第6話 「井の中の蛙大海を知らず」
村長に呼び出された僕とアリア。前回僕の非常識な行動により村の問題を3つ解決することになったんだ。
「おはよう、昨日はゆっくり休めたかい?」
「おかげさまで、いい宿をありがとう。」
「それはよかった、じゃあ早速1つ目の問題だが...」
さて、どんな問題があるんだ?ドラゴン討伐か?山賊を凝らしめるのか?まあ何が来たってやっつけて...
「3つあるうちの1つの井戸の水が濁っていて臭いんだ。どうにかしてくれ。」
拍子抜けしてしまった、そんなことか。バトルじゃないのかよ。まあそのくらいお安いご用だ。
「任せてください。」
早速井戸までやって来た。ぱっと見変なところはない。水をくみ上げてみる、確かに濁っているし臭いがきつい。これじゃあ畑にも撒けなそうだ。
「どうするの?」
アリアが不思議そうにこちらを覗いてくる。どうやって調べるのか分からないみたいだ。
「簡単だよ、それっ」
「えー?!」
僕は井戸に飛び込んだ。
原因追求は飛び込むのが一番だ。
「バシャーン。」
5メートルほどしたに落ちると中に水が溜まっていた。うっ、臭い。どうしたもんかと考えていると...カエルがいた。僕の腰ほどの高さだろうか。かなりキモい...
「ゲコゲコゲコ 井戸の主の俺様の縄張りに何のよぅ…ぐげぇ」
話なんて聞いてられるか、臭いの元め。
「僕は、効率を求める、敵が表れているのにしゃべるな、井の中のカエルが!」
「僕は狭い世界で威張っている奴と、外の世界に目を向けないやつは嫌いだ」
そう言い終わる頃にはカエルは消えて濁っていた水はきれいになっていった。臭いも消えたみたい。よし、解決。
「おーい、アリアー!ロープロープ垂らしてくれー!」
2人して村長のところへ報告にいった。
「なんと、中にカエルが住み着いていたとは...ありがとう。それじゃあ次だが...」
2つ目問題はこうだ。農産と林業で産業が成り立っている村だが、木こりの何人かが高齢化と腰痛で、使い物にならないらしい。早速会いに行くのだが...
「ってか時代に遅れすぎだろ!パソコンは?ネット環境は?スマホは?ゲームは?」
あまりの田舎ぶりに驚いている。こんな村現代には存在しないぞ。
「以外とこんなもんよ。文明の発展もバラバラだから。」
アリアはそう言った。未だに信じられない。魔法があるんだから上手く使えばよくない?とかモンスターと共存して力仕事を任せてみればよくない?とかアイデアだって色々でてきそうなのに。もったいない。
「僕だったら上手く仕組み化するのになー。」
この世界で村人ととして暮らすにしても、僕ならもっと上手くやっていくのにな。なんなら文明発達してないほうが勝ちやすいんじゃないか?そんなこと考えているうちに木こりたちが出迎えてくれた。
「やあやあ、良く来てくれたね。噂にはきいているよ。泥棒が更正して手助けしてくれてるんだろう?」
「嫌な覚え方されたもんだ...」
まあ仕方ない。行動で示そう。
「んで、腰痛持ちの人たちが集まってくれたわけだろ?」
明らかに70を越えている。みんな元気そうではあるから腰を直せば問題なさそう。じゃあいっちょやっちゃいますか。
「はいはいはい、現世で気功をならった僕が通りますよ。皆さんうつ伏せになってちょうだい。」
うつ伏せにして一人一人並んでもらった。よし、呼吸を整えて...
「はあぁぁぁぁ!」
腰にてを当てて息を吐く、あとは気持ちの問題だ。するとおじいさんは不思議そうに立ち上がり...
「あいやー、あんなに痛かった腰がしたくない。」
どうだい、すごいだろう。これを一人一人やっていく。そうするとみるみるうちにみんな元気になっていった。
「ありがとうね、元泥棒さん。」
「いや泥棒はやめてくれよ」
みんな元気になってよかった、
これからもバリバリ働いてね。
「よし、村長のところにもどるとするか!」
次の問題解決に向けて僕たちはまた戻ることにした。
「あんた凄いのね、今度私の腰にもやってよ」
アリアが言い出した。僕のことを誘っているらしい。やっと僕の魅力に気づいたみたいだ。
「えっ、それはベットの上で??」
まあ僕も男だ。そんなこと言われたらしてやらんこともない。そう思っているとアリアははにかみながらこう言った。
「私、年下は性の対象として見れないのよ。」
なんだよ、少しその気になったじゃんかよ。だがここでアリア優勢にはされるのもな。上手く返しておこう。
「僕だってジョークだよ。」
スマートに答えた。つもりだったが少し強がっているように見えたのだろうか。余裕の笑みで返してきた。
「ふふっ、可愛い。」
手慣れているな、アリア。これはいろんな男を手込めにしていたな。まあ僕の前でいつまで平常心保てるかな?時間の問題だよ。
「それじゃ、次の課題もらいにいきますか!」
「次もサクッと終わらせましょ!」
これで2つの問題は解決できた、
残りの1つも簡単そうだ!