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第9話 「絶体絶命?」

ガシャガジャ...


やっばい、扉開かない...諦めよう。

ここから出ることは無理みたいだ。

不安が募るがどうしようもない。

クルリと回り前方を向いた。


...いやでかいて。マジで。

5メートルはあろうキングゴブリン、クイーンゴブリンと向き合う。目が合うとキングがやっと口を開いた。


「きたか、黒髪の調和の者」


「まさか、我のダンジョンを最初に訪れてくれるとは光栄だ」


今までとは違う圧倒的な大物感、やばい感じがひしひしと伝わってくる。背筋が凍るってこういうことなのか。


「まずは、そなたの力を示してみよ」


キングがそう言うと


「ムキー!」


鳴き声や足音。ガヤガヤと雑多に聞こえどんどんゴブリンたちがやって来る、いやほんと何体...いや...ちょっと...


「流石に多すぎだよ!」


パラメーター表示に映っていたのは



ゴブリンキング 1

ゴブリンクイーン 1

ゴブリンジェネラル 1

ゴブリンナイト 4

ゴブリンメイジ 10

ボブゴブリン 10

ゴブリン 100



いやきついて!合計127匹?!

マジで聞いてない...ぴえん。


こればかりはどうしようもない、謝れば命だけは助けてもらえないかな。上手く取り入って仲間になればワンちゃん...そう考えているとキングが口を開いた。


「そなたは一人でここを訪ねる勇気を示した、敬意を示そう、一騎打ちで各猛者を倒してみよ」


「表の見張りのゴブリンたちも殺さず慈悲をみせた、さすが調和の者よ」


なんか勘違いしてるみたい。殺すの怖くて気絶させただけなんだよな。まあそういうことにしておこう。一騎打ちならまだ勝機あるだろうし。


「オーケイ、それじゃあやりますか!」


腕をまくり頬を叩く、気合い十分だ!


「それでは先鋒はこいつからだ。」


そう告げると


「まず始めは俺からだ、一人で来た勇気には敬意を払うぜ...ケケケ...」


現れたのはゴブリンナイト。ゴブリンが鎧をまとい剣を身に付けている。手始めには丁度良さそうだ。


「それはどうも、ただ、最後の言葉がそれでいいの?」


「何を?!」


相手は単純そうだ。まあ、ゴブリンの中で強いってだけだろう。サクッと終わらせよう。


「両者とも準備完了と言ったところか...では試合を始めるぞ...開始!」


大きなゴングと共に試合は始まった。

両者の距離は10メートルといったところか。


「覚悟!」


ナイトは低姿勢をとり力強く地面を蹴る!流石先鋒と言ったところか。恐れずに突っ込んでくる。だが、戦いにおいてそれは諸刃の剣だぞ。


地を三回蹴ったところで腰の剣に手を付けた。四回目には目の前まで来る。五歩目の力強い踏み込みからの抜刀。


左腰から出る剣の軌道を読み後方に下がり避ける。動きは単調だが人間と比べられないバネと筋力。今までのやつらとは違うみたいだな。


「へぇ、中々やるじゃん。」


思わず漏れた声にナイトも反応してくる。


「お前もな。普通のやつらはここで一発なんだがな。中々骨のあるやつみたいだな...」


そうは言っているがかなり余裕が見える。筋力の差があるもんな...長引けばこちらが不利になりそうだ...


そう思うもつかの間、次は左上、右下と流れ突きが飛んでくる。風切り音から分かる力強い剣。しっかりと交わすがどうしたもんか。


僕の装備を思い出してほしい、最初に買った

安物の勇者の服におじさん(神)がお情けでくれた木の剣。


防具はまだしも木の剣だとあの鎧には通用しない。相手の剣もいなせず切られるのが目に見えている...いや、どうするか。


いや、あれがあるな...一回限りにはなるが、いい方法が思い付いた。


「おいどうした?避けるだけじゃ勝てないぞ?」


相手の警戒が解けている今がチャンス。一旦距離をとり構え直す。


「できるやつかと思ったがそんなもんか。まあ楽しかったぜ、おらっ!」


真っ直ぐこちらに突っ込んでくる...それを待ってたんだよ!構え直した際にポケットから取り出したあるものを眉間に向かって投げつけた!


「うぎゃあ!何だこれ!」


驚くのも無理はない...何たってこれは...


「...壺の破片。」


そのまま眉間目掛けて一突き。バチッと鈍い音を出してそのままナイトは倒れた。


村人の家に入って壺を割っていた時の破片がたまたま入っていたのだ。鉄仮面とか被ってなくてよかった。そしたら勝機はなかった。


大きなゴングが再びなり、僕の勝利。とりあえず安心だ...すると


「テッテレー」


いつもお馴染みレベルアップ。

3レベルになったみたい。体力がみなぎりステータスアップ。


「やるじゃないか。一勝おめでとう。」


キングから告げられた。ちょっとずるかったけどね。


「その装備でどうするかと思ったら...頭も切れるようだな...」


むしろそっちで食ってきてますから。僕。


「中堅のジェネラルは同じ木の剣の使い手だ。次はいい戦いができるんじゃないか?」


そうは言うがナイトより軽装かつ中堅ということは...かなり強いんじゃないの?わかんないけど?


「さあ、両者準備は整ったかな?」


「オーケイ!」


「...」


ジェネラルは口を開かない...だけど何だこの圧力は...一筋縄ではいかなそうだ...


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