表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
昭和の浦島伝説  作者: ほっちぃ
序章
3/3

太平洋戦争開戦

 

 1941年12月8日。

 イギリスとアメリカが日本に宣戦布告した日じゃ。

 宣戦布告を受けた日本も、イギリスとアメリカに宣戦布告しおったと、ラジオに繰り返し流れておった。


 それの意味するは、太平洋戦争の開戦、人々にとってまたひとつの悪夢が始まったということじゃ……。


 後から聞いた話じゃが、次郎の父親の茂雄がマレー作戦のために上陸したのも、かの有名な真珠湾攻撃も同じ日じゃったらしい。

 マレー作戦というのは、マレー半島の北端から、シンガポール方面へ急攻するという意味じゃ。

 直線にして1000キロメートル以上もある陸地を、たった70日間で進攻する作戦じゃったらしいが、それもただの陸地じゃなかったんじゃ。

 鬱蒼とした森、高い湿度と見たこともない色をした蛇や虫。それから、潜んでおるイギリス軍兵士。

 全ての危険をかわしながら進むのは容易ではなかったじゃろうな。


 ワシも、彼ら英雄と同じように戦争に行ったモンとして、忘れられんことはたくさんある。餓死寸前の状態でなんとか握る銃。その銃で、抵抗する気力がなくなり、涙が溢れ、震え、だんだん足がすくんで崩れ落ちていく相手を撃つんじゃ……。お国のためじゃお国のためじゃと言い聞かせて、武者震いになど負けるか、と、精いっぱい撃鉄を引いたんじゃ……。



 そこから先は何も言うまい……。なにかのついでにでもまた話すこともあろう。





「ふう、今日は疲れたわい。また明日にしてくれんかのう」


 彼はそういうと、奥の部屋に入っていった。

 彼の奥さんは、わざわざ帰ってもらうのも悪いからと、記者の私のために寝床を用意してくれた。



 明日のお話に備え、録音機器に充電機を挿して眠りについた。





変な終わり方をしてしまって申し訳ありません……!


ここまでが第1章です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