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ステータスMAX勇者とエッちぃ魔王の異世界実況配信バトル〜俺と魔王のいちゃつき動画が流出しちゃって謝罪会見するハメに〜  作者: 綾野智章
第八章 クエスト出発前準備。パーティ編成、装備調達。配信にはスポンサーが必要だよな!
22/48

22話 ディスり厳禁!ついにイセキンTVにスポンサーがつく!

【前回までのあらすじ】

またも現れた魔王一行!しかし魔王パレシアの可愛い仕草にちょっとにやけてしまう主人公イセキン。山頂で待つという魔王に対し「待っていろよ!」と答えるイセキン。すると魔王が応える。

「ふふふふ。楽しくなってきたなぁ。もうよい。下がれ」

「く!」

 圧倒的力の差。何もできなく、その場を下らざるを得ないこの状況。

 またもケツをまくって、俺は魔王の元を去る。……という(てい)だ。

 途中、あいつも顔ちょっとにやけてたじゃねえか。


 幾分か歩いただろうか、ネコ子が口を開く。

「あれが魔王パレシアか……圧がすごかったねぇ……最後にボクたちに向けた笑みなんか狂気すら感じたニャ」

 あっぶねー、ニヤケ顔バレてるじゃんか!ネコ子鋭い!


「いや、ネコ子ありがとう。お礼を言うよ。多分ネコ子の咄嗟の 《ライブ》が無かったら、隻腕の男の気迫だけでもやられていたかもしれない。それぐらいヤツは強い!」

 ツァラはネコ子にお礼を言うが、顔は真っ青になっていた。

 まだ生きた心地がしていないのだろう。それでもなお彼女は続ける。


「……にしても魔王が山頂に行くということは、エクスカリバーがある説得力が出てきたな」

「うん。ツァラちゃんの言う通りニャ。これは本当にエクスカリバーが山頂にあるのかもニャ」

「んー。問題はこのパーティ全員がエクスカリバーを抜くと死んでしまう呪いがかかっていることだが……」

「迷っていても仕方がない。とりあえず準備して、山に登ろう。エクスカリバーが本当にあるかどうかだけでも確認しよう」


 出発前、一人で街を探索してみて、この街の――いや、この世界のことがだいぶ解ってきた。まず俺は全ての言語・文字が読める……というか、人々は日本語で会話するし、文字は日本語で書かれている。

 市場には「牛」「鶏」「豚」「馬」といった家畜がおり、さらに果物や野菜などは知っている食材が並んでいた。また「犬」「猫」などの愛玩動物は元の世界の姿のまま受け入れられている。ここだけ見ると、とても異世界という感じはしないのだが、性格がおとなしい種の竜などのモンスターも家畜化されいたのは驚いた。


 また街で暮らす人々は人間だけではなかった。獣の姿をした獣人、全身が鱗で覆われた竜人、耳の長さが特徴のエルフ。

 他にもRPGではおなじみの武器屋・防具屋・道具屋も存在する。こんな店が存在するなんて、目の前の現実がにわかに信じられなかった瞬間でもある。

 街は城壁で囲まれていて、中心にはこのヒュードルを治めているであろう城もあった。街の建物の殆どは石造りの建築で、人々は蒸気や電気など科学的な力は利用していない生活を送っている。


 科学に代わり、幅を効かせているのは魔力だ。この世界は魔力を使ったガジェットの利用が目につく。俺がギルドからもらったボードは街に住む人々の大半が持っていて、暇さえあればボードで動画を見ていた。いや……と、言うよりは雰囲気はテレビに近い。常に動画を流していてチャンネルをザッピングする感覚だろうか。

 街にはところどころ 《ライブ》を行っている団体も見かけた。おそらく娯楽といえばアナチューブの動画ぐらいなものなのだろう。アナチューブには人々の欲求を満たすだけの沢山の動画がアップされている。


 宿に戻ると、ツァラから嬉しい報告があった。

 なんとホルドマンから武器と防具のスポンサードを受けることができたというのだ。

 ツァラは荷物からイカした剣と盾、鎧を見せてくれた。


「おー!これはかっこいいな!なんでまたスポンサードしてもらえたんだ?」

「ああ、簡単だよ。それはネコ子の配信能力の高さとイセキンの強さを、私がホルドマンに売り込んだからだ。ホルドマンはヒュードルでも有名な武器商人。我々がクエストで活躍する様子を 《ライブ》すれば、自ずと冒険者はその武器が欲しくなるだろ?ホルドマンもそれを理解してくれて、良い武器を我々に無償で提供してくれたのさ」


「さっすがツァラちゃん!商売がうまいニャ〜!」

「けど、スポンサードされた武器をけなす発言は一切禁止だぞ。それどこか次のスポンサーの話はどこにつながるかわからない。 《ライブ》中は全てのディスり発言はしないように!炎上屋の餌食になる可能性があるからな」


 そう言うと、ツァラは一振りの剣を取り出した。

「例えばこの剣、攻撃するたびに体力が回復する力を秘めているのだが……」

「へー!それは凄いな!俺もそれが欲しい」

「いや、だがなまくらの剣でな。全く斬れないんだ。私は聖騎士(パラディン)という職業柄、みんなの盾となる役目。イセキンのようなアタッカーでは何の役にも立たない。なのでイマイチ売れ行きが良くないんだ」

 うーんなるほど。攻撃力があって体力が回復する剣を使わせてくれれば良いのだが、世の中そうはいかないらしいな。

「イセキンにはこの剣を。切れ味が抜群の剣だ。しかし熱にはめっぽう弱くてな。炎系の魔法や技を使うと、刀身が溶けてしまうんだ。まあ、他の属性攻撃を使えば問題ないだろう」

 これまた訳ありの武器というわけか、とはいえ切れ味が良いというのは悪くはない。早速新しい装備へと変更する。癖のある武器とはいえ、やはり新しいモノってのはワクワクするな。

「よし、ヒポグリフ攻略に向けて出発だ!」

【次回予告】

クエストアタックも、もっと視聴者数を伸ばしたいイセキン一行。するとツァラがポツリと口を開く。「エロか」

次回、第23話:視聴者数アップの鍵はエロ!?魔王のミニスカートをめくれ!

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