表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/40

5,初めてのクエスト

 白い靄が晴れ、私の視界にギルドが映り込んでくる。


 ギルド内はおしゃれなバーのような内装をしており、カウンターに座ればバーテンダーが出てきそうな雰囲気だ。

 壁には大きめのコルクボードが設置されており、そこには羊皮紙に赤いインクで何やら文字が書かれている。おそらく獲物の情報だろう。



 私がギルド内を見回していると、お兄さんがニコッとしながらこちらに声をかけてくる。


「ようこそ、暗殺者ギルドへ。雰囲気たっぷりだろう?」


 本職の方が雰囲気とか理解しているのか、とも思ったが、このお兄さんが暗殺者であるかどうかはまだわかっていないんだった。まぁ、これまでのことを考えると違かったら違うで怖いけど。


「さて、じゃあまずは自己紹介からはじめようか。私の名前はナナ。このギルドの暗殺者の一人だ。呼び方は好きにしてくれてかまわないよ。」


 お兄さんもとい、ナナさんがいつも道理の笑みを浮かべる。

 やっぱりこの人も暗殺者だったんですね。普通の人は血に慣れる方法をあんなに饒舌に語らないですしね…


「わかりました、ナナさんと呼ばせていただきます。今後もご指導よろしくお願いしますナナさん。それで、私の名前は――――」


「あぁ、ちょっとまって、教えてほしいのは本名じゃないんだ。なにか、こう…偽名をここで作ってくれるかい。僕を通して君の本名がばれたときに責任が取れないからね。ほら、僕たち捕まったら拷問とかされちゃうだろうし。」


 …その拷問とかいうやつはもちろんプレーヤー適応範囲外ですよね?信じてますよ?

 ま、まぁ、今は忘れよう…にしても偽名ですか、私の可愛い「チョコ」が使えないのは残念ですけど、これはこれで胸が高鳴りますね!


「そ、それじゃあ…シャルロッテでお願いしま…いえ、私の名前はシャルロッテです。よろしくお願いします。」


 名前の由来?ないですよそんなの。ぱっと浮かんだ可愛い名前を言っただけです!

 しかし、このクールな顔からシャルロッテか…いいじゃない…!!いいギャップだぁ!!唐突に言われて適当に決めちゃったけど気に入りましたよ!!


「うん、よろしくシャルロッテ。君の名前を聞くだけで為政者たちが軍を動かす、そんな活躍を目指していこう。」


 目標が高すぎると思いますよ!でも、やるからには高みを目指しましょう!やってやりますよ!


「ところでナナさん、メンバーは他にはいらっしゃらないんですか?」


 そう、現在ギルド内には私とナナさんのみ。ほかの暗殺者の方がいないのだ。

 もしかして、ほんとに人員不足だったりするのかな。


「あぁ、他メンバーならほら、君の後ろに…なんてね。はは!いいリアクションをしてくれるじゃないか。ごめんね、冗談だよ。ほかの皆は仕事に出たり、別拠点にいたりまぁ、まちまちだよ。今日ここにいるのは僕一人の予定だったんだ。」


 すごい勢いで後ろ振りむいちゃいましたよ…茶目っ気もあるとか本格的に掲示板をにぎやかしそうですねこのお方。

 仕事かぁ、暗殺者の仕事って殺し以外にもあるのかなぁって思ったけど、情報収取とかはありそうですね。隠密行動も学ばねば。


「そうなんですね、いずれ別の拠点にも行ってみたいと思います。それで、皆さんは仕事をしているそうですけど私は何をすればいいのでしょうか。正直いきなり暗殺とか言われてもできる気はしないんですけど…」


「そうだね。君にはまず暗殺者らしさを身に着けてもらう必要があるね。今からしばらくはその訓練だ。まぁ、仕事のほうもやろうと思えばできるんだけどね。ほら、君渡り人だろう?爆弾でも持って敵地に突っ込んでいけば…冗談だよ?冗談。でも、手段としてはかなり有効だと思うから爆弾は常に持っておくといいよ。はいこれ。」


 チョコは爆弾を手に入れた!!じゃねえよ!なんなんだこの人やっぱりサイコやろうじゃねえか!NPCが初手死に戻り爆撃を提案するんじゃあないよ!でも、有効なのは私でもわかるのでこれはもらっときます!なんか羽織るものでも買って内側に仕込もう。


「そうなると外套なんかも必要だね。よし、そのあたりの装備は僕が見繕っておくよ。新人サービスだ。ということで僕が装備を渡す代わりに君には暗殺者が何たるかを学んでもらうよ。頑張ってきてね。」


『クエスト:「暗殺者になるために。」が開始されました!内容を確認しますか?』


 ナナさんの激励をいただいたと同時に脳内にメッセージが届いた。

 もちろん確認しましょう。


『クエスト:「暗殺者になるために」は複合クエストです!』

『クエスト:「身分を確保しよう」他のギルドで本名を使い、この世界での身分証を発行しましょう!』

『クエスト:「初めての暗殺」動物を一匹、戦闘状態になることなく倒しましょう!』


『ミニクエスト:「寡黙な暗殺者」有能な暗殺者は多くを語りません!まずは形から入っていきましょう(ミニクエストは通常のクエストと違い報酬が発生しません。すべて任意で行っていただけます。)』


 きた。初クエストが複合クエスト?とは結構珍しいのでは?しかし、身分証明書か。ほかのメンバーさんも持ってるのかな。意外と有名な冒険者の人がメンバーだったりして。

 動物を狩るクエストは冒険者ギルドのクエストでもいいのかな?まぁ、クエストを受けて余分に狩ってみればわかるか。魔物じゃなくていいっていうのも大きいかもしれないですね。

 それとミニクエストもやってみよう。正直クリア基準がわからないけどできるだけ口数少なくすればいいんですよね。頑張ってみま…、頑張る……なんか恥ずかしいですね。いや、容姿とは抜群にマッチしているのだから気にしなくていいはずだ!でも待てよ、暗殺者が寡黙なんでしょ?私今から暗殺者以外の身分を手に入れようとしてるんですけど……考えても仕方ないか、報酬もないし今はこのクエストを保留しよう。


「準備はできたかなシャルロッテ君。」


 ナナさんがニコニコとこちらを見ている。


「はい、できました。行ってきますナナさん。」


「うん、装備一式と一緒に待ってるよ。」


 ナナさんに一言挨拶をし、ナナさんもまた私を見送ってくれる。

 さあ、いよいよゲームらしくなってきた。何が起きるのか、どんな生き物がいるのか、何もわからないけどそれがこのゲームの醍醐味なんだもんね。楽しんでいきましょう!


 まずは最初に――――



「ナナさん中央広場までの帰り道を教えてください。」


 ナナさんは苦笑しながら私に広場までの道を教えてくれました。かっこいいとこはこれから見せるんじゃい!!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ≫ 私の名前はシャルロッテです。 マミるんですね分かります。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