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2話 転生テンプレ過ぎて、わざわざこの話数いる!?

【前回までのあらすじ】

「この度は、世界の皆様をお騒がせして大変申し訳ございませんでした!」勇者と魔王は頭を下げた。そもそもなんでこんな状況になってしまったのか!?主人公タカオが異世界に転生するまでのテンプレ・プロローグが語られる。

「はいどーも!皆さんこんにちは。今日はね、溜まった石を全部使って、フェスガチャを引いてみたいと思います!」


 俺の名前はタカオ。30歳。

 趣味はYouTubeLIVEで、ゲーム実況を見ることだ。

 ……いや趣味ではなく暇つぶしと言うべきか。今日は自分がやってるソシャゲのガチャ動画をダラダラと見ている。


「来い来い来い来い!我が前に出でよ!最高レアリティ【SSR】!とりゃーーーーーー!」

 必死で願を掛けガチャを回す、画面の中のユーチューバー。

 パカパカパカパカ!っと10連ガチャが開いていく。


「うわ〜クズレアばっかり!」

 しょんぼりするユーチューバー。同時に俺もまたちょっとしょんぼり。

 今回の目玉の新キャラはそれだけ出現する確率が低いってことだよな。目当ての新キャラは水着姿で、非常に可愛く絶対に欲しい。ついに課金に手を出す時が来たのかも。

 しかし落胆は叫び声で打ち破られる。


「あー!でたー!!でたーーー!!うおおお!【SSR】!!30連ででた!!!いや〜まじでついてるわ!!」

 うわ。こいつ引きやがった!


「あ〜可愛い〜。ステータスも強い!」

 これ見よがしにゲーム画面を見せつけてくるユーチューバー。マジで羨ましい!!!


「はい。今回のガチャ動画はここまでてす!いやーよかったよかった!みんなも引いてみてね!この動画が面白いと思った方は、チャンネル登録をよろしくー!」

 してやったり顔で配信を終えるユーチューバー。


 くぅ〜〜〜〜……

 よし!俺も男だ。今回は水着が出るまでガチャを回すぞおおおお!! 貯金がなくなるかも知れないが……まあ、なんとかなるだろ!!!


◇◆◇◆◇◆


「くっそーーーー!」

 翌日、朝目覚めて昨日のことを思い出し、思わず口から漏れてしまった。

 だめありゃ。

 ガチャの結果は散々だった。ユーチューバーのライブ動画のようにはいかない。 課金も20連ほどしてみたが効果はなかった。


「あ〜いいよな、ユーチューバーは。ガチャ動画放送するだけで金が儲かるんだろ?」と、

 そう呟いてみせるが世の中そんなに甘くないことも知ってる年齢だ。例えば俺がやったって大した視聴者数は稼げないことは想像しなくてもわかる事だ。

 そういえば、YouTubeLIVEの同時視聴者数の世界記録が110万ビューに更新されたというニュースを見た。一体どうやったらそんな数になるんだろうか。相当儲かってるんだろうなあ〜いいなあ〜そういう仕事で食っていけて。


 なんてことを考えながら出社する。


 交差点に差し掛かる。

 トラックの大きなクラクションが轟く。

「あ、やばいこれ…死」


 ドン!ぐちゃボキボキブチ!ベキ


 痛てえええええええええええええええええええええええええええええええええ!

助けてくれ…こういうときって、すぐに意識がなくなるんじゃないのかよ…


 ピーポーピーポーピーポーピーポー……


「タカオよ」

 どこからともなく俺の名を呼ぶ声がする。


「だれだ?」

「神です」

「神?」

 後光かな。神と名乗る男はそれを信じさせる納得性がある佇まいをしている。


「あなたはたった今、死にました」

「あ、マジか……俺死んだのか」

「はい、見てください。あなたの家族が悲しんでいますよ」

 神が下を指さすので目線を下げると、横たわって居る俺が見えた。

 自分自身を第三者視点で俯瞰視するというのは不思議なものだ。

 これが幽体離脱状態というやつか。


 父さんと母さん妹が泣いている。

「うううー。タカオー!!ああぁ」

 母さんがあんなにも取り乱しているのは見たことない。

 沈痛な空気が病室に漂っているのがわかる。


「おいおいおい、最悪じゃねーか」

「あなたはトラックに轢かれはしましたが、即死ではなかったんですよ。轢かれたあと病院に運ばれて……20時間。だいぶ苦しみましたね。これが貴方の運命だったのです。さあ次です、転生しますよ」

「え?転生?――あ!あぁ!!なるほどわかったぞ。これは……あれだろ?神様の手違いで死ぬ運命では無いのに死んでしまったので、チート能力をもって転生っていう……?」


【次回予告】

トラックに轢かれて神に出会った、主人公タカオ(30)。神は次の世界での能力を決めるためにガチャをひかせる。ならばとタカオは神にリセマラを提案する!

次回、第3話:煌めけ俺の右手!転生ガチャで【SSR】スキルをゲットしたい!

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