したようだった。機械達による軽い説明は続く。


???「…でな、こうであってな、それでな?」

???「ほうほう…。」

???「…んであって、こうであったという訳よ。」

???「…なるほど。」


 明らかにそれで伝わっているのかというツッコミが入りそうな伝え方だが、反応的に伝わっているのだろう…そんな感じがする。

 そして、その反応の直後に答え合わせが行われる。


???「つまり、あの小娘2人はお主らにとっての因縁の相手という訳だな?」

???「イエース!!」

???「イグザクトリー!!」

女親友「あの会話の仕方で伝わったんだ…。」


 彼らの反応を見て彼女はボソッと、そうツッコミを入れていた。まあ、その気持ちは分からなくはない。

 とにかく、ここまで話が進んだ事により、ようやく話が先へと進む形となる。


???「…という訳で、だ!!」

???「うむ…ここで会ったが1と0が幾つか数えきれないぐらいよ!!」

???「だな、お前達に勝負を挑むとしようかねぇー!!」

女親友「えぇ!? 何でそうなるの!?

    しかも、最後に出会ってから絶対にそんなに時間経って無いからぁ!!」


 彼女の前半の言葉は俺が思っている言葉そのままだった。後半の内容に関しては、俺には分からないのでアレだが分かるのは、この少女とにかく必死にツッコんでいる。


女主人公「まあまあ、あなた達がその気なら受けて立つよー?」

女親友 「えぇ!? ちょっとぉー!?」


 どうやら、彼女はやる気満々の様である。そして、これでこちらの選択権は無く、確実に俺と転生神もバトルに参加する事が確定する。まあ、転生神の表情的にもまんざらでも無さそうではあるが、まあこうなったのであれば仕方が無いと思うしかないのだろう。


男主人公「あー、これは仕方が無い避けられない戦闘ってやつかなー。」

転生神 「そうですね、所謂イベント戦闘というやつです~!!」


 うん、やっぱり、まんざらでも無かったらしい。そして、イベント戦闘とかメタメタしい事を言っているけど、それは同時に逃走が許されない戦闘であるという事が今この瞬間に知らされた事になった訳でもあった。


???「ふははははは、何をこそこそと話し合っておるのかねー?」

???「こちとら、いつからでも始められる状態であるぞー?」

???「そういう訳だ…シャキーンってなぁー!!」


 最後の言葉の後、機械達は一斉に武装を展開した。今まで格納していたのだろうか、腕部パーツが出て来た。そして、どこからとも無く出て来た武器を装備したのであった。そうは言っても、剣や杖やらが召喚されてそれを自身の装甲に装着したみたいな感じだが。なお、脚部パーツは出て来ていない。理由は彼らは全員が空中に浮いているからという簡単なモノであった。

 そういえば、言い忘れていたが、この3体の機械はそれぞれ見た目というか形状が異なっていて、○型のボティ・□型のボティ・△型のボディという様にメインの部分の形がそれぞれ違う。なお、展開されている腕部の構成やらは同じなのでメイン部分の形状が異なる以外の他の部分の構造はもしかしたら同じなのかもしれない。

 ちなみに、顔文字的な感じで表情を表示したりしていたモニターみたいなモノはそのメインの部分に存在している。おそらく、彼らの構造は他にも色々とあるのだろうが、現状見ただけではそれぐらいしか分からない。


女親友   「うへぇ、完全にやる気モードになってるぅー!!」

転生神   「そりゃまあ、流れ的にそうでしょうねぇ~。」

女親友   「なーんで、楽しそうにしてるのかなぁ…?」

男主人公  「それはまあ、うん…。

       それよりも、あの相手の情報とかは?」

オペレーター「接触した時からデータベースで検索しているんですが…。」


 とりあえず、戦闘を避けられる事はもう確実に無理だと確定した。そして、彼女の指摘通り転生神は平常運転。それよりも、オペレーターの言葉を聞いている感じだと、何だかこの後の展開がそこそこ予想出来る様な気がするが。


オペレーター「該当する魔物のデータが無いんですよねー…。」

男主人公  「あー…なるほど。」

転生神   「まあ、そんな事もありますよねー。」

女主人公  「えぇ!? じゃあ、あなたは分からないの!?」

女親友   「いや、私は辞書やライブラリじゃないから。

       うーん、でも前に戦った時は確か…

       自分達から『マシーンデュオ』って言っていた様な?」

オペレーター「そうですよね、だから同じ名称で調べたんですが、

       3体が1組になっている状態での情報が出なくてですね…。」


 まあ、あの機械達の会話を聞いているだけでも、彼女達が今までにあの機械達と出会った事があるのはよく分かる。その時に、自分達からそう名乗っているならそれが正解なはずだが、では何故オペレーターが検索している条件でデータベースが表示されないのか…そこが不思議な訳だが。

 そこに対してそう思っていると、その答えが本人達の口から語られた。


??? 「惜しいな、魔法使いの小娘よ。」

??? 「確かに以前の我々の種族名は『マシーンデュオ』よ。」

??? 「だが、その時はワテがいない状態であり、

     頭数が今の状態のー1だったはずだろう?」

女親友 「あー、そうだったねー。」

??? 「今の我々は頭数が3…つまりはそう言う事よ。」

女主人公「…え、どういう事?」

??? 「頭数が増えた事によって我々の種族名が変化したという事よ。」

??? 「そして、そうなってから初めて遭遇した人間はお前達だ。」


 あ、なるほどオペレーターがデータベースで調べても情報が出て来ない理由が分かった気がする。いや、それよりも俺はすごく気になる事がある。それを転生神にこっそりと聞いてみる事にする。


男主人公「…この世界には大抵のモノに名前が無いはずだが?」

転生神 「さっき本人達が言っていた様にアレは種族名ですから。」

男主人公「あー、固有名称では無いという認識になっているのか。」

転生神 「はい、ご都合主義の1つですねぇ~。」


 メタメタしい発言は置いておいて、まあ確かに彼らの種族名などの例外措置を加えておかないと、他の今までにあった人物達も呼びようやらが無いだろうから仕方ない部分はあるのだろう。

 後方でそんな話をしている間にも目の前での会話は先へと進んで行く。


オペレーター「どうやら、種族名が変化した事によって、

       彼らの言う様に初遭遇の魔物の状態みたいですね。」

女親友   「そりゃ、データベースに情報なんて無いよね。」

女主人公  「じゃあ、相手の情報が分からないって事になるのかー。」

???   「まあ、そうガッカリする事は無い。」

???   「嬉しい事を1つ教えてしんぜよう。」

???   「うむ、我々の新たな種族名を教えようではないか。」

女親友   「いや、教えてほしいとは言って無いんだけど…?」

???   「では、行くぞ。」

???   「聞き逃さぬようにしっかりと聞いておくが良い。」

???   「データベースの方にもちゃんと登録しておく事だな。」

女親友   「あ、これは最後まで勝手に行っちゃうやつだ。」


 そういう事で、彼らが自分達の口(あるのかは別として)から自分達の種族名を教えてくれるらしい。


???一同「我々の種族名は…『マシーントリオ』!!

      しっかり、データベースと頭の中に記録し覚えておくが良い!!」

こちら一同「はい、分かりましたー。」

魔法生物 「しゅわ。」


 そういう訳で、彼らが3体構成になってからの種族名は『マシーントリオ』という種族名になっていた様である。さて、これで彼らの種族名問題も解決したという訳だ。その先にあるモノとは当然…。


マシーントリオΘ「そういう訳だ、我々の種族名は伝えたぁー!!」

マシーントリオβ「それによって戦闘開始を邪魔する障害はなぁーい!!」

マシーントリオα「つまり、ここからは戦闘に集中できる訳よぉー!!」


 まあ、ある意味ではその種族名不明問題は深刻だった可能性はあるから一概にそこまでとも言えないのが事実なので、こちら側は特に何もツッコめない。魔法使いの彼女がツッコミを入れていない辺りがそれを表している。


マシーントリオ一同「さあ、掛かって来るが良い!!」

女主人公     「よっしゃあー!!」

マシーントリオ一同「ん?」


 マシーントリオ達の言葉の直後に彼女が速攻で攻撃を仕掛ける。いや、待ってくれ…そして、待ってやってくれ。思い出してみれば確かに咄嗟にこちらは武器は構えていたし、向こうも既に武装展開もしている訳だが、彼女のこの仕掛け方だと、ターンか自分への行動が回るより前…というか戦闘が正式に開始されたタイミングで攻撃行動に入っている事になるのだが。…っていうか、向こう側もその行動を見て少し戸惑っている様に見えるのだが。


マシーントリオ一同「危ねぇー!?」

女主人公     「あーあ、避けられちゃったかぁー。」

マシーントリオΘ 「あーあ…じゃねぇーんだよ!!」

マシーントリオβ 「お主…イベント戦闘で、

          まさかの先制攻撃を噛まして来るとか正気か!?」

マシーントリオα 「行動順番というモノがあるのを知らんのかね!?」


 まあ、そう言われるのは分からなくは無い光景が実際にあった訳であって、正直納得出来る部分もあるのがまた事実。とりあえず、マシーントリオ達は彼女の攻撃をかわしていた。


女主人公「えー? そんな事言われても多分、私が一番早いと思うけど?」

転生神 「確かに、私達のパーティの中では最速ですしねー。」

女親友 「まあ、後は向こうの全員よりも早いかという話だけど…。」

男主人公「あー、まあ、確かに、そうだよなぁー。」


 彼女達が言っている事も何も間違ってはいない。だが、向こう側の言い分も非常に納得が出来ているのもあるので、俺からしたらどう反応したら良いのか困惑をする場面なのである。


マシーントリオΘ「いや…そもそも論から戦闘開始した瞬間だった様な?」

マシーントリオβ「それ、早さ関係なく無いかねー?」

マシーントリオα「明らかに先制攻撃判定のはずだが…?」


 つまり、ゲームで言うと戦闘開始時に発生しているイベント内で攻撃を仕掛けたという事になるのだろうか。少なくとも、俺でも分かる事だが明らかに戦闘コマンドを選択可能になるよりも圧倒的に早いタイミングで仕掛けていたのは事実なので、そんな感じになるのだろう。


マシーントリオΘ「じゃが…正直な話、今のが無かったらな。」

マシーントリオβ「こっちが反射的に先に動いていたかもな。」

マシーントリオα「今回は向こう側がそれの対象だったと済ませるかね。」


 何だか、向こうは向こうで色々と納得している様な気がする。なら、俺も特に何も気にしなくて良さそうかもしれない。…っていうか、この会話は状況次第ではイベント会話的な状態の最中に攻撃を仕掛けられたりなどの形の不意打ち展開が発生する可能性がある事を軽く告げられている様な事だと思うのだが。


マシーントリオα「まあ、良いわ…とりあえず、掛かって来るが良い。」


 どうやら、吹っ切れたらしい。そういう訳で、ここからようやく正式な形で彼らとの戦闘が始まる事になる訳だ。まあ、そうは言っても特に作戦やらを組んだりする必要は無い…というか、こちら側は全員が自由に動くだけというアレである。


女主人公「そんじゃあ、遠慮なく!!」


 先程のやり取りでも分かる様に、こちら側のパーティ内で最速は彼女なので、基本的に彼女が仕掛ける形になる。彼女はこちら側で最速なのと物理攻撃力が高いので、こちら側のパーティでは物理の火力ソースとなる。


マシーントリオβ「甘いわぁー!!」

女主人公    「嘘、固ぁー!?」

マシーントリオβ「吹っ飛ばしてくれるわー!!」

女主人公    「うわっと、危ない…!!」


 彼女の斬撃攻撃がマシーントリオβの方に受け止められた。…というよりは、命中こそはしているけども、あまりダメージが通っていない感じらしい。そして、攻撃の後に隙は生まれるので彼女の攻撃が終わった後に攻撃を仕掛けて来るが、それはひょいっと回避されていた。


女主人公    「うぅー、攻撃がそんなに通らなかったよー。」

女親友     「あれ? 前の時も同じ事があった様な?

         あの時も□型の相手にはあなたの攻撃はあまり…ね?」

女主人公    「あー、すっかり忘れてた。」

マシーントリオβ「フハハハハハ、ワテが物理防御が高く、

         そして物理攻撃には強い事を覚えておくべきだったな!!」

女主人公    「だったら、こっちは魔法攻撃が強い子がいるから…!!」

女親友     「え…それって、私に攻撃をしろって事?」


 まあ、そういう流れになるわな。ただ、相手側も簡単にそんな事はさせてくれない様で、マシーントリオβの攻撃が始まる様だ。


マシーントリオβ「ふん、そう簡単にやらせんよ。

         食らえーい、このワテの弾丸鉄拳をー!!」


 次の瞬間、マシーントリオβの左手が握りしめられた状態でこちらへと射出されて来た。彼女達は咄嗟に回避に成功する。俺もそれが見えていたので回避は成功した。なお、転生神に至ってはひょいっと軽く回避していた。…何だろう、このレベルの差を感じるアレは。


女主人公    「あー、危なかったぁー。」

女親友     「あれ、物理判定になる射撃攻撃だから、

         私が当たっていたらヤバかっただろうなぁ…。」

マシーントリオβ「うーむ、惜しいな話に夢中で避けられんと思っていたが。」

マシーントリオα「そこは前と同じで、咄嗟に避けよる流石だわ。」


 一応、彼らは彼女らの事は認めている部分はあるのだろうという事が分かる発言だなと俺は思う。だが、そんな事よりも別の問題が生じているみたいだが。


マシーントリオΘ「…して、βよ。

         今さっき射出したお主の左手はどうするのかね?」

マシーントリオβ「あー、今帰還命令を出しておるが…。」

マシーントリオα「…が?」

マシーントリオβ「どうやら、遠くに射出し過ぎた様だのう。

         戻って来るまでに相当時間が掛かりそうだわ。」

マシーントリオΘ「…あー。」


 どうやら、先ほどの攻撃で飛ばして来た左手がすぐには戻って来ない状態になっているらしい。…一体どれだけの勢いで射出して来た事やら。


転生神 「ということは、少しぐらいは攻撃が緩くなるのでは?」

女主人公「だったら、この隙にアレから先に…!!」

女親友 「まあ、私が魔法撃つんだけどね?」


 この機を逃さすに攻撃を仕掛けるのはタイミング的にもそうなるだろう。だが、彼からしたら問題は無さそうだった。


マシーントリオβ「ふん、舐めてもらっては困るなぁ?

