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ネタバレのオンパレードなので、気にする人は注意してください。

ノリで始めた小説活動だったけど、割と考えないと書けないところもあったので、備忘録も兼ねてここに投稿します。


■物語

 物語は哲学に着想を得ている。その主となるものが「アドラー心理学」だ。

 何故なら現代の抱える仕事に対する問題は、なろう小説の上位読者層であると言われている30代に深く刺さると思ったから「だ。

 「なろう小説を読んでいたら、知らず知らずにアドラー心理学を学んでいた……」という小説にしたかった。


 そもそも、俺(筆者)は仕事が好きだ。

 というか、仕事を仕事と思っていない。むしろ遊んで給料をもらっており、こんなボロい商売は無いとすら思っているほどで、何時間仕事をしても惜しくない。

 ところが世間はワークライフバランスだのブラック企業だのと、苛烈に仕事をしづらい環境が作ろうとしている。わからなくはない、仕事は仕事以外をするときのための金稼ぎとして捉えるのであればそうなるだろう。勤め人の多くの人達は、『しなければならないこと(タスク・TODO)』即ち『キーネーシス』に追われている。

 それどころか、自分のものではない他人の企業の、果てない目標につきあわされ、ノルマを積まれ、その状況に疑問を抱くどころか、嫌なことを耐え忍んで給料をもらうこと自体を美徳としている。

 そりゃあ、そんなんでは仕事は好きにはなれないだろう。仕事の原動力は『仕事をしていること自体が楽しい!』即ち『エネルゲイア』であるべきではないだろうか。目標の為に仕事をするのではなく、楽しいから仕事をする……という感覚も必要だ。


 ……という持論を異世界転生ものを利用して物語を書いたつもりだったんだが、いかがだったでしょうか?


 先代魔王キネシスを『キーネーシス』の象徴、主人公イセキンを『エネルゲイア』の象徴として描いた。それ故イセキンは、楽観的であり、楽しいと思うこと、自分がしたいと思うことを選択させた。一方キネシス(に操られているメーロン)は計画に固執し、ネコ子に達成できないノルマを課しブラック企業のような振る舞いをさせた。


 ちなみに『キーネーシス』と『エネルゲイア』は哲学用語。アリストテレスがその発祥とされているらしい(違ったらすいません)。それを現代へ提示してくれたのは、アドラーで、平成の我々にわかりやすく解説してくれたのが岸見一郎。もし『エネルゲイア』という考え方が気になるようであれば、YouTubeにある『アドラー心理学 岸見一郎 過去は怖くない~幸せになる方法』 https://www.youtube.com/watch?v=U-gFBCIpXRU を視聴されたい。共感するところが多く、自分の考えにかなり近い。



■登場人物

・主人公(勇者)タカオ

 由来:あまり凝った名前にしたくなかった。

 大学の後輩なので無許諾で名前を使ってもいいだろうということで、名前をつける。

LINEでかるく名前を使うことを伝えたが。言い捨てただけ。

 なろうで小説公開するやいなや「本当にするとは思っていなかった」とのこと。

ちなみに、なろうに投稿するまえは、ヒロシという名前だった。それも後輩の名前を拝借。


・イセキン

 由来:異世界のHIKAKINをもじって、異世界KIN、略してイセキンとした。

 あくまでステータスだけがmaxなのでスキル習得は少ない。

 転生したかに思えるが実は、植物状態となっていたタカオにVRをみせ治療しているというちょっと鬱な設定。作中最後タカオが現代に帰りるが、それもVR演出である。

 消滅と消滅で対生成できるタレントスキルの持ち主。

 異世界アナムネの住人は、日本から転生してきた主人公が好きになってしまうようである。異世界同士は惹かれ合う。これはタカオも例外ではなく、いつしか魔王に惚れてしまう。

