第4話 「疑うことを忘れるな」
2020年4月緊急事態宣言が日本で発令。
自宅待機の共に、↓小説を。
「まだもう少しかかるかな...」
川下に向かい川沿いをあるいていく。まだまだ元気はあるが、それにしても遠い。
「お腹も減ってきたし、はやく次の村につかないかなー。」
なんだかんだこの世界に来てからなにも食べてない。最後に食ったのは高級焼肉だっていうのにこのありさまだよ...
「ファンタジーの世界だと出てきた獣食ったりするの見るけど、今のところな...」
僕がであったのはゼリーとコウモリの魔物だけだ。流石に食べられそうにない。
「...川魚とかいないのかな...」
もう食えるものなら何でも良くなってきた。はやく次の村に着かないかなと考えながら歩いていると...
「やめて!助けてー!」
女性の悲鳴が聞こえてきた、いったい何事?とりあえずもう少し先みたいだ、急ごう。
川沿いを歩いていくとそこにはトカゲ型の亜人と美人な女性が。構図からすると襲われているようにも見える。だが話を聞いてみないことには分からない。とりあえず女性のもとに歩み寄る。
「どうしたのですか?」
質問してみると返事はこうだ。
「見ての通り、襲われているんです。助けてください、奴隷として売られてしまいます...」
なるほど、分かった。確かにこの構図であれば襲われているように見えなくもない。僕は亜人へと歩み寄る。そして目を見て問いかけた。
「本当?」
亜人は一瞬ビックリしたようだ、僕が疑いもせず攻撃するとでも思ったのだろう。それとも話が通じることに対してか、恐る恐る口を開いた。
「この女がトカゲの村から子どもを誘拐して売りさばく女奴隷商人だ。」
と説明してくれた。なるほどなるほど。僕はもう一度女性を問い詰めた。リザードとしゃべる僕に驚いているみたいだ。観念して口を割った。
やはりリザードの言っていることは正しかったみたいだ。さて、ここからどうするか。もう一度リザードに問いかけた。
「示談をするとはどうだろうか?今、短期的に復讐してもいいけど、復讐は復讐しか繰り返さない。示談で長期間搾取したほうが特だと思わないか?」
ここからはリザードの気持ちを優先したいが、どうでるか。少し考えているようにも見えたが恐る恐る口を開いてくれた。
「あんたは見た目で物事を判断しない人だ。その言葉、信じてみるよ。」
その後は両人の示談を見守ることになった。お互いなれていないようだからしっかりとフォローを入れつつ、納得できるよう手助けした。
女性との話し合いの結果、長期的に働かせて償わせることを約束させた。しっかりと示談出来たみたいだ。これで大丈夫だろう。
「何かあればまた僕を呼んでくれ、責任はしっかり持つからさ。」
もちろん言葉に嘘はないが、心配しなくても大丈夫だろう。お互い上手くできていたみたいだし。僕がそういうとリザードは穏やかな表情で僕を見て言った。
「村の言い伝えに、黒髪の人間の言うことは信じろ、って言うのがあるんだ。お前を信じるよ。」
へぇ、良い言い伝えがあるもんだな。昔人間に助けられたのかな、それはともあれ無事に解決してくれてよかった。ほっと一息つこうとしたら...
スキルを習得した感覚が…。
どうやら僕は調和のスキルを所得したみたいだ。
いや、元々あるでしょ。そう思いながら僕は準備を済ませ二人に告げた。
「じゃあな、また会う日まで!」
旅の途中にこんなイベントもあるんだな。本当にファンタジーの世界って感じ。
よし、どんどん先に進むか!そう思っていると...
「まって、黒髪の少年!」
さきほどの女性とが追いかけてきた。どうしたんだ?なるほど、そういうことか。彼女の心理を汲み取った。
「僕に惚れちまったんだろう?」
喧嘩まがいを話し合いで解決してしまう僕のスマートさに惚れてしまったんだ。しょうがない。そういうときもある。告白の言葉を受け取ろうとしたら...
「何いってんの?大丈夫?」
あら、勘違いだったみたい。じゃあ一体何のようだろう?
「街にいくんでしょ、わたしもつれていって!」
なるほどね、まあ旅の仲間がいるのは心強い。あと料理とか作ってもらいたいし。僕は二つ返事で
「オッケー!でも、償いはどうなるの?」
純粋な疑問だ。せっかく解決したんだ。示談破棄なんてやめてくれ。
「それが、リザードに言われたの! ーー黒髪についていけ。黒髪を助けることが償いだーー って!」
なるほど、それはそれでありがたい。
「よし、一緒に世界平和目指してこうぜ!名前なんて言うの?」
そう彼女に聞くと明るい返事でこう答えた。
「アリアよ!改めてよろしくね、貴方の名前は?」
「キメラゴンだ」
「変な名前ね!」
(うっ、嫌なやつ。)
アリアが仲間に加わった、これからは2人で旅をしていくことになったぞ。それと僕は気になる質問を投げかける。
「アリアってさ、料理できる?」
お腹がペコペコの僕にはとても重要な質問だ。それに対してマリア笑顔でとんでもない答えを返してくれた。
「出来るわよ!コウモリの丸焼きとかリザードの鍋とか得意よ!お腹減ったし作りましょうか!」
「リザードを調理するな!亜人料理禁止!」
「えー、なんでよー。美味しいのに...」
僕はいつご飯が食べられるのだろうか...旅はまだまだ続きそうだ...