         ワテは機械ぞ? こういう芸当も出来るもんよ。」


 すると、まだ手のパーツが戻って来ていない為、その部分が空いている訳だが、そこに魔力が集まって行きその魔力によってさっきまであったのと同じ形状の手が形成された。


女主人公「うえええええ!? 魔力で手を!?」

転生神 「まあ、疑似的なアレですよ?」

男主人公「いや、でもそれでもあの形状を維持するのって大変なんじゃ…?」

女親友 「慣れていたりしたら問題は無いかもね。」


 そして、向こうはそれが慣れているのだろう。全く、本人の出力も落ちたり魔力で形成された手の形状もぶれたりしていない。


マシーントリオβ「とりあえず、これで手が戻って来るまでは安泰よ。」

マシーントリオα「なるほど、まさにこの手があったか…手だけにな。」

マシーントリオΘ「うむ、良い冷却機能が効いたわい。(扇ぎ中~)」


 まあ、言っている言葉の意味はそういう事だ。それによって、こちら側に多少の冷気が走りそれで体力が削られた訳だが。


女主人公「うぅ、何だか瞬間的に寒気ががが…。」

女親友 「だって、向こうがダジャレ言ったから…。」

男主人公「…やっぱり、そうだった訳か。」

転生神 「まあ、誰も凍結状態になっていないだけ幸運ですよ~。」

魔法生物「しゅわ。」


 どちらかと言えば今のは向こうからの攻撃というよりは、単純な話の流れでそうなったアレだが、それでも体力に影響出たり状態異常に掛かる可能性もあるという事だ。これはこれで、その状況次第では相当厄介になるかもしれない。


マシーントリオβ「ほうら、隙だらけよー!!」


 俺達が状態異常に掛からなかった事で安堵していると、マシーントリオβが魔法で形成した拳を握りしめて、その形のままこちらへと飛ばして来た。今度のは実物では無いその形を模した魔法弾ではある違いがあるが攻撃という事には変わりは無い。


女主人公    「うわ、危な!?」

マシーントリオβ「ほーれ、逃がすかねー!!」

マシーントリオΘ「追撃追撃ぃ~!!」


 彼女達が攻撃を避けた先にマシーントリオβが同じ攻撃をマシーントリオΘがいつの間にか装甲に装着されていた杖を装備して魔法弾を連続で放ち、その密度を上げて行く。流石に、単体攻撃の攻撃とは言え弾幕の様に放ち続けられていると厳しいのは事実である。俺は攻撃を避けるか防ぐかで手一杯で、当然だが体力も削られてはいる。なお、転生神は涼し気に例のフィールドを展開して攻撃を完全にシャットアウト状態だ。…こっちと逃げ回っていて無被弾の彼女達にも展開をしてくれと思うが、まあでも隙を作ると危ないか。


マシーントリオβ「ほーれ、逃げろ逃げろー!!」

マシーントリオΘ「しっかし、必死であるな全く当たる気配が無いわ。」


 まあ、そりゃ必至だろう。攻撃を回避できなかったら、俺みたいに防御をしてじりじりと体力を削られて行く事になる訳だからな。


女親友 「ひぃぃぃぃぃ、こっち狙わないでよー!!」

女主人公「ハハハ…それは無理な話もしれないけど…。」

女親友 「っていうか、こっちに逃げて来ないでぇぇぇー!!」


 しかしまあ、本当によくあれだけの数の魔法弾を無被弾で逃げ続けられているなぁ…って。確実に、ギャグものでよく見る後ろから追いかけられていて、それから必死に逃げている感じなアレだが。まあ、その追いかけて来る様に放たれているのは攻撃な訳だが。


オペレーター「お二人共、どちらでも良いですから、

       早く彼女達を助けてあげて下さいー!!」

男主人公  「いや、防御を解除出来るタイミングが無いんですがそれは…。」

転生神   「そうですねぇー、少しでも隙を見せたら直撃コースですし。」

オペレーター「ああー、じゃあ…お二人共、

       チャンスが来るまで必死に逃げて下さいー!!」

女主人公  「まあ、そうなるよねぇー(笑)」

女親友   「っていうか、もう既に必死に逃げ回ってるんだよぉー!!」


 どうにか出来ない物だろうか。現時点でこの攻撃に対しての有効打を打てているのは、俺と同じ様に行動のタイミングを伺っている転生神と、彼女の頭の上に乗っている魔法生物が至近距離まで来ている魔法弾を両手で弾き飛ばしたりかき消したり、おそらく魔法なのだろうか(見た目は完全に射撃)手からビーム状の何かを出して、魔法弾が近寄るまえに相殺…というか完全に圧倒している形で魔法弾を消滅させて放たれている数を減らしている感じだ。ただ、この魔法生物でもさばき切れていない数の魔法弾が常時飛んできているというのは相当にヤバい状態である。


女主人公「っていうかさ、何だか相手側の手数が多すぎない!?」

女親友 「え? 確かに、そんな気はするけど。」


 彼女達が必死に逃げ回りながらその様な会話をしているのが聞こえて来た。確かに、攻撃と攻撃の間にあまり隙もラグも無いのは見ていてそんな気はする。まさか、向こう側には何かそれに関する事があるのではないかと、思っているとそれが聞こえていたのだろう彼らの方から種を明かしてくれた。


マシーントリオβ「よくぞ気づいたな、我々は全員が完全2回行動なのだよ。」

マシーントリオΘ「故に、連続して行動する事が可能であるという事だ。」

マシーントリオα「そして、それぞれがタイミングを計って行動すれば、

         多少生まれるラグや隙も減らすという事が可能にもなる。」

女主人公    「何それ、全員が完全2回行動なんてチートじゃん!?」

女親友     「まあ、同じ種族だからあり得無くは無いんだけどね…?」

女主人公    「でも、前に戦った時ってそうだったっけ!?」

女親友     「え…? そういや、完全2回行動じゃ無かった気がする。」


 つまりは、その時からスキルが成長しているという事なのだろうか。その時の事を俺は知らないので何とも言えないのだが。まあ、これについても向こう側が解説してくれる訳だが。


マシーントリオα「確かに、お主達と前に戦った時は、

         完全2回行動では無く、1回~2回行動だった。」

女主人公    「あー、へぇー…そうだったんだ。」

女親友     「本当にあまり覚えて無いんだね…?」

女主人公    「か、返す言葉もありませーん(笑)」


 何だろう、何だかちょっと彼女達は余裕なんじゃないかと思えてしまうが、そんな事は無いと思っておこうか。動けるタイミングが来たら動ける様にタイミングを計っておかないと駄目だろう。


マシーントリオβ「まあ、アレから時間も経っている訳だ。

         そちら側もレベルやらが上がっているなら、

         こちら側も何かしら強化がされているのはおかしく無い。」

マシーントリオα「うむ、そういう事だ…そしてぇ!!」


 マシーントリオαが半分程度までセリフを言った時、マシーントリオΘの方に何やら仕草を送っていた。マシーントリオΘがそれに反応すると、その次辺りから魔法弾が俺の方には飛んでこなくなり、その分だけ転生神と逃げ回っている2人の方に向かう形となった。その時に俺は動こうとしたのだが、マシーントリオαは後半部分んセリフのタイミングで俺の正面までぬっと移動をして来た。…あっ、これはヤバいかも。


マシーントリオα「おらぁー!!」


 その直後に、装備している剣を振り回して俺に攻撃を与える。俺は派手に近くにある木の前辺りまで吹き飛ばされる。ちなみに、その時のパーティの他の全員の反応は「あっ。」だったが、彼女達も逃げる事や防ぐ事に必死なので、むしろその言葉を出させて意識を一瞬でもそれから逸らした事に申し訳なさを感じる。

 だが、今はそんな事を気にしている暇は無かった。俺が吹き飛ばされた先に着弾する様にマシーントリオΘが予め魔法弾を放っていたらしい。それに気づいたのが早かったのが幸いだった、ギリギリのタイミングで回避に成功する。


マシーントリオΘ「うーむ、惜しかったー。」

マシーントリオβ「まあ、そんな事もあるもんよ。」


 そうは言っているが、俺が回避できたのは単に運が良かったとしか言えない状況だった訳なので、予め放っていた魔法弾の狙いやらがアレだった訳では無い。むしろ、完璧に近い形だったのもあって余計に本人達もそう思ったのだろう。


マシーントリオα「まあ良い…では、ワテはこのまま一番近くにいるお主を。」

男主人公    「あっ。」


 咄嗟に俺は動こうとしたが、俺が反応した時には既にそれは遅かった。マシーントリオαは既に転生神との間合いを詰め切り攻撃行動に入っていた。転生神はその相手に対してキョトンとした反応を示す。流石にこれは対応が間に合わないのでは無いだろうか。


マシーントリオα「魔法攻撃はそのフィールドで無力化出来ておるが、

         物理攻撃の方は一体どんな感じで防ぐつもりなのかね?」


 マシーントリオαが転生神に攻撃を仕掛ける。だが、一切の心配が入らないのだという事が直後に分かる。


マシーントリオα「んな!?」

転生神     「ふふふ~、効きませんよ~?」


 そういや、あのフィールドって攻撃判定とかでは無くて、攻撃によるダメージその物を軽減したり無力化したり吸収したり反射させたりのアレであり、どうあっても相手側の攻撃などでは無力化出来ないフィールドだから、アレを展開している時点や付与されている時点でこの上ない安心感があるんだったっけか。


マシーントリオα「どういうフィールドだ!?

         まさか、攻撃判定では無く攻撃その物が対象なのかね!?」

転生神     「あっ、バレちゃいました~? 流石ですねぇ~!!」

マシーントリオα「…お主は一体、何者なのだね。」

転生神     「ん~、ただの新米冒険者ですかねー?」

マシーントリオα「…ただの新米冒険者とは一体?」


 うん、このやり取りでそういう反応になるのは分かる。俺が同じ立場でもそれは同じ事になっているだろうし。そもそも、彼女のスペックは初期状態であっても下手なレベルMAXの存在よりも圧倒的に強いのは俺がよく知っている。しかし、機械であるマシーントリオ種が驚くとは相当なアレなのかもしれない。


マシーントリオα「お主、新米という意味を知っておるのか…?」

転生神     「知ってますよ~?」

マシーントリオα「では、何故にその様な

         ぶっ壊れスペックを誇っているのかね?」

転生神     「そんな事を言われましてもー。」

マシーントリオα「ナンタルチート…。」

転生神     「チートじゃないです~!!

         元から私の中にある能力なんですから

         最初から使えても仕方ないじゃないですかぁー!! (>_<)」

マシーントリオα「のわあああああー!?」

男主人公    「あっ…。」


 マシーントリオαと転生神の会話の後に例の片言のセリフに対して必死に転生神がその場でじたばたして弁解なのかそれは違うと表現していた時、彼女が持っていた武器の弓がマシーントリオαに下から命中して、マシーントリオαを残りの2体がいる辺りまで結果的に殴り飛ばした形となった。まさに、その後継的に故意では無くたまたま起こった事なので、俺もああいう反応になってしまった訳だが。…まあ、明らかなのは転生神が必死に訴えている時に出ていた効果音は、テコテコテコテコテコテコテコテコテコテコ…的な音だろうか、完全にギャグの流れである。


マシーントリオα「お、おのれぇ…油断をさせておいて殴り飛ばすとは…。」

転生神     「そ、そんなつもりは無かったんですけどねぇ…(苦笑)」

マシーントリオα「えぇい、分かっておるわい。

         そんなに本気で気にされると余計にアレだわ。」

転生神     「あー、そうですか~?」


 まあ、今のは誰がどうみてもたまたまそうなった事例だという事は分かるだろうしな。しっかし、こういうのを一番近くで見る事になっているオペレーターの心境は如何に…よく反応せずにいられるなと俺は思う。

 一方、その頃残りの半分の方はどうかというと。


マシーントリオβ「えぇい、ちょこまかと逃げよってからにぃー!!」

マシーントリオΘ「ぜーんぜん、当たりませんなぁー。」


 相変わらず、2人は全力疾走で敵の攻撃から逃げて無被弾である。どうやら、先にマシーントリオ達の方が痺れを切らしてしまったらしい。そこに、不幸な事故にあった形にマシーントリオαが合流し彼らに提案をする。


マシーントリオα「仕方ない、攻撃の方針を変えるとしよう。」

マシーントリオβ「プランBか?」

マシーントリオΘ「そんで、それの内容は何かね?」

マシーントリオα「それは、こうであってそうであってだなぁー。」

女主人公    「何だか、攻撃を止めて相談を始めたみたい?」

女親友     「でも、あれじゃあ絶対に分からないでしょ。」


 まあ、普通ならそうなる…うん、普通ならな。


マシーントリオβ「あい、分かった。」

マシーントリオΘ「そのプランで行こうかね。」

マシーントリオα「うむ、よろしく頼む。」

女親友     「ええええええええええ!? 分かったのー!?」

女主人公    「みたいだね。」


 そして、この展開も予想出来るだろう展開である。さらに、すぐに現実に戻る事もまた同じである。


マシーントリオα「お主ら、さっきまでの攻撃を耐えた事は称賛しよう。

         だが、しかーし…ここから先の攻撃はどうであるかな?」

オペレーター  「何か仕掛けて来るみたいです、気をつけて下さい…!!」

女主人公    「それなら、その前に!!」


 彼女はマシーントリオ達に攻撃を仕掛けようとするが、ここで転生神がある事に気づいた。


転生神 「あっ…そこは危ないです!!」

女主人公「へっ?」

魔法生物「しゅわ。」

女親友 「んん? …って、後ろ後ろー!!」

女主人公「え? …おわっと、危なぁー!?」

男主人公「あれは…。」


 彼女が攻撃を仕掛けようとした時、俺達の後方の方から何かが飛んできてマシーントリオβの方に向かっていたのである。そう、それはあの時にマシーントリオβが射出していた左手のパーツだった。それが彼女の攻撃行動の動線内に飛んで戻ってきている事に気づいた為、転生神が声を掛けたという事だ。

