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青い海、青い空、白い雲…… 赤い砂浜  作者: 風風風虱
第二章 我らその川を越えて行かん
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昭和17年8月20日 レンゴ 午後6時

昭和17年8月20日 レンゴ 午後6時

ルンガ飛行場の東 約5キロ


「時間になりました」


 腕時計とにらめっこをしていた富樫大尉が言った。一木大佐は無言で頷く。


「全軍行軍開始」

「第二中隊 進軍開始」


 富樫大尉の号令を受け、蔵本大隊長が命令を発する。その命令を無言で受け、第二中隊は中隊長の沢田大尉を筆頭に闇に包まれつつある海岸を歩き始める。

 その後ろ姿を一木大佐も無言で見つめていた。《行軍即捜索即攻撃》と言っては見たものの果たして本当にその選択が正しいのかは今、この時点になっても判断に迷っていた。

 ガタルカナルの夜の闇は思いの外、濃い。数十メートル先行するだけで、第二中隊隊員の後ろ姿は闇に同化して見分けがつかなくなった。

 

「大隊 前へ」


 頃合いを見計り、蔵本大隊長が言った。そして、一木大佐に向き直り敬礼をする。


「それでは行きます」

「うむ。夜戦である。くれぐれも敵に気取られないように慎重に頼む」

「心得ております」


 蔵本大隊長は身を翻すと後は振り返ることなく闇に溶けていった。

 


 


2019/08/20 初稿

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