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ステータスMAX勇者とエッちぃ魔王の異世界実況配信バトル〜俺と魔王のいちゃつき動画が流出しちゃって謝罪会見するハメに〜  作者: 綾野智章
第四章 ドラゴンには勝てたがオークに勝てない!視聴者数=パワーの【配信魔法】これが物語の鍵だ!エッチな魔王はここで出ます。
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9話 エッチな魔王パレシアとキス!俺の名前はイセキンだ!

【前回までのあらすじ】

突如現れたエッチな魔王パレシア!「希望と絶望」を与えると言い放ち、主人公タカオに金縛りを掛け、近づいてくる。「いや近い近い!」このままではぶつかってしまう!

 魔王が俺に向かって歩いてくる。

 やっぱり殺される?


 魔王はどんどんと俺に近づいてきて……そして……いや、近い近い!

 これは攻撃の距離じゃない。


 そのうちお互いの距離はなくなり、彼女の胸が俺に軽く触れる。

 そこから顔が近づいて来て……温かな鼻息が当たる。

 そしてついに唇と唇が重なった。


 ふわぁあぁぁぁぁあ。

 なんという柔らかさ。


 あと、魔王のくせにすっげー、良い匂い。

 化学的な香水の匂いというよりは、

 薔薇と、女の特有の甘い匂いが混ざったような……


 キスが終わると同時に金縛りが解けた。


「2つ。エクスカリバーを抜くと同時に、死ぬ祝福を与えた」


 は?

「いや、ちょっと待て!それ祝福じゃなくて呪いじゃねえか!」

 予想外のキスでちょっとポワンとしてしまったが、つっこむ所はつっこむぞ俺は。


「おお!パレシア様!今の祝福のくだり。民の注目度が非常に高く、200万ビューを達成いたしましたぞ!アナチューブランキング、ダントツの1位です。」


 な……視聴者数200万ビュー!?これは歯が立たない。

 元の世界、YouTube LIVEでも同時視聴者数の世界記録は、せいぜい110万ビューだぞ。


「コメントも盛況でございますぞ!ムムム。『俺にも祝福を!』だと?いや、それキス目的であろう?不敬じゃぞ民よ!気持ちはわかるがな!ハハハ」


「良い。全ての民に祝福を授ける。まずこの場に居るもの、及び《ライブ》を見たもの全てに、この男と同じ祝福を授けた。次に世界にある余の偶像にキスをすることを許す。それで等しく祝福を受けることができる」


 配信魔法、なんて恐ろしい。

《ライブ》を見るだけでそんな呪いをかけることもできるのか。

 それに彼女の絵や像なんかあったら、俺は人目を忍んでチュッチュしてしまうだろう。それで呪いがかかってしまうって言うなら、薄い本も読み方を考えてしまうぜ。


 いや、そんな事よりこれでもしも、俺以外の誰かがエクスカリバーを抜いたとしても、死んでしまうことになるのか。

 魔王、侮れないな。


「時に男よ、名をなんという」

 

 名前……俺の名前。


「い……イセキンだ」

 咄嗟にでた。だがそれで良い。

 元の世界では有名YouTuberにあやかって、〇〇キンとつけるのが流行っていた。

 ここは配信が全ての異世界。俺も「キン」にあやかることにした。

 異世界キン。略してイセキンだ。


「では、イセキン。もう良い、下がれ」

「はーー!?そっちが勝手に来たんだろうが!下がれとはなんだ」

すると隻腕の男が剣を抜く。剣……いやあれは刀か。


「フ……若いな小僧。若さゆえのこととはいえ、無礼をはたらくものは、今すぐに斬るぞ。直ちに此処を立ち去れ」

「小僧だと?」

「行くぞ!イセキン」

女戦士が俺の手を引く。

「ちょっ…」


女戦士に手をひかれ、ダンジョン入り口を後にした。

魔王たちとの距離が離れどんどんと小さくなっていく。

やつらはなにか話あっているように見えた。


「ペリオリ」

「なんでしょう。パレシア様」

「《ライブ》を止めよ。今日は終わりにしよう」

「承知いたしました。それでは民よ。今日はココまでだ。今回の《ライブ》が良かったモノは『いいね!』ボタンを押すのじゃぞ!ご視聴ありがとうございました!ではさらばじゃー!……はい、マイクオフでございます」


「ペリオリ、メーロン聞け。あの男は勇者に違いない。祝福のキスと同時にやつのステータスを確認したが、恐ろしく高い近い数値であった。だが余はあの男イセキンを泳がせ、力をつけるのを待つ」


「パ……パレシア様!何をお考えで?」

「ふむ。お前ではなく、メーロンは余の考えが解っているようだな」


「はい。パレシア様に代わり私が計画を説明致しましょう。

 ペリオリよ、よく聞け。あの男を泳がせ、パレシア様と聖剣エクスカリバーを巡って何度も戦う様子を《ライブ》するのだ。するとどうなる?」


「……なるほどな。視聴者はパレシア様とイセキンの戦いを何度も見ることになる。すなわち視聴習慣にもつながり同時視聴者数やチャンネル登録数のアップにもつながるということじゃな。

 支配される側にいる人間どももイセキンの様子が気になるであろうから、魔界人気だけでなく人間界の視聴需要も見込めるということか」


「そうだ、視聴者数を更に増やすことでパレシア様の力はさらに絶対的なものになる。この作戦はパレシア様でしか成し得ない計画だ。なぜなら如何にあの男が強くなったとしてもパレシア様が屈することは決して無いのだからな。素晴らしい計画だ」


【次回予告】

魔王からは距離を離したほうがいいと判断した、行きずりの女戦士、名前はツァラ。彼女に連れて来られた先は、ツァラのベースキャンプ地だった。

次回、第10話:女戦士ツァラとキャンプ!

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