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ステータスMAX勇者とエッちぃ魔王の異世界実況配信バトル〜俺と魔王のいちゃつき動画が流出しちゃって謝罪会見するハメに〜  作者: 綾野智章
第七章 ギルドで水見式属性診断!?配信師登場、チャンネル開設、クエスト受注で物語は加速する!
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18話 『イセキンTV』と『オーク兄弟の初狩りチャンネル』

【前回までのあらすじ】

水見式属性判別法で見たことがない反応を示した主人公イセキン。この様子を《ライブ》で見ていた動画勢たちからいくつかコメントか上がってくる。『消滅属性』であると。すると思い当たる節があるのかギルド受付君が口を開いた。

「全部の属性を全く同じ魔力で操らなければならない超高度魔法。それが消滅魔法です。全ての属性が互いに打ち消し合って、対消滅を起こすために、消滅属性と呼ばれています。

 たしかにそれであれば、水見式ですべての物質に変化がなかったこともうなずけます。強力な魔力によって互いの属性を打ち消し合い、ついには水や若葉など物資と空間を巻き込み消滅。グラスの中に無が生まれることにより、周りの空気が一気に中心に流れ込む。そのためグラスが内側へ押され破壊される……ということではないでしょうか?」

 へー。全部を同じ魔力で扱うというのは非常にコントロールが難しそうだが、俺は全ステータスMAXなのでこんなことができるのだろう。


「とにかく、名簿には消滅属性として登録しますね。ギルドから審議の必要があると判断された場合は、別途イセキンさんのところに連絡があると思います!」

「これは興味深いことにニャってきました!消滅属性!初めて見ましたー!すごい新人現る!ですニャ!」


「うおーーー!すげーぞ兄ちゃん!」

「俺のパーティに入らねーか!」

 き……急に館内がざわつき始めた!


「まあ、みんなちょっと待ってくれ、俺はこの女戦士ツァラと共に旅をしてるんだ。せっかくのお誘い申し訳ないが、ここは解散してほしい」


 そう言って、この場を平時にもどすよう取り繕い、人だかりを解散させた。もちろんネコ子も例外ではない。


「イセキン君!いいものを見させてもらったニャ!視聴者数も15万ビュー!チャンネル登録も増えたニャ!すっごくありがとう!じゃあこれでボクは失礼するニャ!またどこかで会えるといいね!それじゃぁね!」


 空気が読めるのか、そういうとネコ子はギルドを後にした。

 しかし、15万ビューとは……そこそこの数値を叩き出したんだな、今の。


「お疲れ様でした。ギルド登録が完了いたしました。それと…」

 受付君が続ける。

「イセキンさんはアナムネチューブのチャンネル開設も同時に行われますよね?チャンネル名はどうしますか?」

「イセキンTVでいいよ」

「わかりました。では登録しておきます」


 チャンネル開設を決めてから、一晩いろいろと考えたが、ベタに「名前+TV」でいいかと結論づけた。イセキンという名前と同じく、これも元の世界のジンクスにあやかって、だ。


「はい。これでチャンネル開設が完了いたしました。それとコレですね」

 と同時にツァラやネコ子が持っていたスマホ風のアイテムを取り出す。

「これは『ボード』と言って、アナチューブの動画を見たり、コメントしたり、評価したりできるアイテムです。配信魔法を使えばこのボードから《ライブ》もできますよ。こちらはイセキンさんにお渡しいたします」


 ボードの外見は鏡に近い。縁には装飾が彫られており高級感がある。鏡に軽く触るとアナチューブのホーム画面が浮き上がる。UI(ユーザーインターフェース)はよくある動画配信サイトのそれに近い。現在配信している有力な番組はホーム画面で特集されている。検索枠や、オススメ動画なんかも観ることができる。

 操作感はスマホそのもの。タッチやスワイプで操作して、好みの動画を探して、見ることができた。色々触ってみたがアナチューブ以外機能は一切なかった。

 ネットが見れれば便利だったんだがな。


「さて、早速だが……」

 待ってましたとばかりに、ツァラが口を開く。


「昨日、アーエール草原周辺でオーク兄弟を倒してな。その動画を売りたいんだ」

「あ〜、初心者狩りをしているオーク兄弟ですね。噂は聞いたことがありますよ。まずは事実確認にして、それから……討伐したチャンネルの譲受申告が必要ですね」

 事実確認、申告……なんだかすっごく面倒くさい感じの単語が並ぶな。お役所みたいだ。


「あ?イセキンさん今すごくめんどくさそうな顔していますね。安心してください、殆どボード上で出来ますよ」

「そうだな、まずは事実確認をしてもらおう。イセキン、ボードからオーク兄弟の動画を探そう。アナチューブの検索枠から、検索できるか?」

 検索の条件を整える。昨日のアーエール草原で《ライブ》をしていた動画を検索……

「お、1件ひっかかったぞ。『オーク兄弟の初狩りチャンネル』…とんでもねえチャンネル名だな」

 《ライブ》は生放送が終わるとアーカイブとして自動で録画保存される仕組みのようだ。

 アーカイブ動画を確認するとブタ目線の動画を再生することが出来た。

「これを確認してくれないか」

 ツァラが受付君に件の動画を見せる。ブタに遭遇してから倒すまで、一連の流れが再生される。動画で見ると改めて、俺若いな……


「うっわぁ。イセキンさんなんですかあの斬撃技……水見式の結果といい、デタラメな強さですね」

 そりゃ受付君もびっくりするよな。当の本人でさえ最初何がおきたかわからなかったんだから。


「まあ、経緯は何でも良い。これでイセキンがオーク兄弟を倒したことが分かってもらえただろうか」

 話をすすめていくツァラ。


「はい、よくわかりました。では『オーク兄弟の初狩りチャンネル』は管理者がいなくなったということなので、評価ボタンの下にある『チャンネル譲受申告』ボタンを押してください。それで申告は完了です」


【次回予告】

動画配信が幅を効かせる、異世界アナムネ。『オーク兄弟の初狩りチャンネル』の販売に成功したイセキンは、とりあえずの軍資金を得る。と、聖騎士ツァラが見つけてきたクエストにエクスカリバーの文字が。

次回、第19話:報酬は聖剣エクスカリバー!?嘘くせーだろこれ

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