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ステータスMAX勇者とエッちぃ魔王の異世界実況配信バトル〜俺と魔王のいちゃつき動画が流出しちゃって謝罪会見するハメに〜  作者: 綾野智章
第七章 ギルドで水見式属性診断!?配信師登場、チャンネル開設、クエスト受注で物語は加速する!
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15話 念の為!ギルドで試す水見式属性識別法!

【前回までのあらすじ】

主人公イセキンは、エッチな魔王パレシアといちゃいちゃ。2人の秘密を共有し、魔王は去っていく。たびに同行する聖騎士ツァラは気づいていない。日が落ちる頃にはヒュードルの街に到着するだろう。

「おっす」

 カウンターに立つ若い男へ、ツァラは親しげに話しかける。


「やあ、ツァラさん。おはようございます。昨日は『パレシアちゃんねる』を見ていてびっくりしましたよ!ツァラさんが出ていて!」

「ああ、見てたのか。」

「そりゃもちろん。皆、魔界の動向が気になって魔王が運営する『パレシアちゃんねる』を見ちゃうんですよね。結果的に『パレシアちゃんねる』はアナチューブでもランキング1位の人気チャンネルになってしまってるのは皮肉なことですがね……おや、横にいらっしゃるのは噂のイセキンさんですか?」


「え!?どうして俺のことを?」


「どうしてって、そりゃ『パレシアちゃんねる』は注目の《ライブ》ですからね。アナチューブには現在人気の配信がリアルタイムでランキング表示されている機能があるんです。『パレシアちゃんねる』は人間界・魔界でも非常に人気が高く、常に1位。絶対的トップチャンネルなんですよ」


「なるほど、『パレシアちゃんねる』はそれほどまでに絶大な人気があるのか」

「はい。そうなんですよ。魔王が可愛いってのもあるんでしょうが、そのカリスマ性には魔もの達のみならず、人間達にもファンが多いのです」


「いやいや、それじゃあ魔王がどんどん力をつけていってしまうだろ。魔王が可愛いってのは理解できるが、せめて低評価ボタンを押さなきゃ人間に勝ち目が無くなってしまうと思うんだが」


「もちろん、普通の人間は低評価ボタンを押しています。でもそれと同じぐらい高評価が入るんです。低評価は視聴数にマイナスの影響を。高評価は視聴数にプラスの影響を与えます。『パレシアちゃんねる』では評価が打ち消し合い、結果、純粋な視聴者数が表示されているんですよ」


 うーんなるほどな。

「で、どうでした?魔王に祝福された感想は?」

「いや、あれは祝福っていうか呪いだろ!?」

「ははは。エクスカリバーって今まで見つかってもないし、本当にあるか怪しいもんですよ。でも羨ましいなぁ、魔王にキスされるなんて。僕もされてみたい」

 あの動画を見たモノは全員呪いをかけられているのに、ずいぶんと呑気なもんだな……


 なんて、世間話が進むここは、ヒュードルにあるギルド。

 館内は朝から活気があり、様々な冒険者が集まっている。


 なかでも活気づいているのは壁にある大きな掲示板だ。そこには様々な依頼クエストが掲示されていて、冒険者たちがどのクエストを受注しようかと吟味しているRPGにはおなじみの光景だ。


 そして、それを超えるぐらい活気づいているのが、モニター前だ。モニターには常時ランキング1位の《ライブ》が流されているそうだ。掲示板前よりも沢山の冒険者たちが食い入るように見ている。おそらく昨日の魔王との一部始終はこのモニターで流れたんだろう。


 部屋の中心には冒険者同士が交流できるように机がいくつも設置されている。軽い商談はもちろん、がっつり酒まで飲めるようだ。席は様々な需要で満たされ空席は見当たらない。


 昨日、街についてから一泊する際にツァラがギルド登録をすすめてくれた。

 ギルドは見ての通り、仕事の斡旋や情報の取得、他の冒険者達との交流が期待できる。

だが一番の決め手となったのはアナチューブの利用とチャンネルの開設ができるところだ。


 この世界で冒険をするとなると配信魔法の力を借りなければ、いくらステータスMAXのチートを持っていても無力に等しい。またチャンネルがあれば自分の《ライブ》が放送できる他に、動画の売買ができるところも決め手の1つになった。なんでもあのブタどもの動画を売ることができるという。なんせ今おれは無一文!ツァラが使っていたファイヤースターターどころか生活すら出来ない。実際ツァラに宿代一泊をおごってもらったしな。


「ではイセキンさん。こちらの書類をよく読んでサインを記入してください」


 書類には、ギルドとアナチューブの簡単な説明。その他にはギルドの方針や指示に従うこと、虚偽の報告をしないことなどの利用規約が書かれていた。まあこんなのは同意するしかないので、促されるままに書類へカタカナで名前を書く。

 カタカナで……そういえば、読み書き会話すべて前知識なくできていることに気づく。というかこの世界の言語は日本語そのものだ。いやそれどころか、数字/アルファベットも元の世界とまるで同じだ。まあわかるに越したことはない。


「記入ありがとうございます。次にイセキンさんのある程度の能力を測らせていただきます。能力に合わせてギルドから依頼や招集がかけられる場合があります。そのため、登録者の能力をある程度把握する必要があるのです」


 目の前に出されたのは、水面に浮かぶ若葉が入ったグラスが1つ。


「おおお?まってまってこれって……」


 これは有名なオーラ選別法では?

 少年マンガが好きな人間なら誰だって知っている。水見式……


「おや、ご存知なのですね。水見式属性識別法を」

「いやでもこれは属性というか、念……というか……え?」

「念の為、1からご説明しましょう。魔力には、火・水・木・光・闇の5つの属性があります。水見式はその属性を調べることができるのです。魔法使いでなくとも、誰しも少しは魔力は持っているものなんですよ」

【次回予告】

主人公イセキンは、水見式属性識別法を試そうとグラスに手をかざし、精神を集中する。そこへ声を掛けてきたのは、猫耳の獣人ネコ子だった。どうやら水見式の様子を実況しているようだが……

次回、第16話:配信師ネコ子

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