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ステータスMAX勇者とエッちぃ魔王の異世界実況配信バトル〜俺と魔王のいちゃつき動画が流出しちゃって謝罪会見するハメに〜  作者: 綾野智章
第九章 魔王とまたイチャつき。そして新たな提案「ドンとぶつかって後は流れで。」
24/48

24話 鷲馬ヒポグリフとの激戦!

【前回までのあらすじ】

主人公イセキンのもつチャンネル、イセキンTV。その視聴者数を増やしたい聖騎士ツァラは手っ取り早く視聴者数を稼ぐために、魔王のミニスカートをめくろうと提案する。

『パンツ最高!』

『マジか魔王のおパンツ拝めるの?』

『1000万回チャンネル登録したwwwwwwww』

 やばい、コメントがかつてないほど盛り上がってる。


「い、いや……そんなのできるわけないだろ!」

「いや、できると思うぞ。魔王はおそらく予告通り山頂にいるはずだ。そこを狙うんだ。見えそうで見えない魔王のパンツを見ることができれば、相当数字が稼げるはずだぞ」

「違う違う!そういうことを言ってるんじゃなくて!」

「イセキン!弱音を吐くなよ。強くなるために近道はないんだ!」

 ――言ってることはまともに聞こえるが、スカートをめくることは強さとは関係ないことだ。っていうか、エロで視聴者を稼ぐって言うことが、近道そのものの発想ではないのか?

 ツァラは真剣な顔をして、こちらを見つめる。その目に一点の曇りはない。


 ……だめだ。魔王を倒す強さを追い求めるあまり、正常な判断ができていない。


「でわ〜、イセキン君。魔王のパンツ確認の任務お願いしますニャ!」

「いや、だから!パンツなんか確認しないっての!」


 なんてやり取りをしながら、こうして俺たちは山道を登りはじめた。

 エロが視聴者数の近道ってのは否定しないが、なんだって俺がパレシアのスカートをめくらねばならんのだ。そんなことをしたらパレシアに確実に嫌われるだろう。なんとかそんなことをしなくても良いようにやり過ごさねば……


 登り始めは道も舗装されていたが、徐々に険しくなってくる。

 どれくらい歩いただろうか。ちょっとした平地があったので、休憩を取ることとなった。


「ふう、さすが、山脈でも一番高い霊山まだまだ登るな……」

「でもだいぶ登ってきたニャンね。眺めがいいニャ。ほ〜ぅら!皆さんもご覧ください!ヒュードルの街がこんニャに小さく!」

 と言ってボードを街の方へ向ける。イセキンTVのコメントも珍しい景色に湧き上がる。

「うん、みんなの言う通りニャね。こういった景色って《ライブ》でも珍しい画かもだニャ〜?」

 ネコ子はこうやって視聴者の反応をみて、コメント拾いを欠かさない。これが視聴者数を伸ばすコツでもあるようだ。


「あー、天気が凄くいい。このまま何事もなく山頂まで進めるといいんだけど」

 そう言いつつ俺は空を仰いだ。

 抜けるような青空に真っ白な雲。それを横切る一羽の鳥。

「でも、この空は元の世界につながってはないんだよな。なんか不思議だな……ん?あれ?」

 鳥かなと思っていた小さな点はみるみるうちに大きくなってくる。んー?明らかにこちらに向かってきているぞ!?


「ツァラ!ネコ子さん!来るぞ!避けろ!」

 影は大きな音ともに俺たちを、襲う。


 ドーーーーーン!


 激しい地響き。

 土煙が舞い上がる。


「ふ、山頂まで行く手間が省けたな」

 ツァラのセリフとは裏腹に緊張が走る。

 土煙から姿を現したのは、鷲馬ヒポグリフ。


「クルルルル…」

「ニ……ニャんと!突如上から降ってきましたヒポグリフ。見てのとおり前半身は鷲、そして後半身は馬の魔物です!鳴き声は鳥に似て甲高くー……もしかして、これは酷く気が立っているってやつかニャ?」


 体勢を低くし、獲物を狙っているかのように、ゆっくりと距離を詰めてくる。

「低い体勢からも大きな翼を広げるヒポグリフ!攻撃の準備はできていると言わんばかりニャ!さぁどうする!?」

 先に動いたのは鷲馬。

 鷲の翼、馬の脚。人の2倍はあろうかという、その体の大きさからは想像もできない、疾風の動き!

 前足の鉤爪を開き、突進してくる。

「任せろ!」

 ツァラが前に乗り出し、防御を固める!

 俺とネコ子は盾の後ろで構える。

 ここで攻撃を防いで、カウンターを狙う。俺たちの必勝パターンへとつなぐのだ!


 ドン!

「うぐ!」


 恐ろしく強い衝撃!いやダメージを直接食らったかのような……激痛!

「これは……皆、大丈夫か!?くそ!コイツ!貫通の攻撃を……!」

「か……貫通攻撃は……前衛防御を無視して後衛にも衝撃を伝えダメージを与える厄介な技ニャ。さすがヒポグリフの攻撃は重く、こたえるニャ……でもおかしい、通常ヒポグリフはこんな狡猾な技を繰り出さないのニャ。我々の作戦の裏をつく攻撃ニャ。リュスタ山攻略は、一筋縄ではいきかニャいニャ!……ガハッ!」

 ダメージをもろに食らってはろくに喋れないだろうに、実況は止めない。ネコ子のプロ根性だ。準備していたハイポーションを使い体力を回復する。


「イセキンここは二手に別れよう。ヒポグリフの攻撃をネコ子が喰らい続けるのはきつい。私はネコ子のサポートに専念する」

「よし、わかった!行くぜヒポグリフ!」

 俺の掛け声を合図にパーティは勢いよく左右に分かれる。


「おおっとヒポグリフ!我々のどちらを狙うか戸惑っているのか、動きが止まっているニャー!」

 しかしヒポグリフは意外な行動にでた。

 我々のどちらを追いかけるのではなく、そのまま直進したのだ。

「ニャニャ!?もしかして逃げた……!?」

 かと思えばヒポグリフは鈍い音とともに直角に進路を変えた。

 いや何者かに変えさせられたようだ。


【次回予告】

ヒポグリフに断末魔をあげさせたのはベヒーモス。覚悟を決めて戦いを挑むイセキン一行。魔法が使えないこの状況で如何に戦うことができるだろうか。

次回、第25話:死闘!ベヒーモスと、なまくらの刀

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