 とりあえず、彼女は無事に攻撃を避ける事が出来たが、それは同時にマシーントリオ達が行動しやすくなったという事でもある。


マシーントリオβ「ナイスタイミングでの帰宅。」

マシーントリオΘ「想定通りかね?」

マシーントリオβ「いんや、たまたまだな。」

マシーントリオα「知ってた。

         まあ、いずれにしてもこれでやりやすくはなったろう。」


 ここで、マシーントリオ達がこちらへと視線を向ける。どうやら、話していたプランを実行するみたいである。ちなみに、マシーントリオβのさっきまで魔法で代用していた手は実際に手のパーツが戻って来た時に解除されて手のパーツを元通りに装着している状態に戻っている。 


マシーントリオα「それでは、さぁて…やりますかぁー。」

マシーントリオβ「うむ、いつでも。」

マシーントリオΘ「問題無い。」

マシーントリオα「では…これより、新プランを実行する。」

マシーントリオ一同「おぉー!!」


 ここまで会話が進むと、いつの間にか彼らはそれぞれ武器を両手に装備して、身体の上の方でカッチャカッチャと鳴らしていた。ちなみに、マシーントリオαは剣と杖を、マシーントリオβは両手に剣を、マシーントリオΘは両手に杖を持っているという状態だ。…この持っている武器から彼らの何かは分かるかもしれないが、正直今はそんな事は考えている余裕は無い。


オペレーター  「来ますよ!?」

マシーントリオα「よっしゃー!! 攻撃開始ぃー!!」


 すると、次の瞬間マシーントリオαとマシーントリオβが砂煙が立つ勢いでこちら側に向けて突撃をして来た。…空中に浮いているのに砂煙が立つのかと言われれば、まあそれは確かに不思議な事だがそこは気にしたら負けだろう。

 ちなみに、マシーントリオΘは後方のその位置で機会を伺っている状態だ。


女主人公「うわっ!? 突っ込んで来た…!!」


 2体のマシーントリオ達は、この時点で最前線ポジションにいた彼女達2人にそれぞれターゲットを絞ったらしい。


マシーントリオα「うおりゃあー!!」

マシーントリオβ「覚悟するが良いわぁー!!」

女主人公    「うわっ…やばっ…!!」

女親友     「うわわわわわっ、こっち来たぁー!?」


 あれ、このパターンってまさか。


マシーントリオα「ほーら、待てーい!!」

マシーントリオβ「ちょこまかと逃げよってからにぃー!!」

女親友     「待てと言われて待つ人なんてそうそういないからぁー!!」

女主人公    「まあ、そりゃそうだけどwww」


 やっぱり、このパターンになるみたいだ。そして、今回は追って来ている相手が攻撃じゃなくて相手本人である事もあるのか、魔法生物が彼女の頭の上でただただ欠伸をしているだけになっている。…あれ、これは逆に後方にいる俺と転生神が自由に動ける状態なのでは。


オペレーター  「お二人共、何とかして彼女達の支援を…!!」

男主人公    「攻撃がこちらに飛んできていない今がそのチャンスか。」

転生神     「その事なんですが、どうやらそう簡単には行かない様で。」

男主人公    「え?」

マシーントリオΘ「その通りよ、お前達はこれで足止めよー!!」


 そうだった、種族名がわざわざトリオに代わっているという事は相手側は3体いるという事だ。今の状態だと、目の前で追い回している2体の他に後方にいるフリーの1体が残っている状態だった。

 マシーントリオΘは、俺達が彼女達の支援に入ろうとしているのを見ると、すぐさまこちら側に大量の魔法弾を連続で放って来た。


転生神     「あららー、これじゃあ支援が出来ませんねぇ~。」

マシーントリオΘ「フハハハハハ、これぞ我々の作戦よ~!!」

男主人公    「なるほど…相手側の支援を阻止する為に残っていたと。」


 おそらく、これが先ほど話していたプランの全貌だろう。近接攻撃でこちら側の火力源の行動を阻害して、支援の方は後方からの攻撃でそれ自体を阻害して出来なくする。正直、俺達のパーティのスタイルに対してこれをされるとキツイのはよく分かる。


マシーントリオΘ「このままじりじりと体力を削り切ってやろうぞ。」

転生神     「あー、そう来ましたかぁ…私は平気ですけどー。」

男主人公    「こっちは、ヤバいだろうな。」


 転生神は例のフィールドで攻撃は効いていないに等しいが、俺は防御行動なので普通に体力は削られて行く。まあ、これもさっきまでと同じな訳だが。


オペレーター「どうにか打開出来たりしないでしょうか。」

男主人公  「あー、何か出来れば良いのだが。」

転生神   「うーん、でも向こうの方は大丈夫かもしれませんよ?」

男主人公  「え?」

転生神   「ほら、あの子達の逃げ回っている感じを見ると…。」


 彼女達の逃げ回っている感じとは何だろうかと思い俺はそちら側に視線を向ける。一見だと、今まで変わらずに必死に逃げ回っているだけだが、その動きの先を見ると予想出来る事があった。

 彼女達がこのまま逃げ続けていると、双方が正面からすれ違うタイミングがやって来る感じになる。あの勢いの逃げと追いかけの状態でそんな事が起こったら、もしかしたら…という事が起こるかもしれない。そう考えながらその動きを見ていると、その瞬間がやって来た。

 彼女達が全力疾走ですれ違った次の瞬間の事だった。


マシーントリオα「のわあああああ!?」

マシーントリオβ「ぐえええええ!?」

男主人公    「あっ…。」

マシーントリオΘ「な、なんぞ!?」


 何が起きたかというと、全力疾走で逃げている彼女達を全力で追いかけていたマシーントリオ2体が彼女達がすれ違ったタイミングで勢い余って互いに正面から衝突を起こして転倒したという。…あー、あの勢いでの衝突は確実に双方にダメージが入るレベルの衝撃だろうなぁー。


女主人公「へっ…何?」

女親友 「何か、伸びちゃってる…?」


 これには、追われていた側の2人も足が止まる。そして、その光景を見て驚くしかないらしい。ちなみに、マシーントリオΘも同じ様にその光景を見て驚いているので、この時点で既にマシーントリオΘからの魔法弾攻撃も止まった感じになっていた。

 そして、マシーントリオαとマシーントリオβの正面衝突事故から数秒後、彼らはゆっくりと再び空中に浮きだした。多少、ふら付いているいる様な感じでの浮遊ではあったが、問題は無さそうである。


マシーントリオα「お…おのれ等、何という高等テクニックを…。」

マシーントリオβ「効いたぞ…今の衝突ダメージは…。」

女主人公    「ふ…ふん、どんなもんだい…!!(困惑)」

女親友     「いや…私達は逃げていただけで何もしてないんだけど…?」


 まあ、彼らのノリ的にそんな感じのセリフ回しが来るのは不思議では無いが、流石の彼女も全力で乗り切れない様子。そして、ツッコむ方も全力でそれを行えないという、ギャグの空気が漂っているのにそれをやり切れないという感じの何とも言えない空気が漂っている。 


マシーントリオΘ「とりあえず、大丈夫かね?」

マシーントリオβ「うむ、問題は無い。」

マシーントリオα「そうだな、それよりも…だ。」

マシーントリオβ「見事な作戦に対してのお返しをせねばならんなー?」

マシーントリオα「そういう訳だな。」


 ここまで彼らは話を進めると、マシーントリオαとマシーントリオβは彼女達に向かって攻撃を仕掛けに行った。


マシーントリオβ「今度こそ攻撃をかましてやるわぁー!!」

マシーントリオα「流石にこの距離だと逃げても間に合わんぞー?」

マシーントリオΘ「そして、ついでに後方の2人も止めておこうかねー。」


 ちゃっかりと、マシーントリオΘは先ほどまでと同じ様に後方にいる俺と転生神に何もさせない様に魔法弾を連発して行動を止めに来ている。同じ様な内容ではあるが、こちら側としては戦闘には不慣れであり、今回の為だけに組んだ即席間満載のパーティでもある為、たとえ同じ事をして来たとしてもそれが痛い内容であれば対処のしようが…というのは無くも無い話である。実際に今が逸れの状態である。


女主人公「あぁー!? こっちに突っ込んできたぁー!!」

女親友 「えぇー!! この距離だと、

     向こうが言っていた様に逃げても意味無いよ!?」

魔法生物「しゅわわわ。」

女親友 「ん…『そうだな。』って、何でそんな冷静なのー!?」

女主人公「とにかく、どうにかして攻撃を防がないと…だね。」

女親友 「な、何で私の方を見てる訳!?」

女主人公「いや…だって、あなたの方が相手から見たら前にいるから…さ?」

女親友 「あっ…。」


 つまりは、彼女達2人は同じ地点こそにいるが、あの2体が接近してきている方向から見たら、魔法使いの少女の方が早く攻撃範囲に入るという事になるのだろう。という事は必然的に狙われやすい位置状況になるという訳だ、うん隊列的にそうなるのだろう。…果たして、今の状態に隊列もクソもあるのだろうかという事は置いておくとして。


女主人公「今から私が前に出てもまともに防御も間に合わないし、

     そもそも片方がタイミングずらしたりしたら意味無いしなぁー。」

女親友 「確かにそれはそうだけど、

     私は物理攻撃に関しては紙装甲で、

     物理攻撃力は最低基準値の最低値ラインなのに…。」

女主人公「そういや、そうだったっけか。

     あ、でも魔法攻撃打つなら物理攻撃力は関係ないんじゃ?」

女親友 「この距離の詰まり状況で魔法攻撃なんて、

     近すぎて放って当てる事の方が難しいぐらいだからぁー!!

     魔法攻撃やるとしたら、置き攻め的なのしか無理だよぉー!!」

女主人公「あー…でも、それだと隙だらけになるから実質的にはー…。」

女親友 「そうだよ、私が物理攻撃でどうにかするしか無いんだよぉー!!」

女主人公「あー…。」


 まあ、彼女は今の状況で自分達が出来る対応策は後方のこちら側の事も考えた上でそれしか無いという事は理解している。だが、それでも自分で言っていた様に彼女の物理関連の能力は圧倒的に低い為、自信も無ければどちらかというとそっち方向で行動する事は望ましく無い事も分かっている。だが、そんな状況ではあるが自分が実質的に今は隊列の最前列にいる形になっている為、ほぼ選択肢が無い状態と言う訳だ。…いやー、本当に申し訳ない。


女主人公「と…とにかく、私は後ろで身体を支えておいてあげるからさ?」

女親友 「それ、何かの解決になる…?」

女主人公「あー…仰け反らなくはなるかな?

     後はー…うん、ダメージの衝撃次第では吹き飛ばされないかも?」

女親友 「あー…。」

魔法攻撃「しゅわわわわ。」

女親友 「うぇ? 『十分だな』って?

     …っていうか、手伝ってよぉー!!」

魔法攻撃「しゅーわ。(◦ω◦)」

女親友 「…何その、何とも言えない様な表情は…?(苦笑)」

女主人公「ま、まあまあ…(笑)」


 まあ、ついさっきまであまり目立ってこそはいなかったけど、相手側が放っている攻撃の量を着実に減らしたり、弾いたりしていたりと何やかんやで一番貢献していたのは、この魔法生物なのだがね。その時の疲れがあるのだろうか。

 そんなやり取りをしている最中にも彼女達とマシーントリオ2体との距離はさらに近づいて行く。


マシーントリオβ「ほれほれ、どうしたよ?」

マシーントリオα「この状態でも、まだ余裕でいられる感じかね?」

女親友     「余裕でいる訳じゃ無いんだよぉ!!

         余裕だったら、こんな会話だってしないからぁー!!」

女主人公    「まあ、そりゃそうだろうねぇー。」

マシーントリオβ「そうか、ならば素直に攻撃を受けるが良いわ。」

マシーントリオα「そういう訳だ、覚悟するこったね。」

女主人公    「まあ…とりあえず、ちゃんと支えておくからさ?」

魔法生物    「しゅわわ。」

女親友     「うぅ、分かったよ…『頑張る』から…。

         でも、攻撃が防げる保証は無いからね…?」

女主人公    「まあ、もしどっちかが戦闘不能になったら、

         その時は互いに起こしに行くって事でさー?」

女親友     「このタイミングでそれは縁起が悪いでしょー!!」


 彼女達の会話がここまで行き着いた時、マシーントリオ2体が彼女達に攻撃出来る範囲まで差し掛かっていた。


女主人公「あっ、もう完全に余裕は無さそうかも。」

魔法生物「しゅわ。」

女親友 「あー!! もうー!! (> <)」


 すると、彼女は持っている自分の長杖を縦横無尽に…というか、闇雲にブンブンと振り回しまくった。その動きは何というかデタラメな振り回し方だが、相当の速さで自分の周囲を広範囲で薙ぎ払っている形にも見える。そして、確実に見ているだけで言えるのは、彼女は必至でもあり必死でもある。そう、この戦闘中の中で一番と言って過言では無いだろう。彼女の動きと表情がそれを着実に物語っている。


女主人公    「あ…あははは、後ろで支えていて正解だったかも…(笑)」

マシーントリオβ「うぬ? そんなに闇雲に振り回しているのが当たるとでも?」

マシーントリオα「甘いな?

