13話 エッチな魔王パレシアといちゃいちゃする話
【前回までのあらすじ】
勇者しか抜けないという聖剣エクスカリバー。聖騎士ツァラそれを探す旅に出ていた。主人公イセキンは、ツァラの旅に同行することにした。キャンプ地から約半日かけ次の街ヒョードルに向かいただ歩く。
3時間ほど歩いたか、辺りが夕焼けに染まりだす。
「もう少しでヒョードルの街につくよ」
耳元でささやく声が聞こえた。かと思えば、辺りが突然闇に包まれる。
夜にはまだ早すぎる。これは!?
「あーーーー、疲れたー。ペリオリの監視がキツくってさ。適当な理由を作って、お城を抜けるのに苦労しちゃった」
砕けた口調の声。しかし姿は見覚えがある。
大きな角に、ローブから白い胸の谷間が見えるエロい姿。魔王だ。
「ま、魔王……なんでこんなところに?」
魔王はこちらをじっとみる。
あ……やっぱりかわいい。
けど!
「ツァラ!逃げろ!魔王だ!」
大きく叫ぶ。こんな姿でも魔王は魔王。まともに戦って勝てる相手ではない。
「んふふ。無駄よ。ここは亜空間。イセキンの声はどこにも届かないんだから!ここは2人だけの空間!」
「な……!」
「ペリオリもいないからね、配信魔法の効力もここまでは届かないわ。だから強さ的には裸みたいなもんよ」
ペリオリ……あの実況じじいか。
魔王が言うように、《ライブ》はしていないようだな。
「あーやっと会えた。イセキンー!」
と、突然魔王は俺に抱きついた。
ちゅっちゅっちゅっちゅっ
「好き好き好き」
キスの猛攻。
「ちょちょちょっと!」
キスのたびにいい匂いが漂う。
「え?何?イヤなの?」
じわっと涙を浮かべてこちらを見る。
「う……上目遣いで見るな。嫌じゃないけどさ」
「あああ、よかった!ぎゅーーーーー!」
ぎゅーーーーと抱きしめられたままドサッと倒された。
魔王が馬乗りになる。
思ったより軽いな……
「ちょっと状況がよくわからないんだが。喋り方もなんか違うし」
このシチュエーション……恥ずかしくて、魔王が見れない。目線を横にずらしながら喋るのがやっとだ。
「私の喋り方?ははは。あんな堅苦しい言葉、日常生活で使うわけ無いでしょ。私はイセキンに会いたいから、転移魔法で会いに来たの!」
……なにこれ、ハニートラップかな。
「私、なんか……君の不思議な感じに惹かれてしまったようなの。まるで異世界から来たような、この世界には居ない特別な感覚がして」
異世界はお互い様か。魔王から見ると俺が異世界の人ってか。
「じ……じゃあ、あれだ。魔王、約束してほしいことが1つある」
「あ、パレシアって呼んでほしいな」
「わかった、パレシア。俺のことが好きなら約束してほしいことがある」
「いいよ?」
「人間と魔族の戦争をしてるんだってな」
「そうだよ」
ゴロンと馬乗りの立場を逆転させる。
「それをやめてほしい」
「うん。わかった」
即レス。あっさりだな。
「もう人間界を魔族から攻めないことにするわ」
なんだ、もうこれで世界平和達成じゃないか。
「というか実は私も同じことを考えていたの……でも私が戦争終結を大々的に宣言をすることはまだできないかな。終戦を宣言しちゃうと、魔族の支持を大幅に失うことになるわ。
そうなると視聴者の大半が魔族である私の《ライブ》視聴者数が、減ることになるでしょ。
私の力が弱くなるとたぶん反対勢力が力をつけ、叛逆を起こしかねない。そうなると本当に手がつけられなくなると思う」
「へー、魔界も色々と大変なんだな」
またもゴロンと転がり再び魔王が上に。
「私からもお願いがあるの、エクスカリバーを探す体で私とずっと戦ってくれる?まあもとからそのお願いするつもりで来たんだけど」
【次回予告】
なおも主人公イセキンと、魔王パレシアのいちゃいちゃは続く。イセキンの胸に頭を落としステータスを読み上げる。「LV12/ HP:999999/ MP:999999……」
次回、第14話:魔王と俺2人の秘密!ステータスが丸裸!




