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地続きの島流し  作者: みかんたくわん
5/8

無駄なことほど楽しいことはない

時は金なりとはよく言ったものだ。時間は有限であり、決して無駄に消費するものなどではない。ましてや大学などのモラトリアムの期間は、自主的に作らなければ二度と訪れることはない。

下らない質問をして、生産性のない会話で時間を消費するなど愚かにも程がある。

しかし、しかしだ。愚かだと分かっていても二度と戻らないものと分かっていても無駄に消費してしまう時間は存在する。そして実際に消費してから後悔をする。有意義に過ごすことが出来たかもしれない。と考え、理解しても分かっていても動かない。それが人間という生き物だ。


つまり何が言いたいのかと言うと、有意義ではないし、生産性も無いが興味があるから藤田に聞くのも仕方ない。


「出待ちしてたことがあるのか?」

「少し昔にちょっとな…」

藤田が遠い目をしている。長くなりそうならいいです。と、切り捨てるのは簡単だが今必要なものは講義が終わるまでの時間を潰す話題なのだ。とりあえず、話を続けさせるためにも適当な相づちをうっておく。


「高校一年の時、三年生に結構可愛い先輩がいてな。出待ちして眺めてたことがある」


沈黙。


「え?終わり?」

「うん」

五分ぐらいは話すかと思ったが、三十秒も持たないとは誤算である。

藤田の青春の一ページを垣間見た所で始業のチャイムが鳴る。あと一時間ちょっとは待機か。


「とりあえず時間潰さなきゃな」

「先輩に経過報告とかしておくか?」

「時間じゃなくて肉体が潰されかねないからパス」

「ところがどっこい電話はかかってきております」

「うーん、逃げられない」

藤田が取り出したスマホには何かのアニメキャラの顔がモザイクのように不在着信の文字で見えなくなっていた。


「かけなくていいのか?」

「良くはないが、この現状説明するのもなあ」

現状というか惨状というか。惨状を説明した結果が惨状になるのは目に見えてる。

「何なら村井がかけるか?」

「流石に自分から地雷を踏みに行く勇気はない」

「だよなあ」


結論、無視安定。

後で何か言われる可能性もあるが生け贄もとい犠牲者もとい新入生を一人でも連れていけば不問になるだろう。それはそれとして電話に出なかったことを追及されるような気もするが最悪、藤田も生け贄にすればタイラントの機嫌もよくなるはず。

まあ、逆に言えば生け贄を一人でも捕まえられなければ、自分が生け贄になるしかないわけだが。


新入生対策を練るために用意した学食の孤島がタイラント対策で時間を潰す羽目になるとは分からないものだ。

色々考え込んでいる間に、いつの間にか空になったカップを捨ててきた藤田が二杯目を持って、陸の孤島に戻ってくる。


「ああ、そういえばさっきの話の続きだけどな。その先輩同じ大学にいたわ」

そりゃタイラントは同じ大学だろ。……いや、違う。これは藤田の憧れの先輩(仮)の話か。タイラントで頭がいっぱいで一瞬分からなかった。


「ついてきたのか?」

「残念ながらただの偶然」

それは良かった。調べてついてきたなら少し付き合い方を改めるところだった。



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