33話 コメント熱狂!「やっぱりエロの力は偉大だニャ!」
【前回まであらすじ】
ティアマトは主人公イセキンに対して絶対零度の魔法 《アブソリュートゼロ》を放つ。全てものもが凍りつくと同時に体が重くなる。これは温度を操る技ではない!?
重力だ!重力を操る魔法だ!重力が極限まで強い環境下では、原子の運動が止まり、結果温度が下がってく!昔、物理の授業で習った熱運動ってやつだな。
「ははは、イセキン。貴様の水属性耐性は相当のものだなー。我が《アブソリュートゼロ》の前にまだ生きているとはー!」
「そこまでニャ!そろそろ、その魔法やめてもらうよ!……貪欲な魔界の森よ、根を張りすべての水を吸い尽くせ!《ルートインフェルノ》」
ネコ子から大量の根が飛び出だし、ティアマトに突き刺さる!
「ぬぅ!!!」
「よしよし!少しは効いたみたいだニャ〜!魔界の植物は貪欲でね、自生する環境を破壊するほど徹底的に水を吸い、酷い干ばつを起こすニャ。その根が体に突き刺されば、水属性には致命的なダメージとなる!効果は抜群ってやつニャ!」
「いいぞネコ子!イセキンへの《アブソリュートゼロ》が解かれたぞ!」
「この隙に水属性耐性をツァラちゃんに付与するニャ。大地の精霊よ!深緑の加護を与えよ!《グリーンプロテクト!》」
「助かった。水属性は私の属性である火属性の天敵だからな!これで少しは皆の盾になれるぞ」
「うむぅ。ただの実況ネコと思えば小癪な真似をしおってー!我が子よ、目障りな人間どもを食ってしまうのだー!」
ティアマトが使役する11の大蛇が俺たちを襲う!
「ツァラ!俺が渾身の力を込めてこの蛇どもをぶっ潰す!しばらく攻撃に耐えてくれ!」
「了解だ!」
「さあ、11匹の大蛇が次々とツァラちゃんに襲いかかるニャ!あるものは、噛み付き、あるものは締め付ける!しかしツァラちゃん、それをすべて、必死にガードするニャ!」
「ブシャー!」
「これは!?大きな牙から、毒液攻撃!ツァラちゃんがまともにくらい、毒状態ニャ!防御するほどにダメージが重なる!リピートキュアの効果があるものの、毒は徐々に体を蝕む!」
「うぐ……体力が徐々に奪われる!イセキンどうだやれるか!?」
俺はヘソの下あたりにあると言う丹田を意識し、全力の力を溜める!
「いや、まだだまだ力を溜める必要がある!」
そう言って上半身をぐいっと捻り、脚へと意識を集中する。
「ぐ……はあはあ」
「おああ!視聴者のみなさん見てください!ツァラちゃんの鎧が崩れていますニャ!」
「んー?ど、どういうことだ?毒と鎧の成分が反応して、ボロボロと崩れ出しているぞ!?」
ツァラの言うとおりホルドマン製の鎧はプラスチック製かのようにボロボロの崩れ出し、途端にツァラの肌が露わになって来た。それでも蛇たちの攻撃は止まず、防御の姿勢を解くことはできない!
なんかこの状況かなりエロいシチュエーションじゃないか?
「あ、あああ……もうツァラちゃんはほぼ半裸ですニャ!エッロ!」
そう言ってネコ子はボードをツァラに向け、舐め回すようにカメラアングルを操る。
「ツァラ、ほんまありがとうな。視聴者数を上げるために体を張ってくれて。魔王のパンツの代わりに文字通り一肌脱いでくれるとは」
「ち、違う!何考えてるんだイセキン!早く力をためろよバカぁ!ったくホルドマンの野郎!とんだ鎧をくれたもんだ!ポンコツじゃんか!やだぁ!」
イセキンTVのコメントは踊る!
『うおおおお!ツァラちゃんの恵体wwww 草生える』
『おっぱい大きい!( ゜∀゜)o彡°おっぱい!おっぱい!』
『イセキン!力はまだ溜め続けろ!』
流石の俺もこの時ばかりはコメントたちと同じ気持ちだ!
「うおおおおおおおお!キタキタキタキター!力が溜まったぜ!」
「みんな!今ちょうど視聴者数が120万ビューを突破したよ!やっぱりエロの力は偉大だニャ。これでティアマトとも視聴者数は互角ニャ!」
「早く!早くぅ!イセキン攻撃しろよーー!!」
もう少しツァラの露わになった姿を見ていたかったが、それも限界だ。渾身の俺の技喰らうがいい!!!
「ここでイセキン君、力強く大地を蹴り、空中に飛び上がった!凄まじい回転蹴りがティアマトを襲うニャ!!!!」
【次回予告】
回転蹴りを繰り出し大蛇たちをなぎ倒すイセキン!なおも攻撃は止まらない。
次回、第34話:ティアマト撃破!天を穿つ勇者の拳!




