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青い海、青い空、白い雲…… 赤い砂浜  作者: 風風風虱
第二章 我らその川を越えて行かん
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昭和17年8月19日 テテレ 正午

昭和17年8月19日 テテレ 正午

ルンガ飛行場の東 約17キロ


 一木大佐は目をしばたたかせながらほとんど天頂で燃え盛る太陽を見上げた。


「富樫大尉!」

「はい」

 

 すぐ近くの木陰で休んでいた大尉はすぐに駆け寄ってきた。


「斥候隊、渋谷大尉からの連絡はあったか?」

「いえ、ありません」

「う~ん、遅い!」


 一木大佐は吐き捨てるように言った。斥候隊が出発して既に五時間になるがなんの報告もないことに一木大佐は苛立ちを覚えた。


「も、申し訳ありません」


 富樫大尉の声に一木大佐は我に帰る。見ると

大尉は反り返った海老のように背筋を伸ばし立っていた。その有り様を見て、一木大佐はしまったと舌打ちをする。焦りからついつい声が荒く、大きくなってしまった。


「ああ、いや、別に富樫大尉のせいではない。

まあ、特に報告することも無いのだろう。それにしても渋谷の奴、ないならないで、無事ですぐらいいってくても良いのにな!」


 一木大佐は富樫大尉の緊張を和らげようと笑顔を見せる。立ち上がり、尻の砂をぱんぱんと払った。


「少し、支隊の様子を見てくる。渋谷から連絡があったらすぐ呼んでくれ」


 


2019/08/19 初稿

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