         その様な適当な武器の振り回しで

         こちらの行動を止められる訳があるまいよー!!」


 確かに、彼女の武器の振り回しは相手側を狙ってやっている訳では無く、がむしゃらに自身の周りで振り回しているだけではあるのだが、そのセリフはある意味ではフラグにしか聞こえない。

 俺が、残りのマシーントリオΘの攻撃を防御しながらそう思っていると、やはりそれが現実となった。


マシーントリオα「ぬわあああああー!?」

マシーントリオβ「あーれー!?」

女親友     「えぇ…!?」


 スパコーン!!…という音と共にその適応に振り回されている杖が接近して来ていた2体のマシーントリオに命中し、彼らを後方へと吹き飛ばしていた。そして、その先にいるのは…俺と転生神に行動妨害として攻撃を続けていたマシーントリオΘだった。


マシーントリオΘ「は…?」


 仲間2体が急に視界内に吹き飛ばされて来てそういう反応をしていた。まあ、そうなるのは分からなくはない。そして、次の瞬間だった。


マシーントリオ達「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ー!?」


 見事にマシーントリオΘに吹き飛ばされていたマシーントリオ2体が命中して、3体ともにその場に伸びる形となった。そして、意図せずにではあるが、こちら側への攻撃は全てこの瞬間を持って停止した形となった。


女主人公「おー、無事に何とかなったねぇー。」

魔法生物「しゅっしゅわ。」

女親友 「えぇ…『知ってた』って?」


 どうやら、魔法生物があの表情をした本当の理由が分かったかもしれない。彼女がこういう形で攻撃をどうにか出来るだろうという算段があったからなのだろう。おそらく、それで駄目そうなら何かしらサポートをして攻撃から彼女達を守ってもいただろう。


男主人公「それにしても、派手に飛ばせたもので。」

転生神 「そうですね~、お陰でこちらも助かりましたよ~?」


 とりあえず、俺達はようやく彼女達と合流する事が出来た。まあ、同じエリア内にはいたけども、隊列は分断されている様な感じだったので、案外合流でも間違いは無いだろう。


女主人公  「うーん、流石の物理カウンター力だねぇー。」

女親友   「いや…だから、私の物理関連能力は最底辺なんだって。」

オペレーター「ほら、アナタには咄嗟に物理攻撃力が

       最高水準値の最大値になってカウンター出来るスキルが。」

女親友   「あ…あー、あれね?」


 何それ、それ飛んでも無い能力な気がするのだが。俺はそう思ったが同時に、咄嗟にという事は今の俺がスキルを自分の使いたい時に意図的に使えず、咄嗟にその効力が自分か掛けたい対象に掛かる状態なのと同じ様な事なのだろうと察する事が出来た。その為、その能力を常時やタイミングを見て使える様にとか使ってくれとか言うのは彼女に対して、肉体的にも精神的にも辛い可能性があるので、そこら辺の事は言わない様にした。まあ、彼女がそれを聞いてどう思うのかは彼女しか分からない事だし、そもそも既にそういうやり取りは何回もあるかもしれない訳だが。


男主人公「…何か、そういうスキルがあるのか?」

転生神 「うーん、まあ人によってあったり無かったりですかねぇ~。」

男主人公「なるほど。」


 それでもまあ、一応少しは気になるので俺は転生神にしれっとスキルの有無を確認していた訳だが。まあ、それはそこまでの話だ。

 重要なのは、ここから先の事だ。


マシーントリオα「うーぬ、おのれ等よくもやってくれおったなぁ?」

マシーントリオβ「適当に振り回していると思わせての

         高火力の物理カウンターを取るテクニックぅ…!!」

マシーントリオΘ「見かけに寄らぬ、とんでもパワーという訳かー?」

女親友     「いや…そんなつもりは無かったんだけどなぁー…。」


 そんなつもりが無いのは、こちら側全員が彼女の行動を見て分かっている。そして、おそらくだがマシーントリオ側も全員がそれは分かっているが、まあこの戦闘だけでしか彼らの生態を見ていないが、彼らのノリ的な事を考えたら今のセリフの流れ方も彼らのノリなのだろうと思える。


マシーントリオα「いずれにしても…だ。

         このままで終わる我々ではなぁーい!!」

マシーントリオβ「ここからよ、ここから形勢逆転と行こうかねー!!」

マシーントリオΘ「お前達の善戦もここまでよぉー!!」

女親友     「うーん…ほぼノリでの自滅の方が多かったと思うけど…?」

魔法生物    「しゅわわわ。」


 何たる彼らへ対するドストレートなツッコミだろうか。まあ、勢いが入って無い辺りはまだ温情なのか、それとも普通に困惑しているだけなのだろうか。…おそらく、後者だろうが。

 まあ、そんなドストレートな彼女のツッコミは彼らにはスルーされる事となり、マシーントリオ達はふと思い出すかのようにこちら側に対してこんな事を言って来た。


マシーントリオα「そういや、そこの娘よ。

         お主、何故こちら側の攻撃を

         涼し気に防いでおきながら反撃をして来なかったのかね?」

マシーントリオβ「そうだな、ワテはともかくとして…

         αとΘ相手には可能であったはずなのだが?

マシーントリオΘ「だが、いずれのタイミングでも

         お主はこちら側に反撃をかまして来なかったな?」


 確かに、言われてみればそうかもしれない。攻撃を防いでいる時は俺と同じでアレなのだろうが、例のフィールドはいずれも攻撃を反射する形の内容は取られていなかったのは事実だ。彼女のフィールドなら簡単に攻撃を跳ね返す事も可能だったのでは無いだろうか。まあ、それに対しての答えはすぐに本人の口から語られる訳だが。


転生神「あー、その発想は無かったですねぇ~。」


 目を点にした表情で彼女はこう言っていた。まあ、その発想が無かったのなら仕方が無い。事実、その発想があったのならば、彼女の場合なら普段通りの軽いノリのままで反撃行動を行っていただろう。俺とは違って彼女には射程も十分にあるので尚更だっただろう。

 ちなみに、これを聞いていたこの場にいた全員も目が点になるという反応をしている感じだった。魔法生物に関しては普段通りの反応で欠伸をしている感じだった。まあ、この彼女の反応に対しても『知ってた。』的なアレなのだろう。 

 すると、ここで多少の困惑をしつつもマシーントリオ達が転生神に対してこう詰め寄って来た。


マシーントリオΘ「その発想が無かった…とな?」

マシーントリオβ「それだけのスペックを持っておってそれとは…。」

マシーントリオα「ワテ等にもよくある事だが、

         お主…まさか、ポンコツ属性の持ち主かね…?」


 あー、彼女が時にはポンコツ臭がする感じがある為、それが無いという様な否定が出来ないのはまた事実だ。いや待て、それもそれだが自分達にもポンコツ属性がある事をマシーントリオ達は認めているというのだな。道理で、今までのノリを堂々と流れる様に熟して来る訳だ。

 それはまあそれとして、マシーントリオαの言葉の直後に何かが聞こえて来た。


転生神 「ポンコ…!?」

女親友 「んん…?」

女主人公「今、何か聞こえた様な…?」

男主人公「あぁ、確かに…何かが。」


 俺達が全員、その聞こえて来た何かの方を向いたら、そこには転生神の姿があった。


転生神「…ツーん。(゜д゜)」


 うん、とてつもなくポカーンとした表情で固まっている感じの転生神の姿があった。それの異変にはこの場にいた全員がすぐに気づいたが、それについてすぐに言及したのは、やはり彼女である。


女親友 「うわあああああ!? ポ…ポンコツ化してるぅー!?」

男主人公「ポ…ポンコツ化とは?」

女親友 「ポンコツ化は、ポンコツ化だよー!!」

女主人公「いや、だからさ? もう少し詳しく…ね?」


 どうやら、俺と同じで彼女の方も詳しく知らないらしい。その為、この魔法使いの少女の説明が頼りになる訳だ。その状態を理解したのか彼女がすぐに説明をしてくれた。


女親友「えっと…ポンコツ化っていうのは、

    簡単な話、体力と余力以外の能力値が現在の状況の半分になって、

    直るまで一切の行動を取る事が出来なくなってしまう状態異常だね。

    あー、後は…確か、気力補正値が0の状態に戻るのもあったっけか。」


 なるほど、とりあえずヤバい状態になったという事は分かった。


女主人公    「えぇ!?

         それじゃあ、今あの人に攻撃が飛んだらヤバいんじゃ?」

男主人公    「そうだな…それは確実にそうだと言えるな。」

女親友     「あ、いや…その事なんだけどね?」

マシーントリオα「ポンコツ化している対象は、特殊な形になるんだわ。」

マシーントリオβ「まあ、簡単な話がポンコツ化していない

         他の全員が攻撃対象に出来ない様になる訳は狙えぬ。」

マシーントリオΘ「当然だが、全体攻撃やランダム対象攻撃なら

         関係無いが、通常の相手を選択する単体攻撃は…な。」

女親友     「あー、後は攻撃だけじゃなくて、

         ダメージを与えたりするアイテムも同じ仕様だっけか。」

マシーントリオα「そういう事だな、だが支援などの

         ダメージを与えないスキルやアイテムだと対象が取れる。」

女主人公    「な…なるほど?」

男主人公    「多分だが、ある程度は分かった気がする。」

オペレーター  「…なら、良かったですけど。」


 不思議な事にこの場にいる元々この世界の住人である存在全員から俺達はポンコツ化について軽くなのだろうが説明をしてもらった。いや、もしかしたら対戦相手がマシーントリオみたいなノリの魔物だったからなのかもしれないが、まあそれでも情報が知れたのは大きいだろう。


男主人公    「…で、ポンコツ化の直し方は?」

マシーントリオα「あ? ねぇよ、そんなもん。」

女親友     「うん、自動的に解除されるのがほとんどだしね…。」

マシーントリオβ「あくまでも自由に狙って付けられる

         または、付けれる状態異常では無いからなぁー。」

女主人公    「えぇ…じゃあ、どうすれば良いの。」

マシーントリオΘ「さっきその小娘が言った言葉通りよ。」

男主人公    「時間経過…直るタイミングまで待つしか無い…か。」

オペレーター  「…まあ、そういう事になりますね。」

魔法生物    「しゅわ。」


 さてはて、どうしたものか。そうとしか思えない状態だった。


男主人公「とりあえず、大丈夫か…?」

転生神 「ダーイジョーブデースヨォー。」

女主人公「あー、駄目なやつだこれ。」

女親友 「うん、知ってた。」

女主人公「そういや、その子に叩いてもらったら解けたりしない?」

男主人公「…ほとんど自動的解除だから、可能性はゼロでは無いか。」

女親友 「うーん、どうだろう?」

魔法生物「しゅーわわー。」

女親友 「あー…無理っぽいねー。」


 まあ、魔法生物が両手を横に広げている仕草的にお手上げを示しているのは何となくだが分かってはいたが、宿主の彼女がそう言うのなら確実に魔法生物でもお手上げの状態という事なのであろう。


マシーントリオα「まあ、ポンコツ化させたのは

         そのつもりは無かったから申し訳ない訳だが。」

マシーントリオβ「それでも、今は戦闘中という訳よ。」

マシーントリオΘ「つまり、戦闘中に状態異常に掛かったという事になる。」

オペレーター  「…ですから、原則として戦闘は普通に継続されますね。

         普通なら、戦闘から逃げて対処する事を推奨しますが…。」

女主人公    「じゃあ、そうすれば良くない?」

女親友     「いや…この戦闘はイベント戦闘の系統だったはずだけど?」

男主人公    「あー…そういや、そうだったな。」


 イベント戦闘判定になっている戦闘からは、互いの陣営ともにどうあっても通常の逃走コマンド判定の逃走は使用する事は出来ない。つまりは、正式な形かイベントによって戦闘が終了するという事が起こらない限りは、この戦闘状態が解除される事は無いという事だ。まあ、イベント戦闘でそんな都合の良い事が起こるのかと言われると、何かのチュートリアル的なアレ以外ではそうそう無いだろう。…まあ、初めてポンコツ化を聞いて見た訳だから、このイベント戦闘がそれ用のチュートリアルでも良い気がするが…まあ、事実として戦闘状態が解除されていないという事はそういう事だろう。


女主人公「あー、じゃあ…つまりは。」

男主人公「彼女の護衛をしつつ、どうにかする必要があるという訳だな。」

女親友 「そういう事になるね。」


 そういう訳で急遽、護衛任務みたいなモノが追加されてしまった形になったという訳だ。だが、そうなったからといってもこれはイベント戦闘、戦闘を避ける事は出来ない訳なので、戦闘は問題無く続く。


マシーントリオα「まあ、だがこちらは手は抜かぬ、それが礼儀というモノ。」

マシーントリオβ「そういう訳だ…おーら、初手ぶりのこれを食らえー!!」


 言葉通り、マシーントリオβの左手がこちら側に向けて射出された。俺達は反射的に全員が攻撃を避けてしまった訳だが。


女親友 「あっ…。」

女主人公「…避けちゃった。」

男主人公「まずい…!!」


 俺達が全員攻撃を避けた事によって、ポンコツ化して無防備状態の転生神の方に攻撃が飛んでいく形となってしまった。いかに攻撃対象にされにくくなっている状態であっても、元の攻撃対象が避けた後にまだ先へと飛ぶ攻撃なら、その射線上にいる人物が次の着弾点になってしまう。まさに、今はそれと言える状況だろう。

 だが、俺達が今から何をしても間に合う訳が無い。その為、こちら側全員が転生神への被弾を覚悟する。…だがしかし。


マシーントリオβ「ぬ?」

男主人公    「…あれ?」


 転生神に着弾したかと思った時に、その手が弾き飛ばされて行った。


マシーントリオβ「あだぁー!?」


 そして、持ち主にクリーンヒットする。一体、何が起きたというのだろうか。俺達を含めてこの場にいる全員が訳が分からなかったが、俺がふと転生神の方に目を向けると、彼女の前に例のフィールドが張られていた。そして、その効力は先程の内容を見る限りだと相手の攻撃を反射する効力のモノだろう。