なので、知らず知らずにハーレムを作れるようにしたんだけどあまり活かせなかったかな。


■魔王

・パレシア

 由来:パレーシア(Parrhesia, ギリシア語: παρρησία, παν(すべて)+ρησις / ρημα(発言)とは、古典修辞学で、包み隠さず話すこと、あるいは、そう話す許しを得ること。言論の自由だけでなく、危険を冒してでも公益のために真理を話す義務をも意味する。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%82%A2 より)

 ということで、謝罪会見中はかなり包み隠さずありのまま赤裸々に告白する。


 初戦闘でイセキンを逃した理由は、惚れたため/名前を聞いたのは再度会うため/興味のため/聖剣の情報を与えればまた会えると思ったため。


 パレシアはペリオリの娘である


 エッチな設定だったが、なろうのレーティングガイドラインによるとエロ表現はキスまでがせいぜいと読み取れたので、それ以上エロくはできなかった。



■じいや(じじい)

・ペリオリ

 由来:シュペリオリティーコンプレックス【superiority complex】

優越感。自分が他人よりすぐれていると必要以上に考える傾向。

 ↑……という設定で物語を始めたが、思いのほかいいやつになってしまったのでリメイクがあれば名前は変えたほうがいいかもしれない。


 配信魔法を使う


 ペリオリはパレシアの父である。


■隻腕の男

・剣士メーロン

 由来:古代ギリシャ語のリンゴ、転じてAppleのスティーブ・ジョブズ。

 シャア(ガンダム)やジョブズのようなカリスマ性のある敵キャラにしたかったが、なれなかった。残念。


 魔王パレシアの右手


 次期魔王を狙う野心家


 初回戦闘時でイセキンを殺さなかったのは、勇者を育てるため/勇者に魔王を倒させるため。物語の都合上、救世主へ。


■先代魔王

・キネシス

 由来:アリストテレスは『形而上学』で様々な行為を「エネルゲイア(活動)」と「キーネーシス(運動)」に区別している。「エネルゲイア」とは、現在進行と完了が同時に成立する行為であり、「見る」がその典型例である(「見ている」と同時に「見てしまった」といえる)。他方「キーネーシス」とは、一定の目的に向かう末完了的な過程を持つ行為であり、現在進行と完了が同時には成立しない。その典型例は「建築」である(「建築している」と同時に「建築してしまった」ということはない)。(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jclst/45/0/45_KJ00005745307/_article/-char/ja/より)


 キーネーシスは成果主義となったブラック企業の概念体。そのため出来もしない計画に異常なまでに固執。配下のものへ執拗にノルマを押し付ける。


 流行りに乗ってVTuberという設定にしようと思っていた。が物語に落とし込むのが難しくて断念した。


■女戦士

・ツァラ

 由来:ツァラトゥストラ(超人)

 本人に自覚はないが宣伝がうまく、現代社会であれば、優秀なレビュー系youtuberであることは間違いない。


 ツァラは、家族を惨殺した魔族に対し、過去を断ち切り『愛をもって赦す』という行為にでる。これは名の由来のとおり超人でなくてはできないこと。『小林昌平著:その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』でもその難しさが語られている。赦しの哲学を説いたハンナ・アーレントですら、ナチス・ドイツのユダヤ人虐殺の責任者アイヒマンを赦すことはできないとしていた。ツァラはハンナですらできなかった『愛をもって赦す』ことを実施する。拙作小説の解説としては余談となるが、現実世界で恩赦宣言をする人は存在した。エヴァ・モーゼス・コールである。


・ツァラの元パーティー3名:いずれもドラゴン戦で死亡

 ヒューレーとエイドス

 由来:「質料」(ヒュレー)と「形相」(エイドス)を対置して、内容、素材とそれを用いてつくられたかたちという対の概念として初めて用いた人は、古代ギリシアの哲学者アリストテレスである。彼の『形而上学』の中にこういう概念枠組みが登場する。また『自然学』でもこうした枠組みで説明が行われる。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BD%A2%E7%9B%B8より)


