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ステータスMAX勇者とエッちぃ魔王の異世界実況配信バトル〜俺と魔王のいちゃつき動画が流出しちゃって謝罪会見するハメに〜  作者: 綾野智章
第三章 異世界に飛ばされて最初の敵がドラゴンなんて!こいつぁ無双だ!
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4話 異世界転生していきなりドラゴン5体!

【前回までのあらすじ】

神から転生先の能力を決めるため、ガチャをひかされた主人公タカオ(30)。ガチャなら……ということでリセマラを提案するが、レア度【SR】の能力『身体ステータスMAX』で妥協する。そして異世界に降り立った。

 太陽に照らされた土の匂いがする。若々しい草木の揺れる音。肌を撫でる爽やかな風。

「ここは……草原?」

 何でこんなとこで寝てたのか。ともあれ転生は成功したようだな……

 2度寝でもしていたい、そんなまどろみの中重いまぶたを開けようとしたその時。


 ドオオオオオオオオオオオオオオン!

 突然の轟音(ごうおん)。耳をつんざく音は大地を震わせる。


「うおおお何だ?」

 まどろみなんて悠長なこと言ってられる状況じゃないぞ。

 状況を把握しようと、急いで起き上がる。


 目に飛び込んできたのは、高温のマグマに氷が貼り、草木が茂る不思議な空間。

 草原なんていう平和的な場所じゃないことはすぐにわかった。


 そして広がる真っ赤な血の海。

 猛獣にでも食いちぎれたかのような、辺りに散乱する肉片。

 焼け焦げ、(すす)となった塊。

 霜が降り、冷たく固まった体の部位。

 それらは明らかに一人のものではなく、何人かが犠牲になったであろう量がそこにあった。


「なんだ……これ」

 そして、辛うじて立つ女の姿。

 その女が(にら)む視線の先……


「1、2、3、4、5体……うそだろ、多すぎる……」

 赤、青、緑、黒、白の5色のドラゴン。


 絶望。

 2つの文字が脳裏をよぎる。


「なんなんだこれ!目を覚ましていきなりなんだこれ!」

 状況が理解できない。

 でも考えろ。よく観察するんだ俺!


 女は果敢にもドラゴンたちと戦いを繰り広げる。

 出で立ちはまるでRPGの世界の女戦士。

 大きな盾と剣を手に、お約束の露出度高めの鎧を装備。鎧は全体的に鋼色をしていたが、所々に入る差し色の赤は、彼女の赤髪と統一感を思わせる。


 戦いを見ているとドラゴンの特性が解ってきた。

 赤いドラゴンは火を吐き辺りを焼き尽くす。

 青いドラゴンは水を吐き、冷気で周りを凍らせる。

 緑のドラゴンは大地を揺るがし、風や植物など自然を利用した攻撃を繰り出す。

 黒いドラゴンは辺りを闇に包み、

 白いドラゴンは逆に稲妻など光を操る。


 女戦士は5色のドラゴン相手にうまく立ち回っている、がそれでも防戦一方だ。

 ろくに攻撃はできていない。たとえ防御が完璧でもそれではジリ貧。

 やがて体力を削られ、やられるのは目に見えている。


「助けなきゃ!」

 本能的にそう思った。女戦士を殺した後、次のドラゴンのターゲットは恐らく俺だろう。

どうせ攻撃されるなら、戦力が多いうちにこちらから攻撃を仕掛けたほうが良い。


 不思議なことに、俺は金属製の鎧と腰に剣を身につけていた。それは辛うじて最低限の戦いの装備はあるように思えた。

 ジャキン!と剣を抜いてみる。

 鋭く輝く刀身に、映り込んだ自分の顔をみて驚く。


「若返ってる……」

 未成年。17〜18歳そこらのように見えた。若々しく、弾けるような体がそこにあった。


 ごくり。と唾を飲む。

 身体ステータスMAX……てことか。信じるぜ!神さま!

「うおおおおおおおおおお!!!」

 全力でドラゴンに走り寄る。


 ビュオオオオオっと体から風を切る音が聞こえる。

 体が羽根のように軽い。


 女戦士は俺の存在に気づいたのか、俺と目があう。驚いた表情。

 だが俺の狙いは、彼女に業火を吐き続ける赤色のレッドドラゴン!


「はあっ!」

 と地を蹴りジャンプ!


「よくわかんねーけど、炎には冷気だろ!?なんでも良いから冷気系の攻撃出てくれ!」

 剣を握る手に力を込める。


「うおおおおおおおおおおおおお!!!」


 叫ぶとともに、剣を振り上げる。

 刹那、刀身は青白く輝きを放ち、辺りは急速に凍り始めた。

「その、ご自慢の炎ごと凍ってしまえ!レッドドラゴンんんんん!」

……いかん、実況配信を見過ぎた影響か、気合が入る場面で喋っちまった。

【次回予告】

火・水・木・光・闇、全ての属性を駆使しあっさりとドラゴンを倒す主人公タカオ!しかし助けたはずの女戦士は、仲間を失った現実を受け入れることができず、大泣き。タカオはただ呆然と見つめるより術がなかった。

次回、第5話:ドラゴン瞬殺!泣き崩れる女戦士

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