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42話 前人未到!同時視聴者数300万ビューの驚異!

[作者コメ]

あけましておめでとうございます。

あと昨日、チゲ速に取り上げられてしまいました。『小説家綾野智章としての活躍にも期待したいところです。』ってどういうまとめ方だよw


【前回までのあらすじ】

魔王パレシアと、主人公イセキンはこれまでの経緯を包み隠さず話した。イセキンから上がった戦争をスポーツとして昇華する提案は、魔界のモンスターたちに受け入れられたようだった。

 魔王の謝罪会見は前人未到の瞬間最大250万ビューを記録した。ペリオリによれば、これは歴代1位の記録だという。それを機にパレシアちゃんねるとイセキンTVは視聴者数を徐々に回復していった。

 コメントには『偽善だ!』という辛辣な評価もあったが、大部分は人魔2種族からの共感を得たようだった。しかしメーロンが主張する人魔殲滅の主張は未だ他種族の共感を多くとっていた。


 メーロンとの決戦が始まる。

 戦いの場所はメーロン城。それは魔王配下時代の拠点だった場所だそうで、薄気味悪い樹海の中に建てられている。ある意味パレシアの住む魔王城よりも魔王城っぽい立地にある。


 俺、パレシア、ツァラ、そしてペリオリはその地へ足を踏み入れた。

 ペリオリによる《ライブ》を開始する。直後、怒涛の勢いで視聴者が集まる。その数150万。今回ペリオリが配信チャンネルとして設定したのは魔王ちゃんねるではなくイセキンTVだ。お互い、今は敵味方同士では無い存在。チャンネルをあえて分ける必要はない。

 同時にメーロンも《ライブ》を始めたようだ。アナチューブライブ視聴数ランキング同率1位……メーロン側の視聴者数も同じ150万ビュー。


「そうじゃイセキンよ、ささやかな抵抗だがメーロンチャンネルに低評価を押すのを忘れずにな」

 ペリオリらしい、の姑息なアドバイスは素直に受け入れることにした。


◇◆◇◆◇◆


「来たか、パレシア・イセキン一行よ」

 メーロンは玉座に腰掛け俺たちを待ち構えていた。

 足を組み、頬杖をつく。深々とフードをかぶり表情を伺うことは出来ない。


「ああ、これで終わりにしようメーロン。余たちはその主張のとおり、誰も傷つけたくはない。しかし人魔殲滅だけは実現してはならなぬ」

 パレシアはメーロンに対し諭す。


「戯言に過ぎん」

 言葉を返すメーロン。

「ニャハ。メーロン様がお前らの主張を受け入れるわけがないだろう?頭湧いてんのかよ。バーカ」

 玉座の横に立つネコ子は俺たちを汚い言葉で罵る。


「よかろう、悲しみと憎しみの輪廻からの脱却。そうするための赦しの愛。そこからは矛盾するが、死を以て、余らの思想を受け入れろ」

「計画の達成に手段は選ばず。計画は計画通りに進行させるものだ。その邪魔をするんじゃねえ!パレシア!」

「さあ戦いの開始だニャ!」


 メーロンはティアマトの大剣を振りパレシアを襲う!


「絶対零度の力を帯びた剣はぁ、圧倒的な魔力とぉ破壊力を兼ね備えるニャー!」

「させるか!」


 ズガン!!!

 大きな衝撃音が響き渡る!


「パレシア様の前に立ちはだかるのはツァラ!流石は聖騎士パラディン!その防御力鋼鉄の如し!大きな攻撃を前に聖騎士(パラディン)の盾は微動だにしない!!」


 ツァラはパレシアと俺との共同謝罪会見後に俺たちのもとにやってきた。ツァラの両親は魔族によって惨殺されたのだ。それをも赦すというツァラの愛にパレシアはもとより俺も敬服するしかなかった。過去にとらわれるよりも未来を見据えた俺と魔王の思想に共感してくれたのだ。


「うん。流石は、魔界の防具といったところか。魔力を無効化するアダマンタイトの素材で出来た防具一式は実に体に馴染む!」ツァラはお得意の消費者レビューを始める。


「左様、ツァラもイセキンも人間であるが、武器も防具も魔界全土から取り寄せた一級品で装備を見繕ったぞ。生半可な能力では使い切ることができない魔界の装備、如何にメーロンでもその性能は無視できまい。」


「……ほう」

 元魔王軍それぐらいは知っていると言わんばかりのメーロンの反応。


「装備はニャぁ、あくまで力を補助するためのものに過ぎねーんだニャ。戦いの主体じゃねえ。圧倒的な力の差は装備に左右されねえんだニャ!!」

「その通りだネコ子。さあ、メーロンチャンネルのビュー数を伸ばせ、奴らの倍、300万ビューを叩き出せ!」


「え?メーロン様、今ニャんて……?」

「300万だ。できるな?」

「いやいや!そんなの無理ニャ!世界で誰もそんな数値は出したことないニャ!今はあいつらと同じ150万ビューこれでも限界ニャ」

「何!?貴様も俺の計画の邪魔をするか?何よりも計画の為に働け!ノルマは達成すべし!優先順位を履き違えるな!」


「なんじゃいアイツら、仲間割れか?ここはチャンスじゃ!イセキン、やるのじゃ!」

「わかってるよ!覚悟しろメーロン!」

「あー!卑怯だニャ、イセキン!」


「ハ!?ノルマにあえぐブラック企業みてーな話をしてんじゃねえよ!魔界に伝わるオリハルコンの剣!食らってみろ!」


【次回予告】

前人未到の同時視聴者数300万ビューを達成せよという、無茶苦茶なノルマはいかに優秀な配信師ネコ子といえども叶えることはできない。崩れ行くメーロンの計画。そして姿を表したのは・・・!?

次回、第43話:裏ボス登場

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