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43話 裏ボス登場

[作者コメ]

チゲ速に、新記事でこのURL晒されたので、前日比が10倍ぐらいに増えました。

アクセス数とは裏腹にブクマが全然増えないので、これは一過性のものかなと分析。

http://chigesoku3.doorblog.jp/archives/54675330.html

↑タイトルがそれっぽいというコメントをもらっていますが、そうでもしないとマジでアクセスされないんだよな〜。


【前回までのあらすじ】

前人未到の同時視聴者数300万ビューを達成せよという、無茶苦茶なノルマはいかに優秀な配信師ネコ子といえども叶えることはできなかった。到底達成できないノルマを課すその姿勢を『ブラック企業のようだ』と、主人公イセキンは揶揄した。

「ハ!?ノルマにあえぐブラック企業みてーな話をしてんじゃねえよ!魔界に伝わるオリハルコンの剣!食らってみろ!」


「オリハルコンはミスリルよりも魔力を通し、アダマンタイトよりも硬い魔界でも最高の剣じゃ!ねじ伏せろイセキン!!!」


 渾身の一撃!

 しかしメーロンは紙一重で俺の斬撃を避ける。

 避けられた斬撃はとなり、座っていたメーロンの玉座を粉砕した。


「ちっ!」

 本体への攻撃は成せなかったものの、深々とかぶっていたフードは剣にかかり破れた。メーロンは、静かに破れたフードをとり払う。

 そこから顔を見せたのは、顔にシワが刻まれた老顔だった。


「あ、あなたは、先代魔王キネシス様・・・!」

 ペリオリは驚く。


「なに?まことか、ペリオリ!メーロンが先代魔王だというのか!?しかし魔王は一子相伝。最高の力は常に世界に1つ。唯一無二の力である。同じ時代には2つと存在しない。故に余は先代魔王の顔を知らぬ。」

 パレシアもまた驚いた表情であった。


「左様でございます。パレシア様、恐らくこれは先代魔王キネシス様の念が乗り移り、具現化したものでしょう。メーロンの本来の顔は、かのような顔ではありませぬ。

 メーロンが口にする計画の達成ためには手段を選ばないその思想。それは先代魔王様が掲げていた思想そのもの。同じように、計画に囚われたメーロンがキネシス様の思念を具現化してしまったのでしょう。ああ、あの時代はノルマノルマで大変でしたぞ……」


「ごちゃごちゃ話し込んでんじゃねえぞ!貴様らぁ!」

 メーロンが襲いかかる!


 しかし

 キンッ!


 たやすくパレシアが跳ね返す。

 攻撃が軽い!?


 パレシアは哀れむ眼差しでメーロンを見つめながら口を開く。

「愚かなりメーロンよ。もう貴様には何も残っていない。配下の者しかり、視聴者しかり、そして最後まで残ったネコ子すら、貴様の元を離れたのだぞ」


 本来 《ライブ》のためにメーロンへ向けるはずのボードは、だらんと垂れ下がったネコ子の腕の先にあった。

「……んだよ。やってられねーんだよ。お前、計画計画、ノルマノルマってニャ。てめえの計画は無理なことばっかりニャんだよ。

 ボクは人魔に頼らない独立した種族間の多様性に可能性を見出してここまでやってきたのに、なんだそりゃーよ。

 もういいぜ。テメーの計画には乗らねえ、ボクはボクで好きにすんよ。

 じゃあニャ、メーロン《ライブ》ももうやめだニャ。マイクはオフ……ニャ……」


 ネコ子の辛辣な発言。

 自らが決めてメーロンに加担したが、それを自らが引く気持ちは如何ほどのものか。


 思えば、メーロン城に足を踏み入れた時にすでに勝負はついていたのかもしれない。

 最終決戦の地ともなれば、ザコ敵がいて中ボスぐらいはいてもいい。

 しかしメーロン城に足を踏み入れたとき、中ボスはおろかザコ敵すらいなかった。すでにメーロンの計画は破綻していたのだろう。部下がまるでついてきていなかったのだ。


「計画が……俺の計画が!!!ウゴゴゴゴ」

 メーロンが崩れ、倒れる。

 それを象徴するかのように、メーロンの《ライブ》はアナチューブランキングから姿を消した。


「……終わったのか?最後はあっけなかったな」

「うむ……ペリオリが準備してくれた装備一式が活躍しきることはなかったな。」

 レビュー好きのツァラらしい発言。だが魔界装備が活躍することなど、ないに越したことはない。



「皆様、お気をつけを。先代魔王キネシス様が思念体として飛び出してきましたぞ」


 は?思念体!?

 みると、倒れたメーロンから全身不定形でゆらゆらとしたオーラ状のものが現れた。先代魔王キネシスそのものがメーロンを介さず具現化したとでも言うのか。


「ウゴゴゴ……そこに居のはペリオリか、久しぶりであるな。さあ、朕の元へ帰れ。そして余の計画のために働くが良い。ここにいた隻腕の男は役に立たん。除名である」


「キネシス様、あなたはもうこの世界にいてはならない存在なのです。200年前にあなたは先代勇者に打たれました。現魔王様は、パレシア様です」


「現も先も関係なかろう。まさかペリオリ、有能な側近であるお前までもが、猫に続き朕の計画の邪魔をするか。人魔は余とともに滅ぶ運命であるべきなのだ。朕はこの世界を作り直す。人間は争いの火種であり魔族は死しても死ねぬ無限地獄。この輪廻は2種族が消滅するほか解決方法はない。さあ、計画を遂行せよ」


 死してもなお、計画に縛られるキネシスの思念体、その姿は哀れにすら感じる。

 しかし時間が経つにつれ、思念体から魔力の急激な上昇を感じる。

 これは放っておくとヤバそうだ。


「キネシス……貴殿もまた人魔間の戦争をやめさせるために考えぬいた末の行動であったのだな。余にはわかるぞ」

 魔王同士ということもあるのか、パレシアにも通じる物があったのだろう。

【次回予告】

世界を無に帰すと宣言する、先代魔王キネシス。先代魔王を倒すため、無と無の力を合わせようと、パレシアは提案する。そこに聞き慣れた実況が聞こえてくる。

次回、44話:配信師ネコ子、再び

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