マシーントリオβ「おのれぇー…。

         まさか、ワテの手を反射してワテに当てて来るとはー。」


 当てて来たというのが正しいのだろうか。とりあえず、そのフィールドが張られていた事に気づいた俺はふと「これ、彼女の護衛いる?」と思ってしまったが、いや何かの間違いかたまたま何かの発動可能なスキルが自動的に発動したのかもしれないので一概にはそう言えないだろうと思う事にした。


マシーントリオα「あ奴、本当にポンコツ化しとるのかね…?」


 それは俺も言いたいセリフだが、正直な所どうなのかは一切分からない。ただ、実際に自分達が見ている光景ではポンコツ化しているという状態なのだろうという事は確かなはずなのだが。


マシーントリオΘ「ならば、これはどうかね?」

女親友     「あ…これはマズいかも。」


 ここで、マシーントリオΘが大量の魔法攻撃を放って来た。全体攻撃かランダム対象攻撃なのだろうが、この際はそこはどうでも良い事であって、重要なのはそれらの攻撃ならポンコツ化の狙われにくさの仕様が全く効力を発揮しないという事だ。その為、何がどうなろうが転生神の方に攻撃が幾らかは飛ぶ事になるのがほぼ確定事項な訳だ。


オペレーター「ど、どうにかなりませんか!?」

女主人公  「この数をどうにかならないと言われてもなぁ…。」

男主人公  「避けるか防御で手一杯だよな…。」


 その言葉の通り、避けられる側は避ける。そして、それが困難な側は防御をするという形で完全に行動を制限されてしまっている。俺は防御側な訳だが先程の回避行動が終わってから、そこまで間が無い状態で放たれた攻撃の為、転生神の前に立つなんて余裕は無かった。当然だが、残りの彼女達2名の方は避ける側なので、それに必死である為、彼女達にもそれは無理だったのだろう。

 その為、幾つかの魔法弾が転生神の方に向かって飛んでいく。うん、飛んでは行くのだが…。


マシーントリオΘ「んん!?」


 その飛んで行っている魔法弾が当たらない。いや、当たらないというか何というか…ひょいひょいと避けられていたり、そもそも彼女に当たる前段階で魔法弾が逸れて行ったりして結果的に無被弾の状態が続いている。


マシーントリオΘ「あ…当たらんぞ?

         複数対象攻撃のはずなのに当たらんぞぉー!?」


 マシーントリオΘはそう驚きのセリフを上げつつ、ポンポンと攻撃を続けて来る。そして、それから少し時間が経過した時、この攻撃が止まった。


女主人公  「あれ? 攻撃が止まった?」

女親友   「あ、もしかして余力が尽きたんじゃ?」

男主人公  「え?」

オペレーター「ああいう広範囲や複数ターゲットの攻撃は、

       大抵の場合は単体攻撃よりも多く余力を消費しますからね。」

女親友   「うん、中には余力消費無くても使える内容もあるけどね。」

男主人公  「今の向こうの状態を見る限りだと、余力消費は必要だったと。」

女主人公  「まあ、そういう事だろうねぇー。」


 とりあえず、助かったという感じだろうか。だが、それが当てはまるのは攻撃回避をしていた側と防御で凌いでいた側だけだろう。つまり、転生神に関しては相変わらずポカーンとして表情で棒立ちのままポンコツ化が継続しているが、結果的に無被弾でピンピンしている状態である。


マシーントリオΘ「うぬぅ…最終的に全然当たらんかったぞ…。」

マシーントリオα「だな…奴は本当にポンコツ化しておるのかね…?」


 だから、そのセリフはこっちが言いたいレベルのセリフだ。


マシーントリオα「はてさて、どないしたものか…。」


 マシーントリオ達が本気で悩んでいるのがよく分かる状態なのが目で見ても分かった。しかし、これは大きな隙となっていた。


女主人公「あっ、今なら隙だらけかも?」


 それを見た彼女がすかさずマシーントリオβに攻撃を仕掛けた。


マシーントリオβ「む!? 甘いわぁー!!」

女主人公    「嘘ぉ!? いいタイミングだと思ったのにー!!」


 だが、あっさりと腕で跳ね飛ばされてこちら側に戻って来る。まあ、普通に地面に着地している所を見る感じ、大丈夫そうではあるが。


マシーントリオβ「フハハハハハ、残念だったなぁ?」

マシーントリオΘ「こちらに隙を見て仕掛けて来たのは褒めてやろう。」

マシーントリオα「そうだな、予想外の事過ぎて大きな隙だったがな。」

女主人公    「うーん、でも防がれちゃったんだよなぁー。」


 いいタイミングを突いて攻撃をしていた本人は残念そうなリアクションをしているが、まあ防がれる時は防がれるだろうから仕方が無いだろう。だが、かなり久しぶりに攻勢に回れた事は大きいかもしれない。


マシーントリオΘ「そう簡単にこちらに上手く攻撃出来ると思うなよ?」

マシーントリオβ「まあ、仮にそういうのが来てもやり様はあるがな。」

マシーントリオα「そういう訳だ、簡単には終わりはせんよ。」


 まあ、彼らの言っている事も事実だろう。現に先程のタイミングでこちら側の最速の彼女が仕掛けて対応された訳なので、簡単に攻撃を当てさせてくれるとは思えない。これは、何かしら策を練らないとアレかもしれない。


女主人公  「うーん、スピードではこっちが上取れているんだけどなぁー。」

女親友   「そうは言っても、実際に対応されてる訳だし…。」

オペレーター「何か相手が対応しずらい方法で攻撃をしてみてはどうです?」

男主人公  「対応しずらい方法か。」

女主人公  「そんなのある?」

女親友   「うーん、どうだろうね?

       とりあえず、何も浮かんで無いから私を見ないで…?」

女主人公  「あぁー、そっかぁー。」


 とにかく、何かを考える必要はありそうだが、相手がああいう感じのノリのマシーントリオ達とはいえ、そんなに時間をくれはしないだろう。その為、あまりじっくりと考えている訳には行かないという難しい状況だが、とりあえず、俺は1つの案を思いついた。


男主人公「えっと、全体魔法攻撃は打てたっけか?」

女親友 「ん? 普通に幾つかは打てるけど?」

男主人公「打てる属性は?」

女親友 「えぇ? 無属性と爆発属性と炎属性と風属性と土属性…かな?」

男主人公「なら、前半の3つのどれか…だろうか。」

女主人公「一体、何の事?」

男主人公「相手がこちらの攻撃を対処しずらくする方法が浮かんでな。」

女主人公「なるほどー?」

女親友 「あっ…こっちの動きを見せない様に一時的に視界を奪うって事?」

男主人公「そういう事だ…そうなると、

     さっきの中だと前半の3つのどれかだろうと思ってな。」

女親友 「あー、確かに…無属性と爆発属性なら数で可能だろうし、

     爆発属性なら爆発も入るから効果の持続も長そうかもね。

     後は、炎属性だと火柱を広範囲に立てるって手もありそう?」

男主人公「なるほど…そこら辺の事は出来るって訳だ。」

女親友 「まあね?」


 まあ、彼女は魔法使いであるというのもあって、そこら辺の事は容易に出来るのかもしれないな。…ってか、何気に今判明しただけでも、使用出来る属性攻撃の数が多い気がするが気のせいだろうか。

 とりあえず、話を先に進めるとしよう。


男主人公「なら、後はその中のどの属性にするか…か。」

女主人公「だったら、炎属性でお願いしたいかなー。」

男主人公「え?」

女主人公「だって、その感じならこっちの動きが

     見れない状態の時に相手に向かって攻撃をする

     必要がある訳だからさ…なら、安全なのにしたいし。」

女親友 「炎属性が安全…なのかな?」

女主人公「ほら、私は炎属性やらに強いみたいだし。」

男主人公「えっ?」

女親友 「あー、そうだっけ?」

女主人公「後は、そのやり方だと視界を奪った後に

     最速で行動するのは私になりそうだからねぇー。」

女親友 「あー、まあ…そんな気がするねぇー。」

男主人公「実際、そうなってもらいそうだけど大丈夫…?」

女主人公「大丈夫、大丈夫ー。

     だから、初動は炎属性の全体魔法でお願いね?」

女親友 「わ、分かったよ。」

男主人公「よし、なら初動はそれで行って、

 彼女の攻撃が通るなりしたら、同じ属性の魔法弾で追撃を。」

女親友 「分かった、そうする。

     同じ属性で続けられるなら負担も減るからありがたいかも。」

女主人公「それじゃ、それぞれの合図の方はアナタにお願いするね!!」

男主人公「あぁ、それぐらいは俺がやらないといかんだろうしな。」


 とりあえず、これでこれから打つ手の打ちあわせが終わった。どうやら、マシーントリオ達は待ってくれた様子。まあ、実際の時間としてはそれ程は時間が掛かっていなかった可能性はあるが。相手側が紳士だったと思っておこう。


マシーントリオα「どうやら、作戦会議が終わった様やのう?」

マシーントリオβ「ほほーう、何をして来るのか楽しみだな。」

マシーントリオΘ「さあ、こっちは準備万端だぞ?」

マシーントリオα「うむ、掛かって来るが良い!!」

オペレーター  「こちら側の準備も大丈夫ですか?」


 オペレーターの言葉に俺達は無言で頷く。そして、マシーントリオ達もやる気満々である。この策がどう戦況を動かすかによって、この後の展開が決まるかもしれない。それでもまあ、もうやるしかない状態である。


男主人公「よし、なら行動開始だ…!!」

魔法生物「しゅわ。」

女親友 「分かってる…まずは、初動は私から…!!」


 まずは、彼女が先ほどの話通りに炎属性の広域魔法で相手側を攻撃すると同時に、正面からの視界を奪う。


マシーントリオΘ「ぬお!? 正面の視界が阻害されたか?」

マシーントリオβ「おのれ、小癪な真似をしてくれおるわ。」

マシーントリオα「総員、追撃に備えておけ。」


 当然だが、マシーントリオ達はこちらからの追撃がある事は予想出来ている為、追撃へと備えている。だが、もうこの策を簡単に止める訳には行かない。炎属性の広域魔法で立った火柱の中に彼女が突っ込んで行く。


女主人公    「もらったぁー!!」

マシーントリオβ「そんな追撃は読めとるわぁー!!」

女主人公    「おわっと!?」


 やはりというか、マシーントリオβによって彼女が簡単に払いのけられる。だが、今度はこちら側に飛ばされるというよりは彼女はマシーントリオ達の後方の方へと飛ばされていた。

 正直、この展開だとどうしたものかと思っていると、魔法生物がすかさずに仕草を出す。


魔法生物「しゅわわー。」

女親友 「へっ…このまま追撃しろって!?」

魔法生物「しゅわ。」

女親友 「わ、分かったよ。」


 彼女は魔法生物の言葉に従い、炎属性の魔法弾を3つ放った。それらは、それぞれのマシーントリオに目掛けて飛んで行っていた。だが、彼らもそれに早い段階で気づいていた。


マシーントリオΘ「甘い!!」

マシーントリオβ「この程度!!」

マシーントリオα「回避可能!!」

女親友     「あ…避けられた。」


 見事に3体共にひらりと彼女が放った魔法弾を回避に成功した…そう、彼女が放った魔法弾の回避に成功はしたのだが。


女主人公「でも、その回避後の隙は貰ったぁー!!」


 彼らの後方に飛ばされていた彼女が空中で体勢を整えて、あろう事か先程回避された魔法弾の内の1つをマシーントリオ達の方に向かって蹴り飛ばしたのであった。


女親友     「うえええええー!?

         魔法弾蹴り返してるぅー!?」

マシーントリオ達「は?」


 そんなのありか。俺はそう思いながらその光景を見ていた。そして、魔法使い彼女の言葉を聞いたマシーントリオ達はふと後ろを振り返りその攻撃を見て驚いてのあのセリフである。当然だが、そんな状態の彼らにその蹴り飛ばされた炎属性の魔法弾は回避出来る訳が無かった。


マシーントリオΘ「おうふ!?」

マシーントリオβ「3体!?」

マシーントリオα「続けてヒット!?」

女主人公    「ジャストミート!!」


 言葉を発した通りの順番に見事にその魔法弾はヒットしては跳ねてを繰り返し、3体全員に命中していた。そして、蹴った本人のあのセリフである。…まあ、相手にジャストミートしたから間違ってはいないか。

 すると、ここでオペレーターから助言が入る。


オペレーター  「気を付けて、△型の方にはあまり通っていない様です…!!」

女主人公    「だったら、これはオマケ…!!」

マシーントリオΘ「あらー!?」


 オペレーターの言葉を聞いた彼女がすかさず体勢整えてマシーントリオΘに追撃の一撃を入れた。どうやら、これもまともに入ったらしい。その後、彼女はこちら側の陣営のいる方へと戻って来た。すると、その直後に魔法生物が再び宿主の彼女に何かを言う。


魔法生物「しゅわわ、しゅわわー!!」

女親友 「追撃…!!」


 どうやら、彼女に残りの2体に追撃する様に言っていたらしい。彼女はそれを聞いて今度は爆発属性の魔法弾を相手を同じ数放った。


マシーントリオβ「のわあああああ!?」

マシーントリオα「危ねぇ!?」


 マシーントリオαには回避されたが、マシーントリオβには直撃をしたらしい。そして、攻撃を開始したマシーントリオαだが、たまたまだが俺が攻撃を出来る範囲まで回避行動で移動していたらしい。そして、その体勢はまだ立て直せていなかった。

 とりあえず、俺は流れでマシーントリオαに攻撃を入れた。


マシーントリオα「あーれー!?」


 攻撃が当たり、マシーントリオαは残りの2体がいる辺りに飛んで行った。…あれ、これは色々と想定外だったが相手全員に攻撃を入れる事が出来たので、ある意味では良かった結果になった感じだろうか。


女主人公  「よーし、どんなもんだい!!」

女親友   「また、ツッコミどころがあった気がするけど…?」

男主人公  「あー、何が言いたいか分かる気がする。」

女主人公  「えー、何の事ー?」

オペレーター「皆さん、気を付けて下さい?

