昭和17年8月12日 ラバウル 早朝
昭和17年8月12日 ラバウル 早朝
《ガダルカナル奪還作戦の規模は敵情を鑑み第十七軍の判断に委ねることではあるが、大本営としては作戦遂行を鑑み一木及び青葉支隊を配置などを考慮せしめる。
また、各局面からの情報を分析するに辺り、敵情不明であるも、未だに準備が整わないと判断するに十分と考える。その為、中央にては、勝機を逸することなく一木支隊をもって速やかにに奪還することが良いとする考えが主流である。
第十七軍においては適切な判断を期待する》
大本営からの通達であった。百武中将はその通達をじっと見つめていた。目の前には二見参謀長が立っていた。
「なにが何でも一木隊でガダルカナルを取ってこいってことだよねぇ」
二見は答えなかった。
「もう『敵情偵察』では済まされないね。
申し訳ないけど一木支隊での飛行場奪還で作戦要領をまとめてくれないか。
明日には大本営にも一木大佐にも伝えたい。
大佐への作戦要旨の説明と海軍さんとの折衝役として誰かトラック島に派遣させて欲しい。
誰が行ける?」
「自分が行きたいところですがポートモレスビーの事案もありますので……
松本に行ってもらいます」
うん、と百武中将は二見参謀長の回答に小さく頷いた。
2019/08/12 初稿