デュミス

由来:デュナミス (dynamis / dunamis) とは、能力・可能態・潜勢態の意味を持つ、アリストテレスの哲学の概念である。



■配信師

・ネコ子

 人間以外の人種を出したかった。ダイバーシティ大事。


 ネコは語尾に「にゃ」をつけやすい。というのも、実況があるおかげで小説中、地の文がなくなり会話中心になりがちだった。そのため「誰がしゃべっているか?」がわからなくなってきた。初期の初期。ネコ子はうさぎのウサ子という名前だったが、だったが、誰がしゃべっているか分からなくなり。語尾に特徴を持たせるようにするため、モチーフをネコへ変更とした。


■世界・アイテム

・魔力

 電力と同じように定義。

 魔力=魔流×魔圧

 電気ではないので電気のようにピリピリしない。

 魔圧が過度にかかると物質化する。これをエーテルという。

 魔力・魔流・魔圧をひっくるめて魔気という。


・魔法

 魔法には詠唱が必要である。

 詠唱はかっこよくその効果を読者へ教える効果があるので採用した。しかし詠唱を考えるのに思いの外時間がかかった。あともっとカッコいい詠唱にしたかった。けど今の知識量と時間では無理だった。

 魔法名はなぜか英語で設定される作品が多いためならう。なのでゲームで使われがちな単語を並べた。しかしそうであっても読者へ直感的に伝わらない可能性があり、日本語解説の詠唱は必要と判断した。

 魔法はマナを利用する。ファンタジー世界のマナと同じ


・技

 技は閃いてスキルを覚える事ができる。そのためイセキンはバトル中に技を閃く。


 技は漢字で命名される。そのため技名だけで直感的に読者に伝えることができる、したがって詠唱は小説的に意味をなさないので排除。これが魔法と違う設定となる。

 詠唱しないぶん、威力は魔法よりも下という位置づけにした。それでもイセキンが放つ技は全部強いんだが……。

 技は自身のマナをつかう。これをオドというらしいが、一般的でない(俺があまり聞いたことがない)ため「体内のマナ」として作中オドを補足説明した。



・この世界(異世界)

 アナムネ

 由来:哲学におけるアナムネーシス (ギリシア語: ἀνάμνησις )とはプラトンの認識論的・心理学的理論で使われる概念。日本語では想起という訳語が与えられる。この概念はプラトンの対話篇の中でも『メノン』および『パイドン』で発展させられ、『パイドロス』でもそれとなく言及されている。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%83%A0%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%82%B9_(%E5%93%B2%E5%AD%A6) より)裏テーマにアドラー心理学や哲学を入れたかったので、哲学と縁のある名前にしたかった。


 アナムネはVR世界の名前。

 VR治療は主人公の妹が事故後、妹が兄の植物状態を脱するために発明した治療法。したがって現実世界ではタカオが事故ってから10年ぐらいは経っている。


・街1 ヒュードル(地名)

 由来:水 ヒュドール

 アリストテレスの4元素から。

 最初の街。最初は、水素。ということで水を由来とした。

 地名は元素からとる


・草原(地名)

 アーエール(空気)


・山 リュスタ山

 由来:クリュスタロス ギリシア語・氷


・言語

 言語は現地語ではなく、日本語をしゃべる。

 何故なら異世界自体はVRであり、言語・文字などがローカライズされている本当のゲームの世界だから当然のゲーム仕様である。


・配信プラットフォーム

 アナムネチューブ、もちろん由来はYoutube

 配信魔法で配信できる。

 低評価は一人一度しか押せない。

 視聴数=同時視聴数-低評価数+高評価数


 動画はギルドに売れる

 作中の金策をどうしたもんかと考えた結果がこれ。魔物を倒して、金や、アイテムになったり、部位をギルドに売って報酬を得るというスタイルからは脱却したかった。ということで流行りの仮想通貨の考えを入れるのはどうだろうと思ってエッセンスを入れてみた。