       まだ、戦闘は継続中ですからね?」

男主人公  「え、あー…そういや、まだ戦闘が解除されて無いな。」


 という事は、まだ相手の体力が削り切れていないという事である。

 つまりは…。


マシーントリオΘ「おのれぇ…やってくれおったなぁ…?」

マシーントリオβ「またしても、この様な姑息な手を…。」

マシーントリオα「気を取られてしまって直撃したでは無いか…。」


 まあ、こういう事である。お決まりの様にマシーントリオ達は起き上がって来た。


女主人公「あー、やっぱりまだ起き上がって来るかー。」

女親友 「まあ、さっきのは私も久しぶりに見たけど、やっぱ驚くよね…(笑)」


 どうやら、彼女達もマシーントリオ達がまだ起き上がって来る事に違和感は無いらしい。いや、それよりも魔法使いの少女の言っていた言葉に対して、俺は少し気になる事があるが。これは、言葉通りに受け取ると昔に戦った時も同じ様な事をしていたという事なのだろうか。そうだとすれば、前に同じ様な経験をした事があっても、アレを見ると驚くという事になるので、彼女は相当な事をあの時にやってのけているという事が理解出来る。


マシーントリオα「それにしても、以前とは違って

 先に幕を張って来るとはなぁ…やってくれおるわ。」


 今の言葉で先程まで思っていた事は俺の想像ではなく、実際にこの世界の過去の時系列においてあったのだと分かった。


マシーントリオα「まあ、そんな事はどうだって良い。

         さーて、まだまだ戦闘は終わっておらんぞー?」


 まあ、起き上がって来た事を考えると、まだ戦闘が継続する可能性は大いにあるのは予想は出来ていたが、次なる策はそういや考えていない状態だった。


マシーントリオΘ「そういう訳で、今度はこっちの番だなぁ?」

マシーントリオβ「よし、覚悟しておいてもらおうかねぇ?」

女主人公    「あー、これは何かヤバそうな気がする。」

女親友     「気がするじゃなくてヤバいんだよなぁ…。」

マシーントリオα「フハハハハハ、それでは行こうかねぇー。」

オペレーター  「来ますよ!? 皆さん、再度戦闘体勢を…!!」


 話がここまで進み全員が再度戦闘体勢になった時だった。どこか近くから爆発音なのか何なのか…とにかく、音が響いた。 


男主人公    「え…?」

マシーントリオα「ん…何ぞ?」


 俺達は反射的にその音がした方を見ていた。すると、そちらの方の木々の中から声が聞こえて来て、それはどんどん近くなって来る。


???「近くで何やら騒がしいと思って、手が空いたから行ってみたら…。」


 そして、その声の主が木々の間から俺達の目の前に姿を現した。そうは言っても、その人物はここにいる大半が知っている人物だった。


男親友 「まさか、お前達がこのダンジョン内にいたとはなぁー。」

女主人公「あー、あなたはー!!」

女親友 「うん、私達もよく知っている彼だね。」

魔法生物「しゅわ。」


 彼からしたら、こちらがダンジョンにいる事に驚いている感じだったが、それはこちら側のパーティ全員も同じである。まあ、ポンコツ化している転生神はどう思っているのか別として。…そもそも、今の状況を把握出来ていないかもしれないのでアレだが。

 しかし、彼の登場に驚いているのは我々だけでは無かった様だ。


マシーントリオα「な、何故に、お主がここにおると!?」

マシーントリオΘ「誰よあれ?」

マシーントリオβ「デュオ時代にあの小娘達と戦った時に一緒にいた奴よ。」

男親友     「あー、そういやお前等と出会うのはそれ以来だな。

         どうやら、知らない間に1体仲間が増えている様だが?」

女親友     「うん、だからデュオからトリオになっているんだよね。」

女主人公    「そうそう、種族名も変わっているみたいだったね。」

男親友     「なるほどな、オペレーターが苦労してそうだな。」

オペレーター  「えぇ、まあ…それなりには…(苦笑)」


 まさに、彼のその言葉は俺達のパーティと彼らの戦闘を最初から見ていたのでは無いかと思えてしまう内容だ。まあ、たまたまそんな感じの言葉になっただけなのだろうが。


男主人公「それで、何でここに?」

男親友 「ん? あー、こっちはこっちで別の予定の最中でな。

     ただ、その最中にちょっとばかし面倒な事が起こってなー。」

女親友 「面倒な事?」

女主人公「何それ?」

男親友 「あー、まあ大した事では無いんだが、

     それを解決しようとしている道中にお前達と遭遇した感じだ。」

男主人公「なるほど。」


 とりあえず、向こう側の状況が全然分からないので、俺はそう答えておく事しか出来ない訳だが。それはさておき、彼の登場でこちら側の戦況が少し変わった感じだった。


マシーントリオα「まぁ良い、貴様とは再度手合わせ願いたかったからなぁ?」

マシーントリオβ「そういう訳だ、ここであったが…もういいわ!!」

マシーントリオΘ「我々と手合わせしていただこうかねー?」


 どうやら、彼らの標的が俺達から彼に変わったらしい。いや、でも強さで行ったら彼の方が圧倒的に強いのだが…ああ、彼らは戦闘狂的な所もあるのだろうか。


女親友   「いや、予定の最中って言っていたんだけど…?」

男親友   「まあ、問題はねぇよ。

       どこか完全に外部からの依頼や、

       外部の同行者がいる様な状態では無いからな。」

女主人公  「あー、そうなんだ?」

男親友   「それに、向こう側はやる気満々みたいだしな。」

オペレーター「まあ、それはそうでしょうね。」

男親友   「ま、ここで勝負を拒否して本当に

       外部の何やらをやっている時に出くわすのはアレだからな。」

男主人公  「あー、なるほど。」


 本音は一番最後の言葉だろうな。確かに、それならまだ自由に動いていても大丈夫な時に勝負を受けておいた方が彼からしたら良いのかもしれない。

 まあ、とりあえず、何はともあれ彼がマシーントリオ達からの手合わせを受け入れたという事には変わりない訳だ。…この場合は、このイベント戦闘はどうなるのだろうか。知りたくても一番詳しいだろう存在はポンコツ化していて会話が出来る状況では無いし、ここは流れに従う方が良いのかもしれない。


マシーントリオα「よし、決まりだな?」

男親友     「あぁ、そうだな。」

女主人公    「あれ? でも、彼も加わったらこっちは5人になるよね?」

女親友     「あー、そういやそうなるねー。」

男親友     「あー、多分だがそれは関係ねぇよ。

         オペレーター、今の戦闘内容はどういう形になっている?」

オペレーター  「え? あー…はい。

         彼らがアナタの方に全面的に標的を変えているので、

         彼らとアナタだけの戦闘という形の内訳になっています。」

男親友     「そう言う事だ、つまりは…

         パーティの定員オーバーを気にする事はねぇ訳だ。」

男主人公    「な、なるほど?」


 いつもなら、このタイミングで俺が転生神に聞くなり、転生神本人が付け加えで仕様やら例外やらの解説をしてくれる形になるのだが、今はとりあえず聞いた内容だけで把握出来る部分を把握して行くしか無いか。


男親友 「まあ、そういう訳だ。

     お前等は、後ろにいる彼女を守っておいてやれ。

     その状態だと、もし流れ弾が飛んだ時にアレかもしれないだろ?」

男主人公「あぁ、そうだな。」


 彼の言葉に俺がそう答えた後、俺達3人は転生神の周りに固まって、彼女の護衛をする形を整えた。…まあ、さっきまでのアレを見ていた限りだと、護衛なんていらない様な気がしてならないが、それでも念には念をだ。

 そして、俺達がその体勢を整えたのを確認して彼はマシーントリオ達の方に向き直りこう言った。


男親友     「さて、こっちもそっちも後方も準備は大丈夫らしいな。

         掛かって来な、お前達の望み通りに相手をしてやるよ。」

マシーントリオ達「よっしゃあー!!」


 どうやら、これより彼らの戦闘が始まるらしい。まあ、当然だが先に攻撃を仕掛けたのはマシーントリオ達の方だった。そらまあ、彼がああいう言葉を発した訳だから先に行動するのは流れ的に向こう側になるのはそうだろう。

 ただ、こういう時は先に動いた方が大抵無防備な状態で攻撃を仕掛ける形になる。こちら側のパーティの場合だともう1人の転生者の彼女が今回の戦闘だとそうなっていて、相手側に簡単に攻撃を避けられたりしていた感じだ。その為、彼らにも同じ事が起こる可能性があるかもしれないが、彼らは同時に攻撃行動に入っている…その為、そこら辺の互いの穴をそれで補っていたりもする。

 案外、マシーントリオ達はその彼らの習性から、それぞれが無防備な状態で攻撃や行動をしていても上手くカバーが出来る構成なのかもしれない。それはそれで、怖い相手ではあるのだが。しかし、攻撃対象になっている彼に掛かればそんな事は関係無いらしい。

 マシーントリオΘ後方から放っている魔法弾は着弾しそうなモノを全て素手で叩き落とすなりかき消しているし、ほぼ同じタイミング両手の剣を振り回しながら突撃して来ているマシーントリオβの攻撃は全て回避している。あれ、彼は回避型の人物だったろうか?

 まあ、それはさておき。攻撃を回避している時に出来たであろう隙のタイミングを突いてマシーントリオαも攻撃を入れて来るのだが、あくまでもそれは攻撃を入れて来ただけであって、ダメージを与えられる所まで…というか被弾の段階まですら行かなかった。


マシーントリオα「なぬ!?」

男親友     「悪いな、しっかりと掴まえたぜ?」


 マシーントリオαが隙を突いて入れていた斬撃を彼は両手で取り押さえて防いでいた。まあ、白羽取りみたいな感じのアレである。位置が真正面でのそれになっているので、果たしてその表現が正しいかは別になるだろうが。

 そして、相手の武器を掴んだという事は彼の言っていた通り、相手側を掴まえたという事になる。その後に待っているのは。


男親友     「ほらよっと!!」

マシーントリオα「あらー!?」

マシーントリオβ「ん? ぼげぇぇぇぇぇ!?」

マシーントリオΘ「は? のわあああああ!?」

女主人公    「あー…見事に3段ヒットだ。」

女親友     「あなたも同じ様な事はしてたけどね…?」

男主人公    「ははは…。」


 彼は武器と一緒に掴まえた状態になっていたマシーントリオαをマシーントリオβに向けて放り投げたのだった。そして、マシーントリオβにマシーントリオαがぶつかった勢いのまま彼らはさらに後方に飛ばされて、そのままマシーントリオΘにもぶつかった形だ。どうやら、これはたまたまではなく、相手側の攻撃を避けつつ、この3体が直線上に並ぶ位置に陣取ってこのタイミングが来るのを待っていた感じの行動だった。


男親友「どうした? もう終わりか?」


 傍から見ても分かるが、彼は超余裕そうである。まあ、事実さっきの行動も流れる様に決まっていたのを見ると、本当にそうなのかもしれない。だが、マシーントリオ達がこの程度で終わる事は無い。当然の様に、彼らは3体共に起き上がって来た。


マシーントリオΘ「ほーう、やるではないか。」

マシーントリオβ「まさか、武器を使わずに我々を手玉に取るとは。」

マシーントリオα「流石だと行っておこう、そして…

         おいお主よ、武器を使えよ…とも言っておこうかね。」


 そういえば、彼はこの戦闘に入ってからまだ武器を手に取ってすらいない。見た通り素手だけで対応している状態だった。


男親友「なら、ご希望に合わせて…というやつで行くか。」


 ここで、彼がこの戦闘で初めて自分の武器を装備した。俺が戦術学校で初めて彼と出会ったあの戦闘…というか緊急事態の時に装備していたアレである。


マシーントリオΘ「何でい、武器持っとるんやないけ。」

マシーントリオβ「だが、そうで無くてはなぁ。」

マシーントリオα「さあ、掛かって来るが良いよ。」

男親友     「なら、今度はこちらの番という事だな。」


 掛け合いが終わると彼はすぐさまマシーントリオ達の方へと接近する。マシーントリオ達も攻撃が来る事が分かっているので、対応する構えだ。マシーントリオ達の場合なら無防備な状態で攻撃するにしても他のメンバーが結果的にカバーしている形になっていたが、今回の彼の場合は1名だ。そして、状況は向こう側が攻撃が来るのを待っている状態…これは、文字通り接近するとなると無防備な状態でという事になる訳だが、まあ彼にはそんな状況は関係無い模様。 


男親友     「おらぁー!!」

マシーントリオ達「あらー!?」

女主人公    「うわぁー…強ーい。」

女親友     「まあ…戦闘狂みたいな所あるし、仕方ないんじゃない…?」


 彼は武器を大きく振り回してマシーントリオ達を一気に薙ぎ払って吹き飛ばした。当然だが、吹き飛ばされた彼は地面で伸びている。そして、その彼を見ていた彼女達は彼の強さを知っているのは知っているのだが、改めてこの圧倒ぶりを見させられると半ば少々引いている感じの反応になっていた。…まあ、分からなくは無い。そもそも、彼は俺達の誰よりもレベルが高いのも事実でもある為、俺達から見たら彼の動きは圧倒的に見えても仕方ない訳だ。


男親友「どうやら、勝負あり…って感じだな?」


 まあ、流石に彼らの表情を表しているモニターにも明らかに体力削り切られただろう的な表情が写されているのが見えるので、その言葉の通りだろう。彼は、とりあえず武器をしまった。


マシーントリオΘ「何のぉ…まだまだよぉー。」

マシーントリオβ「我々のしぶとさ…侮ってもらっては困るな。」

マシーントリオα「そういう事だ…まだ終わらんよ。」

女主人公    「嘘ぉ!? まだ起き上がるの!?」

女親友     「タフなのか何なのか…。」

オペレーター  「まあ…自分達でしぶといと言っていましたし…(苦笑)」


 とりあえず、彼らはまたも起き上がった。そして、そのまま攻撃態勢へと入っていた。


マシーントリオα「おーら、突撃ぃー!!」 

マシーントリオ達「うおおおおおー!!」


 彼らは文字通り、一斉に彼の方に向かって突撃を行って来た。捨て身の一撃を3体が同時に放って来ているという事だろうか。普通ならこれは恐ろしい光景なのだが、彼にとってはそうでは無かった。…というよりは、その行動を見て彼は「ふっ。」と笑っていたのだ。つまり、彼らのこの行動は彼にとっては想定内の行動だったという事だ。


男親友「だろうと思ったさ、なら最後まで付き合ってやる。」


 そして、彼は右腕を前方に向けて構える。紛れも無くこれは攻撃を行う前の動作だ。マシーントリオ達も「ぬっ!?」と反応していたので、それにはいち早く気づいた形ではあったのだが、それでも遅かった。もう、彼らの距離は近接攻撃が普通に命中する圏内辺りまで縮まっているので、今から回避行動をした所で彼がこれから出す攻撃は避け様が無い。


男親友「吹っ飛びなぁ!!」


 次の瞬間、彼の右手から魔法攻撃…なのだろうか、とりあえずビームいや、粒子砲レベルかそれ以上だろうと思われる何かが放射された。


マシーントリオ達「あーれー!?」


 それは、近距離まで来ていた3体のマシーントリオ達を一瞬で捉えて、空高く遠くまで吹き飛ばしたのだった。そして、こういう時はお約束の空にキラーンと音を立てて光が出るというアレが起こっていた。…まあ、いずれにせよ、長かったマシーントリオ達との戦闘はこれで終わった形にもなった。


他全員「…………………………。」


 だが、そんな事には気が回せないレベルで彼以外のこの場にいた全員は言葉を失ってその光景を見ていた訳だが。ちなみに、転生神はまだポンコツ化している状態なのでそんな事は無いのだが。…まあ、それを言ったら魔法生物も普段通りの表情と仕草をしていた訳だが。


男親友 「さて、終わった様だな。」

男主人公「え…あぁ…そうみたいだな。」


 彼に戦闘が終了した事を告げられて俺達はようやく現実に意識が戻る。


男親友 「近くに勝負を仕掛けてきそうな他の魔物もいなさそうだな。」

女親友 「あんなの見せられたらねぇー…?」

男主人公「あぁー。」

女主人公「…あ、そういや、さっきの戦闘の経験値ってどうなるんだろ?」


 彼女達の言っている事には、確かにとしか思えないな。前者の方に関しては勝負を仕掛けて来る魔物がというよりは、今のを見ていた魔物達は当分の間はこちらに勝負は仕掛けて来ないだろうというか…うん、逃げて行きそうだ。そして、後者の方に関しては、今の戦闘イベントバトルとは言え終わり方が特殊な形だがこの場合の経験値は誰に入るのだろうか。いやまあ、似た様な感じで他の人に倒してもらって戦闘が終了した…という体験はしているから、その時と同じ形になっているのだろうか。

 経験値の方の疑問の事で少し考えていると、その疑問が解消する方法をオペレーターが教えてくれた。


オペレーター「あー、それならカードを見てみては?

       該当経験値の部分の数字を見れば分かると思いますよ。」

女親友   「あー、そういやそうだったね。」

男主人公  「盲点になっていたよ。」

女主人公  「そうだね。

       …で、元の数値を覚えて無いんだけどなぁー。」

男親友   「あー、それはそうなる可能性はあるわなー。」


 彼女の言葉を聞いて俺も正直そう思っていた。…というよりも、ポンコツ化している転生神と彼以外の3人がそうだという感じだろうか。つまり、こちら側のパーティの大半はそんな感じという事だ。


オペレーター「あー…数値じゃ分からない感じでしたら、

       ログの方を見てみてはどうでしょうか…?」

男主人公  「なるほど。」


 とりあえず、俺達はログから今の戦闘のログを見てみた。これは凄い、詳細に今の戦闘の記録が見られるじゃないか。うん、受けたダメージや与えたダメージや攻撃回数やら色々と…うん、見ているだけで俺はそれらの数字を見て何だか申し訳なくなって来る。…とは言え、そこで俺達にもちゃんと今のイベント戦闘の経験値が入っている事が目視で確認出来た。


女主人公「あ、ちゃんと入ってるみたいだね。」

男主人公「そうらしい。」

男親友 「まあ、戦闘が終わった時に

     戦闘不能状態とかになっていないなら基本的に入るだろうよ。」

女親友 「あー、確かに。」


 まあ、言われてみればそれはそうだろうなという事だ。現にあのチュートリアル戦闘の時だって、戦闘を終了させたのは俺や転生神じゃなくて他の人だったが、俺と転生神には経験値は入っていた感じだったからな。今回は、それと同じ様な感覚を体験した…そういう事だろう。


女主人公「あ、何気にさっきの魔物達も新しい種族名の方で記録されてるね。」

男主人公「言われてみれば。」

女親友 「まあ、そういうのは分かった時から適応されてる仕様だし。」

男親友 「ま、例外の時はあるが基本的にはそんな感じだわな。」


 例外の時か…おそらく、その例外の時は俺は既に経験している気がするな。まあ、ここにいる他のメンバー達も、もしかしたらそういう感じのはあるのかもしれないが。


男親友   「今回の戦闘に関しては、

       オペレーターが頑張ったからだろうがな。」

女親友   「あー、データベースへの追加大変そう…。」

オペレーター「大丈夫ですよ、皆さんの戦闘内容から

       得られた情報をちゃんと追加出来ていますから。」


 いや、本当に色んな意味でその作業自体大変そうではあった気がするのだが、まあ本人がそう言っているのでここでは突かないでおこうか。


男親友 「さて、これで先へと進めそうだな。」

女親友 「そうだね…本来の私達の目的は最奥部だし。」

女主人公「あー、そういやそうだったっけか。」


 そう、俺達がこのダンジョンを攻略している理由は、光を失っていて効力が発揮できない状態になっているそれぞれのマテリアルストーンをどうにかしてもらう為に必要な素材を集めに来ているという理由だ。ギルド協会で彼女に相談して発行してもらったクエストの内容では最奥部に行く必要がある。


男親友 「事情は知らんが、どうやら同じ場所を目指しているらしいな。」

女親友 「そうなの?」

女主人公「あ、それじゃあ同行してもらおうかー?」

女親友 「あー、そうだね、それなら戦闘は楽になりそうかもね。」

男親友 「ん、構わないが何か悩んでいる奴がそこにいるが?」

男主人公「いや、同行してもらう場合気になる事があって。」

女主人公「気になる事?」


 まあ、パーティのシステムみたいな事で気になる事な訳だが。


男主人公「彼に同行をしてもらうという事は、合計メンバーが5人になる。」

女主人公「うん、そうだね。」

男主人公「そうなった時、パーティメンバー…

     というか隊列というか、そこら辺の事はどうなるのか気になって。」

女親友 「あー、基本的に戦闘に出られるのは4人までだしねー。」

女主人公「あー、あぶれちゃう1人をどうしたら良いのかって事か。」

男親友 「戦闘中の人数制限の事なら

     現状は気にする必要が無さそうだが…?

     いや、正確には気にする必要以前の状態じゃないか?」


 俺達は彼の言葉に対して疑問符が浮かんでいる様な表情になる。それを見て、彼が視線を動かす。俺達は彼の視線の先に目を向けてみる。その視線の先にあったのはポンコツ化した状態で立っている転生神の姿だった。


女主人公「あ、この人の事すっかり忘れてたかも。」

女親友 「えぇ…じゃあ、今の話の流れにならなかったら危なかったかも。」

男主人公「いや、一応こちらは覚えていたから安心してくれれば…。」

女主人公「あー、なら良かった~!!」


 まあ、転生神の事をすっかりと忘れてしまっていても状況的には仕方ないのは分からなくは無いが。確か、最後に喋ったのは明らかに大丈夫そうじゃないのに、大丈夫だと言っていた様な感じの時辺りのはずだし。


オペレーター「と、とにかく…

       彼女をどうにかする方法を考えないと行けませんね。」

女主人公  「うーん、歩き出したら普通について来てくれたりは…?」

女親友   「普通はそんな事は無いとは思うけどなぁ…。」


 いや、彼女ならポンコツ化していても自然な流れで付いて来てくれるかもしれない。さっきの戦闘でも本当にポンコツ化しているのかレベルの動きをしていた事もあったのを見ているので、どうしてもその可能性が消えない。だが、今の状況の彼女に色々と求めるのは酷すぎる話だ。


男主人公「…自分達でどうにかするなら、

     何とか彼女を運ぶ方法を考えないとアレだろうな。」

男親友 「まあ、そうなるな。

     仮に自然と付いて来たとしても、

     この状態だとふらふら状態で…だろうしな。」

女主人公「あー、それは確かに危険だね。」

女親友 「じゃあ、運ぶ方法を考えるしか無さそうだね。」


 とりあえず、その方向性で行く事になったが、問題はそれの手法だ。


女主人公「…で、どうやって運ぶの?」

女親友 「そりゃ…誰かが担ぐなりじゃないかな?」

男親友 「あー、ならこの中で一番物理能力がある俺が適任か。」

女親友 「でも、あなたは同時に戦闘能力も高いからなぁ…。」

男主人公「あぁ、魔物に勝負を挑まれた時には自由でいてもらいたいな。」

女主人公「あー、それ言ったら私も自由でいた方が良さそうだよね。」

女親友 「そうだね…そして、私はそもそも物理能力は非力だから…。」

女主人公「あー、そうなると…。」


 ここで、全員が俺の方を見る。まあ、話の流れ的にそうなるのは大体想像出来ていた。出来ていたが、俺には彼女を担ぐ行為に対して少々アレな所があって、そのままの流れで受け入れる事が困難だった。


男主人公「えー…あー…。」

女親友 「何だか、明らかに乗り気じゃ無さそうだけど…?」

女主人公「あー、うん…アレは分かりやすいね。」

男親友 「…何だ、訳ありか?」

男主人公「いやまあ…彼女が…という訳では無いが、色々とあってな…。」


 これは、俺が生前の時の話だ。容易に語る事は出来ない。転生神が普段通りの状況じゃ無いなら、なおさらの事だろう。それは、同時にこちら側の話をフォローしてくれる相手が一切いない状態でこの世界での出来事じゃない事を話す事になる訳だ。こういうのを仮に話すとしても彼女が正常の時じゃないとアレだ。

 まあ、簡単な話が生前の時に、俺は女性を介抱して本人の承諾の上で担いで運んだ事があったのだが、それを見た周囲の人間は事案だとネタにして楽しみ、それ以降そのネタを使って俺をゆすったり脅したりしてストレス発散道具にして来た訳だ。事情を知らない相手からしたら、そう判断しても仕方ないのだが説明してもまともに聞かない様な相手ならそれはどうしたら良いのだという話だ。そして、その事でさらに最悪だったのは承諾をしていた本人も、周りで楽しんでいた側の人間だったという事。介抱の必要があったのは仕込みとかでも無く事実だったのは裏取りが出来ていてはっきりとしているが、それが終わった後の言動は明らかにそっち側の人間と同じで理不尽極まり無かった訳である。礼やらが欲しかった訳では無いが、せめてそういう面倒な事を起こしたり悪化させないでくれとは正直思ったが、まあ無理だった訳である。当然だが、その彼女にその時の事の証明やらを求めたとしても向こう側の人間である時点で、こちら側の援護何ぞという感じでむしろ同じ様に脅しやゆすりのネタにされたり、本人含め周りの人間がそのネタを楽しんで誇張して行くなどの行き過ぎた所まで行っていた訳だが。

 とりあえず、簡単に言えば現実世界での女性との間にあった出来事が運が悪かっただけだがよろしい内容が無いのもあって、触れるのもそうだが露出を見るのもあまり得意では無い。基本的に極力避けられるのであれば避けた方が自分の為でもあり、相手側の為でもあると考えているレベルだ。…まあ、全員が全員そういう様な事をして来るという事はあり得ないが無くも無いという事でもある。故に、その時に俺がいた環境は単にそういう様な人達がいる環境であり、俺の運が悪かっただけの可能性もあるという事でもある。

 その為、俺はああいう反応になってしまった訳である。たとえ、そう言う事を理解している転生神が相手であったとしても。…こういうのは、なかなか消えないトラウマだという事だ。ちなみに、逆の立場であったとしても同じ様な感じで困難なのもありそうだが、そっちの場合は申し訳なさも一緒に出て来るのでさらに困難だろうな。…まあ、一切という訳でも無いが、行動の選択が出来るなら選択させてもらいたいという訳だ。


男親友 「なるほどな…とりあえず、

     担ぐ以外の方法を考えた方が良さそうだな。」

男主人公「…助かります。」

 

 彼は何かを察した様で他の方法を模索してくれる感じだ。


女親友   「うーん、担ぐ以外に運ぶ方法かー。」

女主人公  「文字通り、運ぶ方法があれば良さそう?」

男主人公  「あー…搬送…的な?」

女主人公  「あー、そうそう!!