 ギルドは魔界・人間界・獣人界・精霊界など全ての世界に存在しており、お互いに取引台帳を暗号化して管理している。これはブロックチェーン管理に由来。

 ギルドは、マイナープール、冒険者はマイナーとして考えた。動画の売買権利はあくまで広告収入の独占的確保であって動画の著作権自体は製作者に帰属される。ギルドは動画の運用を行っており、売られた動画の広告収入を得ている。

 再生数が伸びない動画は、炎上等を焚きつけることによって動画再生数を伸ばし、広告表示回数を増やし、アナチューブから利益を徴収する奴らも居る。いわゆる仕手。

動画はギルドだけでなく、個人でも被収入権の売買できるが作中では記載しない。


・黙示録

 アナムネに伝わる世界終焉までが書かれたシナリオ。

 世界観に沿った内容というよりも、むしろゲームのフラグ処理的なことが書かれている。

原文はVRのプログラムそのものが書かれている。それを読みやすく翻訳したのが黙示録となる。

 まあ、凝ってもしょうがないかなと思ったので、黙示録の設定はあやふやなまんま物語をすすめた。


・エクスカリバー

 何故アーサー王伝説があるかというと、これはVRの世界であって、そこまでガチガチにオリジナル要素だけではないことを暗示させてる。所詮人間が考えることには限界があり、かつユーザーにこのVRの世界をわかりやすく受け入れてもらうためのユーザービリティである。現に数あるRPGでは、現代伝説が題材となった伝説やアイテムが多数登場する。ソシャゲはその傾向が顕著。


・メーカー

 メーカーの名前は魚のギリシャ語でいく


・ファイヤースターター

 イセキンは見たことがない。と言っていたが、現実世界に本当にある。

 テュノス製

 由来:マグロのギリシア語 テュンノス


・干し肉

 タフィー社製:海苔のギリシャ語。海苔は海の牛肉といわれるほどたんぱく質が豊富らしい。

 由来:タフィーキャ(海苔)


・金

 単位はゴールド

 わかりやすいし馴染みがある。1円=1G


・モンスター

 モンスターは既知のもので固める

 理由はエクスカリバーに同じ


・アナムネチューブ(アナチューブ)

 誰が何のために作ったのか?ストーリーを考えた。


 アナチューブは200年程度前はなかった。

 その当時、先代勇者が先代魔王キネシスを自力で倒した。しかし、魔王が死ぬと同時に勇者に呪いをかけていた。「勇者の行動が裏目にでる呪い」だ。

 先代勇者は人間の繁栄のために魔族を退ける圧倒的な力の仕組みとして、神と交渉。悪用されないように「相互監視」を条件として、神がアナチューブを作った。だからお互いを監視できる動画チャンネルであり、低評価では力がつかない仕組みとなってる。

 神はアナチューブを通して視聴者の微量のマナを吸収し配信者へ送る機能をもたせた。動画を見続けると疲れを覚えるのはこのためだ。

 アナチューブは娯楽が少ない異世界で爆発的に受け入れられた。人々は日々アップされる動画に魅了され四六時中見ることとなる。

 辞めたいけどやめられない。これは魔王キネシスの呪いの効果でもある。良かれと思ったことが裏目に出るのだ。


 魔物はアナチューブを使うことはできなかった。数十年の間はアナチューブはうまく作用した。

 ある日、勇者の子孫が、魔物と恋におち、駆け落ちした。そのため勇者の子孫は、人間界から追放された。人間を恨んだ勇者の子孫は闇落ちした。


 そして勇者の子孫は魔物に配信魔法を教えてしまった。

 勇者の子孫は完全に闇落ちし、完全な魔物となった。


 魔物と闇子孫は子を宿し、現魔王パレシアを生んだ。

 そこから魔物が力を取り戻してきた。


 神はアナチューブの廃止しようとしたが、止めると魔界に人間界が瞬殺されてしまうほど人間はアナチューブに頼り切っていた。これは、先代魔王キネシスによって止められない呪いでもある。(キネシス由来の哲学的的な呪いであればもっと良いが・・・・)



 以上


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