       搬送だよ、搬送って方法があるじゃん!!」

女親友   「あー、言われてみれば…。」

男親友   「まあ、現状を考えたらそれがベストだろうな。」

女主人公  「後は、何か乗せる物とかあればなぁー。」

男主人公  「…見た感じ周りにそういう物は無さそうだな。」

女親友   「そこは気にしなくても良くない?」

男親友   「そうだな、オペレーターと繋がっているなら尚更な。」

男主人公  「え?」

女主人公  「どういう事?」

女親友   「ま、まあ…すぐに分かるんじゃないかな?」

男親友   「そういう訳だ、オペレーター。

       それらしい物をここに転送してくれ。」

オペレーター「分かりました、少々お待ちください。」


 それらしい物の転送とは一体。すると、次の瞬間だった。俺達の目の前に荷馬車の様なモノが現れた…というか転送されて来たというのが正しいだろう。ちなみに、この荷馬車の様なモノには馬は付いて来ていない。つまり、完全に人力用であるという事が見ているだけで分かる。


女主人公「凄い…こんな事出来るんだ。」

女親友 「まあ、私達が普段カードから

     何か取り出している時と同じ感じのアレだけどね。」

男親友 「それをギルド協会の方から転送という形でやってもらっただけだ。」

男主人公「な、なるほど。」


 とりあえず、俺達は理解したという事にしておこうという反応で済ませる。そして、話は先へと進んで行く。


男親友 「後は、これにどうやって彼女を乗っけるか。」

女主人公「あー、そうだね。」

男主人公「とりあえず、入り口は開けておくとして。」

女親友 「後は、どうやって乗っけるか…どういう体勢で乗っけるか。」


 乗せ方について少し俺達が考えているその時だった。ポンコツ化している転生神ふらーっと動いて自分から荷馬車の様な乗り物に乗り込んで座ったのであった。


女親友 「…自分から乗り込んで行くんだ。」

女主人公「…ってか、正座じゃ足痺れないかな?」

女親友 「え…気にする所、そこ?」


 いやまあ、彼女達の言っている事は全て分かるのだが、まあ本人が乗り込んでその体勢でいるならそれはそれで良いのでは無いだろうか。そう考える事にした。


男主人公「と、とりあえず、自分から乗ってくれたのは…うん。」

女親友 「この人…本当にポンコツ化しているのかな…?」

男親友 「さぁな…まあ、結果オーライってやつだろ。」

女主人公「そうだよ、そういうやつだよ!!」


 とりあえず、彼女が自分から乗り込んで行った事に関しては、もう誰も深く考えない事にした事がよく分かる。さて、後はこの後の事だが、それは案外話がするすると先へと進む。


女主人公「とにかく、乗ってくれたって事は運ぶ準備が出来たって事でしょ?」

女親友 「あ…うん、まあ…そうだね。」

男親友 「さて、後は誰がこれを人力で引くかだが。」

男主人公「あー、それぐらいなら大丈夫だから。」

男親友 「そうか、じゃあお前に任せるとするか。」


 触れる事が無いなら、先ほどの事でアレになる事はそうそう無いはずなので、今いるメンバーの状況を的に先程の話通り俺が運ぶのが最善ベストなので、俺がその役を行う事にした。とりあえず、これで彼女を運ぶ方法に関しては大丈夫だろう。だが、オペレーターには少し気になる事がある様だった。


オペレーター「その姿勢で大丈夫でしょうかね…?

       せめて、周りの壁と同じぐらいの高さでいてもらった方が?」

女親友   「あー、道中で戦闘が発生したら、

       もしかしたら流れ弾が飛ぶ可能性があるから…。」

男親友   「そうだな、周りの壁の部分に着弾した程度なら、

       攻撃を弾いたり衝撃の吸収をしたりでそれよりも

       中側にはそこまで影響は出ないだろうが、これじゃあな。」

男主人公  「まあ、ほぼ胴体よりも上が

       周りの壁よりも上の高さに来ているよな。」

女主人公  「ほぼ、丸見えじゃん!?」

オペレーター「そうなんですよね…だから、危ないかなぁ…と。」


 彼女がそれについて言ってくれて助かった。おそらく、その話が出て無いと俺達はあのまま進み出そうとしていただろう。とにかく、その部分をどうにかして対処しないといけないだろう。


女主人公「と、とにかく横になってもらって。」

女親友 「…聞こえているとは思えないけど?」


 彼女の指摘の通りか、転生神は正座した状態のままである。


女主人公  「あー、駄目だこれ、微動だにもしないやつだ。」

オペレーター「ど、どうしましょうかね…?」

男親友   「こっちにそう言われてもだなー。」


 まあ、反応に困るのは事実だろう。そこで俺が何となく転生神の方を改めて見るとある事に気づいた。それは、今までに何度か見た事がある光景が彼女の周りに発生していたのだった。


男主人公「あれ? これって。」


 俺の言葉に何気に他の全員も彼女の方を見る。そして、この場にいる全員がその光景に気が付く。


男親友 「何だ? フィールドを張っているみたいだな。」

女親友 「あれ、これって…?」

女主人公「この人がよく使っているフィールドだよね?」

男主人公「あぁ、効力はどれなのかは分からないけど。」


 だが、どの効力のフィールドであっても問題は無さそうではある。彼女のこのフィールドは彼女のチート的な能力の内の1つでしか無いが、その1つのこれも抜けているレベルのそれなので。


オペレーター「それ…大丈夫って事でよろしいのですかね?」

男主人公  「あぁー、どうだろうか。」

女主人公  「ま、まあ…攻撃が飛んできても私達が守れば良い訳だし?」

女親友   「あ…考えるのを止めたね?」

男親友   「まあ、だがそれは一理あるけどな。」

魔法生物  「しゅわ。」


 何だかもう、彼女の体勢はこのままで被弾させない様に立ち回って運ぶという形で自然とまとまっている感じだ。…うん、フィールド張っているのを分かってしまったら、正直さっきの戦闘の時と同じで護衛の必要が無いのではと思えてしまうのが彼女であったりもする。


男親友   「ま、これ以上考えていても、

       それ以上の内容は出ないだろうな。」

男主人公  「まあ、そんな気はするな。」

女親友   「じゃあ、護衛しながら運ぶかー。」

女主人公  「そうだね、それで行こう。」

男親友   「そういう訳だ、オペレーター…手間を掛ける。」

オペレーター「分かりました、全力でサポートしますのでご安心を。」


 どうやら、それで行くらしい。なら、そうするだけだな。


男主人公「後は、それぞれの配置をどうするかぐらいか。」


 必要があるかは別として転生神を守る必要があるので、運んでいる最中の布陣は考えておかないとアレだろう。すると、ここは案外悩む事にならずに話が進んで行った。


男親友 「それなら、前は俺に任せておけ。

     俺の戦闘スタイル的にもそこは俺が適任だろう?」

男主人公「まあ、それはそうか。」

女主人公「あ、じゃあ私達は後ろからついて行く事にする。」

女親友 「え? スタイル的にはアナタは前の方が。」

女主人公「それしたら、誰があなたを守るの?」

女親友 「あー、なるほど…(笑)

     それは、それでありがたいかも。」

魔法生物「しゅわ。」


 そういう訳で、この荷馬車で転生神を運ぶのは俺の役目で、その前を彼に歩いてもらって彼女達はこの荷馬車の後方についてもらう形になった。


男主人公「後ろの2人は入り口が開いたりしないかも見てほしいけど?」

女親友 「あー、それでこの人がずり落ちたら大変だしね。」

女主人公「分かった分かった、それもちゃんと見ておくから心配しないで?」

男主人公「了解。」


 これで、配置問題に関しては何も問題は無さそうだな。そして、ようやく先へと進める材料が揃ったという感じだろうか。


男親友   「どうやら、もう気になる事やらは無さそうだな?」

男主人公  「あぁ、ダンジョンの奥に進むとしようか。」

オペレーター「はい、皆さんこれまで以上に気を付けて下さいね。」

男親友   「さあ、それじゃあ先に進むとするか。」


 こうして、俺達は転生神を荷馬車で運びながら、この森のダンジョンの奥地を目指して行くのであった…。







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マシーントリオα「さーて、やって参りましたな、今回もこの時間が。」

マシーントリオβ「まあ、今回は我々が選出されるでしょうなぁー。」

マシーントリオΘ「これは、想像通りの方々が多いのではないかねぇ?」

転生神     「まあ、独特な癖が多々ある方々ですからねぇ~(笑)」

オペレーター  「多々…で済むんでしょうか…?」

マシーントリオΘ「細かい事は気にしてはいかんよ、オペレーターさんよ?」

マシーントリオβ「うむ、石ころ並みに細かい内容よー。」

オペレーター  「それは…あの、サイズ次第では色々な言い方が…?」

転生神     「まあまあ、それ以上は言いっこ無しという事で(笑)」

マシーントリオα「うむ、そう言う事である…って、何故にお前は平常状態なのかね!?」

オペレーター  「確か、本編ではああなっておられましたっけ…?」

転生神     「何故って…本編とここは別物の世界観的なアレなんですぅ~!!

         何なら、こっちでもポンコツ化になりましょうか~!? (> <)」

マシーントリオβ「止めておくれ、こちらが色々と申し訳なくなる。」

マシーントリオΘ「うむ、我々だけでも収集が危ういのに、その危険度が増すだけだからな。」

転生神     「そんな、きっぱりと断ります~? (・ω・)」

マシーントリオα「そんな顔をするでないよ。」

オペレーター  「…あの、そろそろ話を進めて行きませんか?」

転生神     「あー、ですね~!!」

マシーントリオα「そういう訳で、ようやく今回で我々が登場出来たという訳じゃが。」

マシーントリオβ「ようやく…?」

マシーントリオΘ「そういう設定の話し方をしておるのじゃよ。」

転生神     「相当、台本スレスレの事をやってくれますねぇ~。」

オペレーター  「…あなたもです。」

転生神     「まあ、そんな細かい事良いじゃないですかぁ~。」

マシーントリオα「お主が言うのかね。」

マシーントリオβ「…と、αが申しておりますが議長?」

マシーントリオΘ「我々3体の中だとその役割をするのがαなのだが…?」

マシーントリオβ「あー、そうだったな。」

マシーントリオΘ「つまり、アレが決議内容で良かろうて。」

マシーントリオα「そういう事である。」

転生神     「えぇっと、何の話です~?」

オペレーター  「いや、あのー…もう既に収集が付かなくなっていそうなんですが…?」

マシーントリオα「おっと、これは失敬…で、何の話だったか?」

マシーントリオβ「何か、ようやく我々が登場とか何とか言って無かったか?」

マシーントリオΘ「既に数秒前のセリフが危うい模様…www」

マシーントリオβ「スクロールして見るかね!!」

マシーントリオΘ「名案だな。」

マシーントリオα「よし、双子葉類。」

オペレーター  「…メタメタしいですね。」

転生神     「ですねぇ、メタメタですねぇ~(笑)」

オペレーター  「え…メタメタ? それだと捉え方次第では意味が全然違う事になるのでは?」

転生神     「まあまあ、それはそうでも良いんじゃないですかねぇ~?」

オペレーター  「え、あ…良いんですか?」

転生神     「はい、メタメタしいのかメタメタにやられた的なアレなのか…ですよね?」

オペレーター  「あー、言ってしまうんですねー。」

マシーントリオα「お、待たせたな。 スクロールして見て来たわ。」

マシーントリオβ「合ってた合ってた。」

マシーントリオΘ「…で、話そうとしていた内容も思い出したらしいぞ?」

転生神     「あー、良かったじゃないですか~(笑)」

オペレーター  「…ってか、忘れてたんですね。(汗)」

マシーントリオα「うむ、だが思い出したからには問題無い。」

マシーントリオβ「大船になった気持ちでいておくれ。」

マシーントリオΘ「まあ、半分泥船の様な感じに見えるかもだがなぁー。」

転生神     「自分達で終着点まで持って行かれますかぁー。」

オペレーター  「と…とりあえず、また収集が付かなくなりそうなので。」

転生神     「ですね、やっちゃってください!!」

マシーントリオα「あいよ、そういう訳でいよいよ我々が登場した訳だが。」

マシーントリオβ「非常に癖が強いキャラが出て来た感じだっただろう。」

マシーントリオΘ「今後の登場人物達にも期待しておくれよー…という事である。」

転生神     「はい、ありがとうございます。」

オペレーター  「えぇっと…これだけの為だけに、こんなにも酌を…?」

マシーントリオΘ「まさに、妖怪尺取り機械だろうなw」

マシーントリオβ「自分で言うのかね?」

マシーントリオα「…して、転生神よ? 今回はタイトルに前編とあるが?」

転生神     「まあ、あるという事はそういう事でしょうね~。」

マシーントリオΘ「なるほど、それが聞けてスッキリした。」

マシーントリオβ「まあ、無かったら書かんだろうなぁー。」

マシーントリオα「うむ、だろうな…よし、帰るか!!」

転生神     「ですね~、話す事も終わりましたし、そうしましょうかぁ~。」

オペレーター  「えぇ…!? 締めの挨拶は…私ですかぁ!?

         と、とにかく…ここまで見ていただきありがとうございました!!

         次回の方も楽しみにしていただけると幸いです!!…って、待って下さーい!!」

魔法生物    「しゅーわ。」 (やれやれ…。)


        <by 転生神 and オペレーター and マシーントリオ達 and 魔法生物>


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ご閲覧、ありがとうございました!!


何とか、この前半部分でマシーントリオ達との戦闘場面を終了させられて一安心です(笑)

 →半ば、強引に突破されていた感じしかしませんがwww


タイトルにもある通り、今回の話は内容の都合上、前編と後編に分けて執筆させていただいておりますので、後編の方を気長にお待ち下さいませ。

 →今回は前回の文字数制限に引っ掛かったのもあり、メモ帳の方で行数を調整しながら書いていたので、まあそこら辺の事は起こらなかったですが、お察しの通りという事も出あるかもしれませんね(笑)


まあ、何とかこの季節のこの期日に1話分が出せて良かったです。

今後も、8月の例のタイミングと12月のこのタイミングには、何か無い限りは1話ずつは投稿出来たら良いかな…と思っております。

 →運やらが良ければ、以前の様に年末年始に1話ずつの計2話を連日で…という年もあるかもしれませんが、まあそれは以前の時が運が良かっただけかもなぁ…と。

(そこは、どうなるかは今後は今の所は未定ですね…出せそうなら出す、無理そうなら無し…そんな感じになるでしょう。)


まあ、毎度の事ながら、気長にお待ちいただけると幸いです。


さて、今回の制作者側からのコメントはこの辺で終わりとさせていただきます。


再度、重ねてとなりますが、ご閲覧いただき誠にありがとうございました…!!


        <by 制作者>


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後編へ続く→




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